資料2 脳・心臓疾患の労災認定の基準に関する専門検討会報告書 (134 ページ)
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公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_19809.html |
出典情報 | 「脳・心臓疾患の労災認定の基準に関する専門検討会」の報告書を公表します(7/16)《厚生労働省》 |
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調査期間
(発病前)
時間
観察期間
疾病
調査対象
調査方法
調整因子
結果
有意性
著者名
タイトル
書誌情報
1996-1998年の間に急性心
急性心筋梗塞の発 筋梗塞を発症して入院した
症例対照研究
症
男性労働者(40-79歳)260
人
解析モデル:高血圧、糖尿病、
高脂血症、過体重、喫煙、アル
コール摂取、両親の既往歴(狭
心症及び心筋梗塞)、職種(ホワ
イトカラーまたはブルーカラー)、
労働の運動量
急性心筋梗塞のリスクは、過去1年間、過去1か月間と
もに、週当たりの労働時間61時間の群のオッズ比が対 週61時間以上
照群の約2倍に増加した(それぞれOR 1.8、95%CI: 1.0- あり
3.3;OR 1.9、95%CI: 1.1-3.5)。
Overtime work, insufficient
Liu Y & sleep, and risk of non-fatal
Tanaka H acute myocardial infarction in
Japanese men
性別、年齢、医療従事者、労働
時間、仕事の種類、うつ病、肥
満度指数、収縮期および拡張期
血圧、空腹時血糖値、およびコ
レステロール
6時間未満の睡眠時間(β=0.3、95%CI: 0.0-0.6、
P<0.05)と60時間以上の週労働時間(β=0.8、95%CI:
週60時間以上
0.2-1.5、 P<0.05)のみが、動脈硬化のリスク増加と有
あり
意に関連していた。それ以外の睡眠時間、労働時間で
は有意な関連は見られなかった。
Work-related psychosocial
hazards and arteriosclerosis:
Chou LiInt Heart J. 2015;
Across-sectional study among
Ping, et al
56: 644-650
medical employees in a Regional
Hospital in Taiwan
Int J Cardiol.
2014; 171: 419422
Eur Heart J. 2010;
31: 1737-1744
1
週当たりの労働時間40
時間未満(対照群)、41- 昨年の平均
60時間、61時間以上
2
週あたりの平均労働時
間40時間以下、41-49時
前月の週平均 間、50-59時間及び60時
間以上
上腕足首脈波速度 台湾の地方病院の医療従
によって評価される 事者576人(平均43歳、女性 横断研究
動脈硬化
85%)
3
1週間あたりの平均労働
時間が40時間未満、40発症前1週間
48時間、49-60時間、60
時間超
台湾において、急性心筋梗
塞または重度の冠状動脈
性心疾患と診断された23歳
急性心筋梗塞また
から60歳未満の男性322人
は重度の冠状動脈
症例対照研究
(急性心筋梗塞134人、重度
性心疾患の発症
の冠状動脈性心疾患188
人)と、対照として全国調査
から選ばれた男性644人
年齢と学歴
1週間あたりの平均労働時間が 60時間超の場合、対
Working hours, sleep duration
照群の40-48時間と比較して、 CHD(冠状動脈性心疾
長時間労働(週
and the risk of acute coronary
患)のリスクが有意に高いことが認められた(OR 2.2、
Cheng Y,
平均60時間超)
heart disease: a case-control
95%CI: 1.6-3.1)。睡眠時間と長時間労働及び短い睡眠
et al
あり
study of middle-aged men in
時間は、男性の心血管疾患のリスクに独立して寄与す
Taiwan
る。
ロンドン(英国)の20の公務
員部門に勤務する公務員
(フェーズ3ベースライン時
(1991-1994)で、勤務時間
冠動脈性心疾患の に関する質問に回答したフ 前向きコホート
発症
ルタイム労働者で、データ 研究
の欠損がなく、かつ、フェー
ズ7(2002-2004)まで追跡さ
れた39-61歳の6,014人が分
析対象)
モデルA:年齢、性別、婚姻歴、
職場における地位
モデルB:モデルAの因子+糖尿
病、収縮期及び拡張期血圧、
LDL及びHDLコレステロール、ト
リグリセリド
モデルC:モデルBの因子+喫煙
状況、アルコール摂取、果実及
び野菜の摂取、運動レベル、
BMI、睡眠時間
モデルD:モデルCの因子+病
欠、心理的ストレス、仕事の要
求、職場での決定権
モデルE:モデルDの因子+タイプ
Aの行動パターン
モデルAでは1日あたり3-4時間の残業が、残業なしの
従業員と比較して、冠動脈性心疾患発症のリスクを
1.60倍(95%CI: 1.15-2.23)増加させることが示された。こ 1日3-4時間の Virtanen
の結果は、モデルのEでもほぼ同じであった(HR 1.56、 残業あり
M, et al
95%CI: 1.11-2.19)。狭心症を除いた場合でも、モデルE
でHR 1.67(95%CI: 1.02-2.76)であった。
Overtime work and incident
coronary heart disease: the
Whitehall II prospective cohort
study
-
労働時間が55時間/週以上では、対照群の30-45時間
/週と比較して心血管疾患のリスクが1.12倍(95%CI:
55時間/週以上 Virtanen
1.03-1.21)で、脳血管疾患のリスクが1.21倍(95%CI:
あり
M, et al
1.01-1.45)であった。
Curr Cardiol Rep.
