資料2 脳・心臓疾患の労災認定の基準に関する専門検討会報告書 (122 ページ)
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公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_19809.html |
出典情報 | 「脳・心臓疾患の労災認定の基準に関する専門検討会」の報告書を公表します(7/16)《厚生労働省》 |
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時間
13
14
15
16
17
調査期間
(発病前)
観察期間
1995年1月1日から
6時間以下、7時間、8時
前年の平均睡 2008年3月31日(平
間、9時間及び10時間以
眠時間
均追跡期間10.8
上/日
年)
疾病
全死因、冠動脈性
心疾患(虚血性心
疾患と脳血管疾
患)、がん、そのほ
かの原因による死
亡
短時間睡眠(6時間未
9.5年間のフォロー
満)
平均睡眠時間
脳卒中
アップ期間
長時間睡眠(8時間超)
1984/85年のベー
5時間以下、6、7–8、9、 通常の睡眠時 スラインから
10時間
間
1999/2001年まで
14年間追跡
5時間未満、6、7、8、9
時間以上
コホート研究
平均追跡期間は
前年の睡眠時
12.9年
間
代表的な通常
6時間以下、7-8時間、9
1992-1994年から
の平日睡眠時
時間以上
2005年まで
間
(1)脳血管疾患に関するもの(21文献)
調査対象
宮城県の大崎保健所が管
轄する地域の国民健康保
健受給者で、1995年にリク
ルートされた40–79歳の
コホート研究
51,253人のうち、49,256人
(男性23,749人、女性
25,507人
脳卒中の病歴のない英国
人9,692人(男性4,444人、
女性5,248人、42-81歳)を
対象
全脳血管疾患(非
致命的及び致命
的)、非致命的脳 25〜74歳の男女17,604人
血管疾患、致命的
脳血管疾患
死亡
調査方法
調整因子
結果
有意性
著者名
8時間以上の睡眠では、心血管疾患による死亡リスク
との有意な関連が見られた(8時間HR 1.21、95%CI:
1.08-1.36、9時間HR 1.32、95%CI: 1.15-1.28、10時間以
上HR 1.49、95%CI: 1.30-1.71)。6時間以下の睡眠では
年齢、性別、総エネルギー摂取量、体格 有意な関連は見られなかった。心血管疾患のうち、虚
指数、婚姻状況、教育レベル、雇用状 血性心疾患と脳血管疾患のみ、個別に分析した結果
況、心筋梗塞・がん・脳血管疾患・高血 では、6時間以下の睡眠、8時間以上の睡眠の両方が 8時間以上あり
Kakizaki
圧・糖尿病の既往歴、喫煙状況、飲酒 虚血性心疾患による死亡と有意に関連していた(6時 6時間以下なし
M, et al
習慣、1日の歩行時間、精神的ストレス 間以下HR 1.38、95%CI: 1.02-1.86、8時間HR 1.36、
(脳血管疾患)
レベル、主観的健康観、身体的機能(制 95%CI: 1.06-1.73、9時間HR 1.49、95%CI: 1.10-2.02、10
限有無)
時間以上HR 1.41、95%CI: 1.04-1.92)。一方で、脳血管
疾患では9時間以上での睡眠でのみ有意な関連が見
られ(9時間HR 1.30、95%CI: 1.06-1.60、10時間以上HR
1.51、95%CI: 1.24-1.85)、6時間、8時間では有意な関
連はなかった。
長時間睡眠(8時間超)は、脳卒中の発生率増加と有
意な関連があり、平均的睡眠時間(6-8時間)の群に比
べるとHRは1.46(95%CI: 1.08-1.98)であった。
年齢、性別、社会階級、教育歴、婚姻状
短時間睡眠(6時間未満)も脳卒中と関連があったが、
前向きコホート 態、喫煙、アルコール摂取、睡眠薬の使
短時間睡眠(6
HRは1.18(95%CI: 0.91-1.53)であり、有意差はなかっ
Leng Y,
研究、メタアナリ 用、脳卒中に関する家族歴、BMI、身体
時間未満)なし
た。
et al
シス
活動、MDD、SBP、DBP、既存MI、糖尿
長時間睡眠あり
本研究以外の研究例11件を含めたメタ解析の結果で
病、血清コレステロールレベル
も、短時間睡眠HRは1.15(95%CI: 1.07-1.24)、長時間
睡眠HRは1.45(95%CI: 1.30-1.62)であり脳卒中との関
連が認められた。
タイトル
書誌情報
Long sleep duration and causeJ Sleep Res.
