資料2 脳・心臓疾患の労災認定の基準に関する専門検討会報告書 (131 ページ)
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公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_19809.html |
出典情報 | 「脳・心臓疾患の労災認定の基準に関する専門検討会」の報告書を公表します(7/16)《厚生労働省》 |
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調査期間
(発病前)
時間
観察期間
49
50
女性:過去2
4-5、6、7、8、9、10時間 年
以上
男性:過去1
年
52
短時間睡眠(6時間未
満)、通常(6-8時間)及
平均睡眠時間 2006-2009年
び長時間睡眠(8時間以
上)
55
動脈硬化
1994年~1997年調
7時間以上は「十分な睡 通常の睡眠時
査開始からの10~ 心血管疾患
眠」
間
14年間(平均12年)
睡眠不足
調整因子
モデル1:年齢、性別
モデル2:モデル1の因子+BMI、喫煙状
況、アルコール摂取、婚姻歴、教育レベ
ル、職業、定期的な身体活動の有無、
前向きコホート
冠動脈性心疾患の家族歴
研究
モデル3:モデル2の因子+ベースライン
時の高血圧有無、糖尿病有無、コレステ
ロール、HDL、トリグリセリド、グルコース
及び尿酸レベル
結果
発症前1か月
または健康診
2002年
断1か月前の
睡眠時間
-
-
台湾国立成功大学病院の
健康診断センターを拠点と
し、脳血管イベント、冠動脈
横断研究
疾患、末梢動脈疾患の既
往のない、3,508人(20-87
歳)
心血管疾患を有さない2065歳の男性8,128人及び女 コホート研究
性9,759人
症例群:愛知県3か所及び
東京2か所の病院に急性心
筋梗塞で入院した47人(平
均52.0±6.1歳)の患者
対照群:健康診断のために
急性心筋梗塞の発
病院(上記の病院のうち愛 症例対照研究
症
知県1か所、東京1か所)を
訪れた労働者のうち、性別
と年齢が症例群と対応する
健康な47人(平均50.7 ±
6.1歳)
血管内皮機能
睡眠時間と過労死発症モ
デルの構築に関する考察
総説
有意性
著者名
タイトル
モデル3では,睡眠時間と総死亡との関連 RR (95%CI)
Habitual sleep duration and
は、5時間以下 1.15 (0.90-1.46)、6時間 0.97 (0.79長時間睡眠あり
insomnia and the risk of
Chien KL,
1.21)、7時間 1.00、8時間 1.04 (0.86-1.27)、9時間以上 (短時間睡眠な
cardiovascular events and allet al
1.34 (1.08-1.67) にU字型の関連性が見られた。心血 し)
causedeath: report from a
管疾患イベント発生との関連は有意ではなかった。
community-based cohort
男女ともに、心血管疾患(傾向P値:女性<0.001、男性
=0.2046)、脳血管疾患(傾向P値:女性=0.0283、男性
年齢、学歴、所得、喫煙状況、飲酒量、
=0.7890)を含む疾患固有の死亡率の関連も、一般に
身体活動量、夜間勤務の有無、茶の摂
同じJ字型のパターンに従っていたが、女性ではこの関
取量
連が有意であった一方、男性では有意な関連ではな
かった。
年齢、性別、人種、BMI、うつ病、喫煙、
1985年登録、睡眠
腰囲、トリグリセリド、低比重リポタンパ
調整後、睡眠時間が1時間長くなると、男性では頸動
の測定は15年目
ク質コレステロール、高比重リポタンパ
測定時(3日
617人の黒人及び白人の健
脈内膜中膜厚が0.026mm少なくなり有意であったが
(2005-2006年)、
前向きコホート ク質コレステロール、糖尿病、収縮期血
間、1年後再び
頸動脈内膜中膜厚 康な参加者(37-52歳、58%
(P=0.02; 95%CI: -0.047~-0.005)、女性では0.001mmに
頸動脈内膜中膜厚
研究
圧、拡張期血圧、インターロイキン-6、C
測定)
の女性)
留まり有意ではなかった(P=0.91; 95%CI: -0.020の測定は20年目
反応性タンパク質、身体活動、アルコー
0.022)。
(2010-2011年)
ル摂取、カフェイン消費、血圧とコレステ
