資料2 脳・心臓疾患の労災認定の基準に関する専門検討会報告書 (110 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_19809.html |
出典情報 | 「脳・心臓疾患の労災認定の基準に関する専門検討会」の報告書を公表します(7/16)《厚生労働省》 |
ページ画像
プレーンテキスト
資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。
是正不可能な危険因子
(ア) 年齢106
年齢階層が上がるに従って心筋梗塞など動脈硬化性疾患の発症及び死
亡のリスクは増加し、絶対リスクからみると加齢は他のどの危険因子よ
りも強く動脈硬化性疾患の発症や死亡のリスクを高める。
(イ) 性
女性は男性に比べて心筋梗塞の発症及び死亡リスクは低い。
1999~2001 年の滋賀県高島町の調査では、日本人女性の年齢調整急性
心筋梗塞発症率(10 万人・年)は 35.7 と男性 100.7 の約3分の1であっ
た107。
さらに、2019 年の人口動態統計によると心疾患(高血圧性を除く)に
よる年齢調整死亡率(人口 10 万対)は、男性 62.0、女性 31.3 である。
そして、年齢(5歳階級)別の死亡率(人口 10 万対)は、30~34 歳では
男性 4.6、女性 1.8、40~44 歳では男性 14.9、女性 4.7、50~54 歳では男
性 48.9、女性 11.7、60~64 歳では男性 114.1、女性 29.9、70~74 歳では
男性 250.2、女性 93.2 となっており、どの年代においても女性の心疾患
の死亡率は男性より低かった。
しかし、女性の心疾患の死亡率は 60 歳代から上昇し、70 歳代の女性は
60 歳代の男性とほぼ同じとなっており、高齢女性の動脈硬化性疾患のリ
スクは低くない108。
(ウ) 家族歴109
欧米では 1970 年代より冠動脈疾患の家族歴は本疾患発症の危険因子に
なることが報告されていた。
冠動脈疾患の家族歴、特に第1度近親者(親、子、兄弟、姉妹)の家
族歴、また早発性(発症年齢:男性 55 歳未満、女性 65 歳未満)冠動脈疾
患の家族歴は、冠動脈疾患発症の強い危険因子となる。
フラミンガム研究では、両親の少なくとも一人に冠動脈疾患がある場
合は、冠動脈疾患のリスクの年齢調整オッズ比が男性で 2.6、女性で 2.3、
多変量解析などですべて調整した場合でも男性 2.0、女性 1.7 である。
106
日本動脈硬化学会. 動脈硬化性疾患予防ガイドライン 2017 年版. 2017; 33
107
日本動脈硬化学会. 動脈硬化性疾患予防ガイドライン 2017 年版. 2017; 33
108
厚生労働省. 人口動態統計. 2019
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/database?page=1&toukei=
00450011&tstat=000001028897
109
日本動脈硬化学会. 動脈硬化性疾患予防ガイドライン 2017 年版. 2017; 34
100