specific mortality according to
2013; 22: 209physical function and self-rated
216
health: the Ohsaki cohort study
Sleep duration and risk of fatal
Neurology.
and nonfatal stroke : a
2015; 84: 1072prospective study and meta1079
analysis
男性では、5時間以下の睡眠及び10時間以上の睡眠
と、全脳血管疾患との関連が見られた(5時間以下:HR
1.44、95%CI: 1.01-2.06;10時間以上:HR 1.63、95%CI:
年齢、調査時期、教育歴、身体活動、ア 1.16-2.29)。6時間、9時間睡眠では、全脳血管疾患と
前向きコホート
ルコール摂取量、喫煙習慣、BMI、高血 は有意な関連は見られなかった。非致死的、致死的脳
研究
圧有無、糖尿病有無、脂質異常症有無 血管疾患とは、いずれの睡眠時間でも、有意な関連は
見られなかった。
女性では、いずれの睡眠時間も、いずれのアウトカム
と有意な関連は見られなかった。
Symptoms of insomnia and
【男性】
sleep duration and their
5時間以下あり
Helbig
association with incident
10時間以上あり
AK, et al strokes: Findings from the
【女性】
Population-Based MONICA/
なし
KORA Augsburg cohort study
PLoS One.
2015; 10:
e0134480
男性では、9時間以上で心血管疾患のリスク(HR
1.22、95%CI: 1.09-1.35)が増加した。5時間以下及び9
時間以上と冠動脈心疾患(HR 1.21、95%CI: 1.04-1.42;
HR1.16、95%CI: 1.04-1.42)、9時間以上の睡眠と脳血
管疾患(HR 1.35、95%CI: 1.03-1.75)と有意な関連が見
られた。
女性では、5時間以下及び9時間以上の睡眠では、心
血管疾患の死亡リスク(HR 1.20、95%CI: 1.05-1.36;HR
1.29、95%CI: 1.13-1.47)が増加した。心血管疾患のサ
ブタイプ別では、9時間以上と脳血管疾患(HR 1.39、
95%CI: 1.06-1.83)で有意な関連がみられた。
【男性】
Insufficient and excessive
9時間以上あり
amounts of sleep increase the
【女性】
Kim Y, et risk of premature death from
9時間以上あり
al
cardiovascular and other
5時間以下あり
diseases: the Multiethnic
(心血管疾患全
cohort study
体)
Prev Med.
2013; 57: 377385
モデル1を用いて解析した睡眠時間のみとの関連につ
いては、男性では6時間以下のHRは1.1(95%CI: 0.961.3)、9時間以上は1.3(95%CI: 1.01-1.7)であり、短い睡
眠との関連は消失した。女性ではそれぞれ1.3(95%CI:
1.1-1.5)、1.5(95%CI: 1.1-2.1)であった。
【男性】
6時間以下なし
Canivet
【女性】
C, et al
6時間以下、9
時間以上あり
45–75歳のハワイとロサン
ゼルスの成人のうち、がん
や心疾患、動脈硬化の既 コホート研究
往のない男性61,936人、女
性73,749人
年齢、人種、喫煙習慣
モデル1:年齢
モデル2:モデル1+社会経済的地位、
スウェーデンで登録された
婚姻歴、社会参加
心筋梗塞、脳血管
参加者のうち心血管疾患 前向きコホート モデル3:モデル2+喫煙状況、少ない身
疾患、虚血性心疾
の既往歴のない45-64歳の 研究
体的運動量、肥満
患に基づく死亡
男性5,875人、女性7,442人
モデル4:モデル3+高血圧、糖尿病
モデル5:モデル4+首の痛さ、肩の痛
さ、腰痛
112
Insomnia increases risk for
cardiovascular events in women J Psychosom
and in men with low
Res. 2014; 76:
socioeconomic status: A
292-299
longitudinal, registerbased study