資料2 脳・心臓疾患の労災認定の基準に関する専門検討会報告書 (164 ページ)
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公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_19809.html |
出典情報 | 「脳・心臓疾患の労災認定の基準に関する専門検討会」の報告書を公表します(7/16)《厚生労働省》 |
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負荷要因
1
激しい騒音
(95dB以上)
調査期間
(発症前)
観察期間
10年間の
騒音ばく 露レベル
疾病
調査対象
調査方法
心筋梗塞
ドイツの心筋梗塞患者及び心臓性突
然死の生存者(男性1,527人、女性
353人)と、性別、年齢を合わせた対 症例対照研究
照群(男性1,527人、女性706人)を対
象
調整因子
結果
有意性
著者名
タイトル
書誌情報
-
すべての職業カテゴリーをプールした最も高い騒音範囲(9595dB以上あり(男 Kersten N &
124dB)で、男性労働者の心筋梗塞のリスクが有意に高まっ
性)
Backé E
た(45-61dBと比較しOR 2.18、95%CI: 1.17-4.05)。
Occupational noise and
myocardial infarction:
considerations on the
interrelation of noise with job
demands
Noise Health.
2015; 17: 116122
-
日中70dB(A)以上の騒音にばく露する男性は、60dB(A)以
下のばく露男性に比べMIのリスクが高まる傾向があった(OR
1.3、95%CI: 0.88-1.8)。 10年以上同じ場所に居住する男性
のMIのリスクは有意に増加した(OR 1.8、95%CI: 1.0-3.2)。騒
音レベルの上昇に伴い、MI発症との間に用量反応関係が認
められた。女性では、騒音レベルとMIとの間に有意な関連は
見られなかった。
Babisch W, et al
Traffic noise and risk of
myocardial infarction
Epidemiology.
2005; 16: 33–40
日中60dB以下の騒音レベルの場合にはリスク増加は見られ
なかった。騒音レベルが60dB以上場合には、リスク増加及び 60dB以下なし
容量反応関係が見られた(交通騒音に長期間ばく露している 60dB以上あり
サブサンプルにおいて、OR1.44、p=0.020)。
Babisch W
Road traffic noise and
cardiovascular risk
Noise Health.
2008; 10: 27–33
2
10年以上
交通騒音(特に
のばく露 70dB(A)以上)
等
心筋梗塞(MI)
ベルリンの病院でMI治療を受けた患
者1,881人(男性1,527人、平均56±8
歳、女性354人、平均58±9歳)と対照 症例対照研究
群2,234人(男性1,527人、平均56±9
歳、女性707人、平均58±9歳)を対象
3
交通騒音(60dB
長期間
以上)
心筋梗塞
交通騒音と心疾患発症について調べ
メタアナリシス
た37の研究
-
4
作業環境での
騒音(騒音レベ
ルを4段階(騒
音なし、低、中、
高))
虚血性心疾患
英国の2ヶ所の原子力発電所(サイト
A又はサイトB)の男性労働者(肉体労
症例対照研究
働)を対象に、虚血性心疾患で死亡し
た症例と対照1,101組について
サイトAでは有意な関連が見られなかったが、サイトBでは
低、中、高レベルの騒音ばく露群のORは、騒音なし群に比べ
喫煙習慣、BMI、身長、 て1.15(95%CI: 0.81-1.65)、1.45(95%CI: 1.02-2.06)、1.37
収縮期血圧、拡張期血 (95%CI: 0.96-1.96)であった。しかし、勤続期間5年以上の労
圧
働者では、上記のORはそれぞれ1.07(95%CI: 0.64-1.77)、
1.33(95%CI: 0.88-2.01)、1.21(95%CI: 0.82-1.79)に減少し、有
意差はなかった。
中レベルの騒音
Occupational noise exposure
ばく露群につい McNamee R, et
and ischaemic heart disease
て、条件によって al
