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資料2 脳・心臓疾患の労災認定の基準に関する専門検討会報告書 (95 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_19809.html
出典情報 「脳・心臓疾患の労災認定の基準に関する専門検討会」の報告書を公表します(7/16)《厚生労働省》
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の房室結節及び His 束の変性によるものが多い78。
洞不全症候群は洞結節あるいはその周囲の障害により、高度の洞徐脈、
洞房ブロック又は洞停止を生じ、徐脈に起因する脳虚血症状や心不全症
状を呈する症候群をいう。QT 間隔が延長しない限り心停止を生じること
はなく、生命予後は良好と考えられている。加齢や虚血性心疾患、サル
コイドーシス、心筋症などの基礎疾患によるもののほか、抗不整脈薬等
の薬剤によるもの、その他高カリウム血症等の原因によるものがある。
(エ)

その他
ファロー四徴症(肺動脈狭窄、心室中隔欠損、大動脈騎乗、右室肥大の
四徴からなる先天性チアノーゼ性心疾患)などの先天性心疾患、重度の大
動脈弁膜症も、心室頻拍や心室細動から突然死を起こすことがある。

(5) 心不全


概要
「心不全」とは「なんらかの心臓機能障害、すなわち、心臓に器質的およ
び/あるいは機能的異常が生じて心ポンプ機能の代償機転が破綻した結果、呼
吸困難・倦怠感や浮腫が出現し、それに伴い運動耐容能が低下する臨床症候
群」と定義される79。
心不全は臨床症候群であり、その心不全の程度や病状の進行具合、重症度
や運動耐容能を示す分類など、その分類基準は多数存在する。
我が国において多く用いられている心不全ステージ分類では、適切な治療
介入を行うための分類がなされている。当該分類では、リスク因子をもつが
器質的心疾患がなく、心不全症候のない患者は「ステージA

器質的心疾患

のないリスクステージ」、器質的心疾患を有するが、心不全症候のない患者は
「ステージB

器質的心疾患のあるリスクステージ」、器質的心疾患を有し、

心不全症候を有する患者は既往も含め「ステージC

心不全ステージ」、おお

むね年間2回以上の心不全入院を繰り返し、有効性が確立しているすべての
薬物治療・非薬物治療について治療ないしは治療が考慮されたにもかかわら
ずニューヨーク心臓協会(New York Heart Association:NYHA)心機能分類Ⅲ
度より改善しない患者は「ステージD

治療抵抗性心不全ステージ」と定義

される。当該分類は、無症候であっても高リスク群であれば早期に治療介入

78

医療情報科学研究所. 病気がみえる vol.2

79

循環器. メディックメディア. 2017; 132

日本循環器学会ら. 急性・慢性心不全診療ガイドライン(2017 年改訂版). 2018; 10

85