Long Working Hours and Risk of
2018; 20: 123
Cardiovascular Disease
文献31
年齢、性別、社会経済的状態
35-40時間を対照群として比較した場合、長時間労働
長時間労働(55 Kivimäki
(55時間以上)により、心房細動のリスクが1.4倍増加し
時間以上)あり M, et al
たと示された(HR 1.42、95%CI: 1.13-1.80)。
Long working hours as a risk
factor for atrial fibrillation: a
multi-cohort study
-
標準時間(週35〜40時間)と比較して、長時間労働(週
長時間労働(週
55時間以上)は冠動脈性心疾患(相対危険度RR=
Kivimäki
55時間以上)あ
1.13、95%CI:1.02–1.26)および脳血管疾患(RR 1.33、
M, et al
り
95%CI:1.11–1.61)を発症するリスクが高かった。
Long working hours and risk of
coronary heart disease and
Lancet. 2015; 386:
stroke a systematic review and
1739-1746
meta-analysis of published and
文献28
unpublished data for 603 838
individuals
教育のレベル、高血圧、糖尿
病、運動、BMI、喫煙及びアル
コール摂取レベル
短期労働時間の場合は 40.1-50時間労働の群、長期
労働時間の場合は 40.1-48時間労働の群が対照群と
された。
短期的にも、長期的にも、CVDリスクのオッズ比(OR)
は、対照群と比較して、労働時間が長い群で増加した
(短期労働時間の場合、50.1-60時間労働:OR 1.85、
95%CI: 1.22-2.81、60時間以上:OR 4.23、95%CI: 2.816.39、長期労働時間の場合、48.1-52時間労働:OR
1.73、95%CI: 1.03-2.90、52時間以上:OR 3.46、95%CI:
2.38-5.03)。
韓国人労働者における労働時
間と心血管疾患 症例対照研究
(Working hours and
J Occup Health.
cardiovascular disease in
2013; 55: 385-391
Korean workers: A case-control
study)
1996年9月から
1998年9月
2008年1月から
2011年11月
4
残業なし(1日7-8時間勤
務)、1時間の残業(1日9
時間勤務);2時間の残 ベースライン
業(1日10時間勤務);3- 時の残業
4時間の残業(1日11-12
時間勤務)
追跡期間は平均
11.2年
5
1週間あたりの労働時間
30-45時間(対照群)、55 時間以上(長時間労働)
2018年7月に
PubMedによる文献 検索
6
1週間あたりの労働時間
ベースライン
35時間未満、35-40時
1991年から2004年
時の長時間労
心房細動の発症
間、41-48時間、49-54
まで
働
時間、55時間以上
-
PubMedとEmbase
開始から2014年8 月20日までの文献
7
記載なし
8
「短期労働時間」(前週
の労働時間を≤40、
40.1-45、45.1-50、50.155、55.1-60、>60時
発症前週
2010年11月から
間)、「長期労働時間」 発症前3か月
2011年10月まで
(過去3か月間の週平均 の週平均
労働時間を≤40、40.144、44.1-48、48.1-52、
>52)
CVD(心血管疾患:
脳梗塞、脳内出
血、くも膜下出血、
急性心筋梗塞)の
発症
-
メタアナリシス
英国、デンマーク、フィンラ
ンドの心房細動の罹患歴の
ない85,494人(平均年齢43.4 コホート研究
歳、男性29,579人、女性
55,915人)
ヨーロッパ、アメリカ、オース
トラリアの24のコホートから メタアナリシス
の25の研究が含まれた
登録された824の症例のう
ち、特定の2病院に由来す
る711人から、不就業、再
症例対象研究
発、誤診断、労働時間に関
する情報が不足した者を除
外した、348人
124
長時間労働(短
期:週50.1-60
Jeong I,
時間以上、長
et al
期:週48.1-52
時間以上)あり
Occup Environ
Med. 2002; 59:
447-451
Eur Heart J. 2017;
38: 2621-2628