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資料2 脳・心臓疾患の労災認定の基準に関する専門検討会報告書 (80 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_19809.html
出典情報 「脳・心臓疾患の労災認定の基準に関する専門検討会」の報告書を公表します(7/16)《厚生労働省》
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ーによるものが多い51。


自然経過、治療、予後
脳出血は、高血圧の持続や血圧上昇により血腫拡大につながるため、血
圧管理(降圧)を行う。また、切迫する脳ヘルニア(脳圧の上昇により脳
組織の一部が脳からはみ出すこと)のおそれがある場合に、救命のために
外科的血腫除去術などを行う。
高血圧性脳出血の再発予防に当たっては、血圧管理が最も重要である。

(3) くも膜下出血


概要
何らかの原因疾患によりくも膜下腔に存在する脳表面の動脈が破綻し、

くも膜下腔に出血が生じた病態をくも膜下出血という。
くも膜下腔に流入した血液によって脳が圧迫され、ごく短時間で頭蓋内
圧が亢進するとともに、血管の破綻により脳循環不全(脳血流の低下)を
きたす。頭蓋内圧の亢進や脳循環不全によって、脳灌流圧が低下して脳が
虚血状態となり、意識障害等が生じる。突然の激しい頭痛が特徴的な症状
である。


成因
非外傷性くも膜下出血の原因としては、脳動脈瘤、脳動静脈奇形、脳出
血、もやもや病、脳腫瘍、脳血管炎などの頭蓋内疾患、凝固異常・線溶異
常などの血液疾患があげられる。このうち、80%以上は脳動脈瘤の破裂で
あり、40~60 代の女性に好発する。次いで多いのが脳動静脈奇形で、20~
40 代の男性に好発する。



自然経過、治療、予後
初期治療の目標は再出血の予防と適切な全身管理であり、初回出血後 72
時間以内に、クリッピング術などの外科的治療やコイル塞栓術などの血管
内治療を行う。再出血が生じた場合、高率に予後が悪化する。
発症時の一次的脳損傷(来院時の意識障害の程度)、発症後 24 時間以内を
ピークとする再出血、発症後 72 時間以降の脳血管攣縮(脳底部主幹動脈の
可逆的狭窄)が予後に大きく影響する。
非外傷性くも膜下出血は、最新の国内登録研究でも 23%の致死率が報告
されており、致死性脳卒中の代表である。一方で、死亡総数は減少してお

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医療情報科学研究所. 病気がみえる vol.7

脳・神経. メディックメディア. 2017; 120

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