資料2 脳・心臓疾患の労災認定の基準に関する専門検討会報告書 (120 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_19809.html |
出典情報 | 「脳・心臓疾患の労災認定の基準に関する専門検討会」の報告書を公表します(7/16)《厚生労働省》 |
ページ画像
プレーンテキスト
資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。
調査期間
(発病前)
時間
1
2
3
4
5
観察期間
5時間以下、6時間、7時
前年の平均睡 平均追跡期間は
間、8時間、9時間、10時
眠時間
14.7年
間以上
疾病
(1)脳血管疾患に関するもの(21文献)
調査対象
15の研究(日本、アメリカ、
ヨーロッパ等の24のコホー
システマティック
ト)の474,684人の男女。発
レビュー、メタア 症例16,067人(冠動脈性心
ナリシス
疾患4,169人、脳卒中3,478
人、心血管疾患8,420人)
冠動脈性心疾患
追跡期間6.9年-25 (CHD)、脳卒中、
年
全心血管疾患
(CVD)
各調査の定義
糖尿病、高血圧、
5,172,710人の参加者を含
2013年10月、2014 心血管疾患、脳血
む153の研究(死亡36、心
年10月と2016年5 管疾患、冠動脈性
血管疾患24、脳卒中14の
月
心疾患、肥満、うつ
研究)
状態
短時間(6時間以下)、
適切(7-9時間)、長時
間睡眠(10時間以上)
平均睡眠時間 2010年
6時間未満、6時間以上
ベースライン
7時間未満、7時間以上
の睡眠時間
8時間未満、8時間以上
(自己申告)
9時間未満、9時間以上
6
6時間未満、6-6.9、77.9、及び8時間以上
ベースライン
の睡眠時間
7
短時間睡眠(6時間未
満)
長時間睡眠(8時間超)
システマティック
レビュー、メタア ナリシス
米国の14の州のうち、45歳
以上の成人54,269人(対象
慢性疾患(冠動脈 の33.1%が65歳以上、52.8%
性心疾患、脳血管 が女性、非ヒスパニック系 横断研究
疾患、糖尿病)
白人76.5%、非ヒスパニック
系黒人5.7%、ヒスパニック系
10.2%)
慢性疾患(糖尿
2007年まで(平均追
病、心筋梗塞、脳
跡期間は7.8年)
血管疾患)
23,620人(平均年齢48.853.9歳、女性57.9-65.9%)
心血管疾患、冠動 35-54歳の富山県の軽金
1994年から2007年
脈性心疾患、脳血 属工場の男性労働者のう
までの14年間
管疾患発症
ち2,282人
-
調整因子
結果
有意性
著者名
タイトル
書誌情報
モデル1:年齢、募集年、性別、地域、教
1日7時間の睡眠と比較して、短時間(5時間以下)及び
育レベル、BMI、飲酒、喫煙強度(タバコ
1993年から1998年の間に
長時間睡眠(9時間以上)の両方が脳血管疾患死亡の
の数/日)及び期間(喫煙年数)、身体活
Sleep duration and risk of
リクルートされた、中国南
リスク増加と関連した。5時間以下で1.25(95%CI: 1.05脳血管疾患による
前向きコホート 動のレベル、総カロリー、野菜、果物、
5時間以下あり Pan A, et stroke mortality among Chinese Stroke. 2014;
部の福建省と広東省出身
1.50)、9時間以上も1.54(95%CI: 1.28-1.85)で有意で
死亡
研究
食物繊維、多価不飽和脂肪酸の摂取量
9時間以上あり al
adults: Singapore Chinese
45:1620-1625
でシンガポールに住む45あった。また脳梗塞では短時間睡眠で1.37(95%CI:
モデル2:モデル1の因子+高血圧、糖
health study
74歳の中国人63,257人
1.12-1.68)、長時間睡眠で1.68(95%CI: 1.36-2.06)で
尿病、心血管疾患、脳血管疾患、及び
あった。
がんの病歴
短時間睡眠(5-6時間以
下)
長時間睡眠(8-9時間以
上)
-
調査方法
コホート研究
短時間睡眠(5-6時間以下)はCHD(相対危険度1.48、
95%CI: 1.22-1.80)及び脳卒中(相対危険度1.15、
95%CI: 1.00-1.31)の発症又は死亡と有意な関連が見
られたが、CVDとは関連が見られなかった(相対危険
度1.03、95%CI: 0.93-1.15)。
長時間睡眠(8-9時間超)は、CHD(相対危険度1.38、
95%CI: 1.15-1.66)、脳卒中(相対危険度1.65、95%CI:
4.45-4.87)、CVD(相対危険度1.41、95%CI: 1.19-1.68)
全てのリスクを有意に増加させた。
短時間睡眠(5Sleep duration predicts
6時間以下)あ Cappucci cardiovascular outcomes : A
り(脳卒中)
o FP, et systematic review and meta長時間睡眠あり al
analysis of prospective cohort
(脳卒中、CVD)
studies
Eur Heart J.
