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資料2 脳・心臓疾患の労災認定の基準に関する専門検討会報告書 (106 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_19809.html
出典情報 「脳・心臓疾患の労災認定の基準に関する専門検討会」の報告書を公表します(7/16)《厚生労働省》
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3.60(95%CI:1.62-8.01)であり、女性では全脳卒中 1.98(95%CI:1.422.77)、脳梗塞 1.57(95%CI:0.86-2.87)、脳出血 1.53(95%CI:0.864.25)、くも膜下出血 2.70(95%CI:1.45-5.02)であった。
男性では喫煙本数が増えると脳卒中の発症が増える用量依存性がみら
れた。
(カ) 飲酒101
出血性脳卒中の発症率と飲酒量との間には直線的な正の相関関係があ
る。
一方、脳梗塞の発症率と飲酒量との間にはJ(又はV)カーブ現象が
見られ、非飲酒者と比べ、少量~中等量の飲酒者では脳梗塞の発症率は
低く、大量飲酒者では高い。
Japan Public Health Center-Based Prospective Study on Cancer and
Cardiovascular Disease(JPHC Study)CohortⅠでは、機会飲酒者と比べ、
大量飲酒(エタノール 450g/週以上)者で全脳卒中の発症率が 68%増加
し、特に出血性脳卒中の中でもくも膜下出血の発症率が著しく増加した。
一方、少量~中等量(エタノール1~149g/週)の飲酒者では、機会
飲酒者と比べ、脳梗塞の発症率が 39%少なく、ラクナ梗塞でより顕著で
あった。
(キ) 炎症マーカー102
高感度 C-reactive protein(hs-CRP)をはじめとした血液炎症マーカー濃
度は、血管炎症を反映しているとされ、脳梗塞発症高リスク患者の選別に
用いることを考慮しても良い。
Emerging Risk factors Collaboration の 54 コホート研究、16 万人を平
均 8.2 年追跡調査したメタアナリシスでは、hs-CRP を log 変換した値の
1SD の増加は、年齢、性別、危険因子で補正しても虚血性心疾患リスクを
1.37 倍(95%CI:1.27-1.48)脳梗塞のリスクを 1.27 倍(95%CI:1.15-1.40)
有意に高めていた。一方、hs-CRP と出血性脳卒中リスクとの間には関連
はみられないと報告されている(オッズ比(OR)1.07、95%CI:0.86-1.32)。
わが国では、2,692 例の一般住民を 12 年間追跡した久山町研究で、男
性で hs-CRP 濃度高値群では低値群に比し脳梗塞リスクが有意に高いこと
が報告されている。しかし、女性、出血性脳卒中では hs-CRP との関連性

101

日本脳卒中学会. 脳卒中治療ガイドライン 2015[追補 2019 対応]. 協和企画. 2019; 39

102

日本脳卒中学会. 脳卒中治療ガイドライン 2015[追補 2019 対応]. 協和企画. 2019; 40

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