ロールの薬、夜間覚醒、いびき
測定時間
1日の睡眠時間
調査方法
中国上海に住む40-74歳の
追跡期間の中央値 心血管疾患、脳血
中国人成人(女性74,941
は女性で7.12年、 管疾患、糖尿病、
コホート研究
人、男性61,480人)のうち、
男性で6.07年
がん
113,138人
51
54
調査対象
1990年にデータ収 心血管疾患のイベ 1990-1991年に台湾の研
1990年の平均
集(追跡期間の中 ントの発生及び全 究に登録された35歳以上
睡眠時間
央値は15.9年)
死亡
の成人3,430人
5時間以下、6、7、8時
間、及び9時間以上
53
疾病
【男性】
Sleep duration and mortality: a
なし
Cai H, et prospective study of 113 138
【女性】
al
middle-aged and elderly
J字型の関連あ
Chinese men and women
り
書誌情報
Sleep. 2010; 33:
177-184
Sleep. 2015; 38:
529-536
【男性】
Short sleep duration is
あり(睡眠時間
associated with carotid intimaが長くなると厚 Sands
media thickness among men in Stroke, 2012;
み小)
MR, et al the Coronary Artery Risk
43: 2858-2864
【女性】
Development in Young Adults
なし
(CARDIA) study
男性では、長時間睡眠(OR 1.75、P=0.034)は動脈硬 【男性】
BMI、eGFR、高血圧の有無、糖尿病の 化のリスクと有意に関連していたが、短時間睡眠では 長時間睡眠あり
Long sleep duration associated
Tsai TC,
Sleep. 2014; 37:
有無、喫煙習慣、アルコール摂取量、身 有意な関連は見られなかった(OR 0.98、P=0.92)。女 短時間睡眠なし
with a higher risk of increased
et al
1315-1320
体活動の有無、いびきの有無
性では、短い睡眠時間も長い睡眠時間も動脈硬化の 【女性】
arterial stiffness in males
増加と有意な関連は見られなかった。
なし
年齢、性別、学歴
健康的な4つの生活様式(十分な運動量、適切な食
事、適度なアルコール摂取、禁煙)のうち、4つすべて
に該当し、十分な睡眠である群は、0もしくは1つに該
当する対照群と比較して、心血管疾患全体のリスクは
65%低く(ハザード比0.35、95%CI: 0.23-0.52)、致死的な
心血管疾患のリスクは83%低かった(ハザード比0.17、
95%CI: 0.07-0.43)。
-
睡眠時間は、対照群が(6.6±0.9時間)、急性心筋梗塞
患者が(6.3±0.9時間)で、有意な差が認められなかっ なし
た。
Fukuoka
Y, et al
Do Japanese workers who
experience an acute myocardial Int J Cardiol.
infarction believe their
2005; 100: 29prolonged working hours are a 35
cause?
-
睡眠時間と血管内皮機能を検討した研究では、睡眠
時間の短縮が血管内皮機能を劣化させることを示し
た。
睡眠の質との関係では、一晩の睡眠でレム睡眠出現 率が高くなるように睡眠構築バランスを保つことができ
れば、血管内皮の柔軟性を保つことができる可能性が
示された。
佐々木
司・松元
俊
睡眠構築バランス理論からみた 労働科学.
過労死発症モデルについて
2017; 93: 11-23
…再掲の文献。
121
Sufficient sleep duration
あり(十分な睡
contributes to lower
Hoevenaa
眠かつ健康的
cardiovascular disease risk in
r-Blom
な生活様式であ
addition to four traditional
MP, et al
る群のリスク低)
lifestyle factors: the MORGEN
study
Eur J Prev
Cardiol. 2014;
21:1367-1375