資料2 脳・心臓疾患の労災認定の基準に関する専門検討会報告書 (90 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_19809.html |
出典情報 | 「脳・心臓疾患の労災認定の基準に関する専門検討会」の報告書を公表します(7/16)《厚生労働省》 |
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ると思われる67。
イ 成因及び自然経過、治療、予後
心停止の成因を図2に示す。
ホルター(長時間)心電図記録中に発生した突然死の解析によると、70~
80%に心室頻拍(VT)、心室細動(VF)などの頻拍性不整脈、20%弱に房室ブ
ロックなどの徐脈性不整脈が記録されている。心室頻拍、心室細動など致死
的頻拍性不整脈の原因として、特に壮年期以後では、急性冠症候群が最大の
理由と考えられている。若年者の突然死としては、非虚血性の原因(先天性
QT 延長症候群、ブルガダ症候群、早期再分極症候群、カテコラミン誘発性多
形性心室頻拍(CPVT)、心筋症、劇症型心筋炎など)を考えるべきである。
心室頻拍は、心室起源の心拍(予期される心室の興奮よりも早期に心室か
ら異所性興奮が発生する状態)が連続して発生し、頻脈を呈する状態をいう。
無脈性心室頻拍(心室頻拍のうち有効な心室拍動がなく脈を触れないもの)
や心室細動に移行する可能性があり、緊急処置を要する状態である。
不整脈を生じさせ心停止の原因となる基礎心疾患には、次の(ア)~(エ)
のとおり様々なものがある。これら基礎心疾患には、その発症原因それ自体
は業務と関連がないものが含まれる。この場合、当該基礎心疾患それ自体や、
当該基礎心疾患が自然経過により心停止に至った場合について業務と発症と
の関連を認めることはできない。しかし、対象疾病の項で検討したとおり、
当該基礎心疾患の病態が安定しており、直ちに重篤な状態に至るとは考えら
れない場合であって、業務による明らかな過重負荷によって心停止に至った
と認められる場合には、業務と発症との関連を認めることが妥当である。
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小川聡ら. 内科学書改定第8版 vol3 循環器疾患
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腎・尿路疾患. 中山書店. 2013; 105