mortality
あり
Occup Environ
Med 2006; 63:
813–819
5
職場での騒音
(主観的な不快
度ではなく客観
的な騒音レベ
ル、特に男性労
働者)
対象者の
居住地の 1998年から
騒音レベ 2001年
ル
心筋梗塞(MI)
ベルリンの病院で急性MIの治療を受
けた患者4,115人(男性3,054人、平均
56±9歳、女性1,061人、平均58±9
症例対照研究
歳)と対照群(男性に対しては症例と
1:1、女性は1:2の対照を割り付け)を
対象
糖尿病、喫煙、高血圧、
心筋梗塞の家族歴、肥
満、教育、独居、残業や
交替制勤務を含む作業
状況、この研究で示され
ている騒音感度とその
他の騒音の変化
女性では環境騒音の不快度とMIとの間に有意ではないが弱
い関連が認められたが(調整済みOR 1.47、95%CI: 0.982.25、p=0.081)、男性では関連がなかった。職場騒音に対す
る不快度とMIとの間には関連がなかった。客観的な騒音レベ
ルを基準にすると、環境騒音のレベルは男性、女性ともMIの
リスクを増加させた(男性OR 1.46、95%CI: 1.02-2.0、p=0.04、
女性OR 3.36、95%CI: 1.40-8.0、p=0.007)。職場の騒音レベル
とMIの関連は、男性のみで認められた(OR 1.31、95%CI:
1.01-1.7、p=0.045)。
客観的な環境騒
音レベルあり(男
女)
Noise burden and the risk of
Willich SN, et al
客観的な職場騒
myocardial infarction
音レベルあり(男
性)
Eur Heart J.
2006; 27: 276–
282
職場での騒音
の知覚
ベースライ
ン時にお
1988年~1990
ける職場
年から2003年
での騒音
の経験
脳血管疾患
年齢、喫煙、教育、精神
的ストレス、既往歴、
脳血管疾患を有しない日本人男性労 前向きコホート
BMI、歩行時間、移動時
働者14,568人(40-59歳)を対象
研究
間、仕事の種類、交替
制勤務等
騒音の知覚群と脳出血との間に有意な関連(HR 2.11、
95%CI: 1.01-4.40)が見られた。特に高血圧を有する労働者に
おいて関連が強かった。高血圧がある群に限定すると、HR
55.6(95%CI: 3.61-857)であった。脳血管疾患、くも膜下出
血、脳梗塞と騒音の知覚との間には関連が見られなかった。
脳出血あり
脳血管疾患、くも
Fujino Y, et al
膜下出血、脳梗
塞なし
日本の男性労働者における職
場での自覚される騒音曝露と脳
血管疾患に関するプロスペク
ティブコホート研究
J Occup
(A prospective cohort study of Health. 2007;
perceived noise exposure at
49: 382-388
work and cerebrovascular
diseases among male workers
in Japan)
米国の女性107,130人(30-55歳)を対
コホート研究
象
年齢と人種を調整した後、幹線道路から50m以内に居住する
群と50m以遠に居住する群のSCD(心臓性突然死)の発生率
を比較したところ、50m以内の居住群ではリスクが増加した
(HR 1.56、95%CI: 1.18-2.05)。高コレステロール、高血圧、脳
卒中、冠状動脈性心疾患について調整した後も、50m以内の
居住群でSCDとの間には有意な関連が認められた(HR
1.38、95%CI: 1.04-1.82)。冠動脈性心疾患による死亡につい
ても50m以内の居住群のリスクは調整因子を投入しても統計
的に有意であった(HR 1.24、95%CI: 1.03-1.50)が、非致死的
な心筋梗塞では有意差はなかった(HR 1.08、95%CI: 0.961.23)。
心臓性突然死、
冠動脈性心疾患
Hart JE, et al
あり
心筋梗塞なし
Circulation.
Roadway proximity and risk of
2014; 130: 1474
sudden cardiac death in women
–1482
6
7
幹線道路周辺
(50m以内)での
居住による騒
音、大気汚染物
質へのばく露
-
勤続5年
未満の一
部条件で
有意
26年間の
居住地に
26年間
おける騒
音
心臓疾患
年齢、人種、暦年
154
10年以上同じ場
所に住む男性
で,70dB以上あ
り