2011; 32: 14841492
文献22
メタ回帰分析により、統計的に有意な死亡率の増加と6
時間未満の睡眠時間との間に線形の関連性が見られ
た。短い睡眠時間は、死亡率の増加と有意に関連して
いた(RR 1.12、95%CI: 1.08-1.16)。また、心血管疾患と
も有意に関連していた(RR1.16、95%CI:1.10-1.23)が、
脳卒中とは有意な関連がなかった(RR1.08、95%CI:
0.98-1.19)。
6時間未満あり
(死亡率)
Itani O,
短い睡眠あり et al
(心血管疾患)
Sleep Med.
2017; 32: 246256
文献26
Short sleep duration and health
outcomes: a systematic review,
meta-analysis, and metaregression
モデル1:未調整
モデル2:性別、年齢、人種及び民族、
教育歴
モデル3:モデル2の因子+肥満
モデル4:モデル2の因子+精神的苦痛
モデル2の解析の結果、6時間以下、10時間以上のい
Sleep duration and chronic
ずれの睡眠時間も、冠動脈性心疾患(OR 1.45、95%CI:
diseases among U.S. adults age
1.29-1.63;OR1.92、95%CI: 1.52-2.43)、脳血管疾患
6時間以下、10 Liu Y, et
Sleep. 2013; 36:
45 years and older: evidence
(OR 1.34、95%CI: 1.14-1.59;OR 2.47、95%CI: 1.89時間以上あり al
1421-1427
from the 2010 Behavioral Risk
3.22)、糖尿病(OR 1.34、95%CI: 1.20-1.49;OR 1.96、
Factor Surveillance System
95%CI: 1.60-2.39)のリスク増加と有意に関連していた。
年齢、性別、社会経済的要因、睡眠障
害の有無、飲料からのアルコール摂取
量、喫煙状態、身体活動量、雇用状況、
教育レベル、BMI、ウエストヒップ比、
ベースラインでの高血圧有無及び高血
中脂質の既往、カフェイン入り飲料の摂
取量、生活への満足度、健康への満足
度、抗うつ剤の摂取有無
6時間未満の群では、脳血管疾患(HR 2.06、95%CI:
1.18-3.59)、慢性疾患全体(糖尿病、心筋梗塞、脳血
von
6時間未満あり
管疾患のいずれか)(HR 1.31、95%CI: 1.10-1.55)のリ
Ruesten
それ以外なし
スクが有意に増加した。それ以外の睡眠時間では、有
A, et al
意な関連は見られなかった。
モデル1:年齢
モデル2:モデル1の因子+仕事の種
類、労働時間、精神的負荷
6時間未満の睡眠は、心血管疾患(HR3.49、95%CI:
前向きコホート モデル3:モデル2の因子+BMI、平均血
Hamazaki
1.30-9.40)及び冠動脈性心疾患(HR4.95、95%CI:1.31- 6時間未満あり
研究
圧、HbA1c、総コレステロール値、現在
Y, et al
18.73)の発症リスクの増加と関連していた。
の喫煙習慣、飲酒習慣、余暇の身体活
動、及び高血圧、糖尿病、及び高コレス
テロール血症のための服薬状況
コホート研究では、対照群に比較して、短時間睡眠(46時間未満)、長時間睡眠(8時間超)に対する脳卒中
のHRはそれぞれ1.13(95%CI: 1.02-1.25)、1.40(95%CI: 短時間睡眠(4Ge B &
1.16-1.64)であり、有意な増加が見られた。
6時間未満)、長
Guo X
横断研究においても短時間睡眠、長時間睡眠による 時間睡眠あり
脳卒中のORはそれぞれ1.71(95%CI: 1.39-2.02)、2.12
(95%CI: 1.51-2.73)であり、有意な増加が見られた。
MEDLINEとEMBASEから関
連する文献を抽出(日本、 システマティック
脳卒中の発症又は
アメリカ、ヨーロッパ、ス
レビュー、メタア 死亡
ウェーデンの12件のコホー ナリシス
ト研究、6件の横断研究)
110
Association of sleep duration
with chronic diseases in the
PLoS One.
European Prospective
2012; 7: e30972
Investigation into Cancer and
Nutrition (EPIC)-Potsdam study
The effects of sleep duration
on the incidence of
cardiovascular events among
middle-aged male workers in
japan
Scand J Work
Environ Health.
2011; 37: 411417
Short and long sleep durations
are both associated with
increased risk of stroke:a
meta-analysis of ovservational
studies
Int J Stroke.
2015; 10: 177184
文献23