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資料2 脳・心臓疾患の労災認定の基準に関する専門検討会報告書 (165 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_19809.html
出典情報 「脳・心臓疾患の労災認定の基準に関する専門検討会」の報告書を公表します(7/16)《厚生労働省》
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9 騒音と脳・心臓疾患の発症等に関する文献(疫学調査)(14文献)
調査期間
(発症前)

負荷要因

8

85dBA以上の
騒音ばく露
(85dBA未満が
対照群)

観察期間

疾病

2019年4月に
International
Trials
Resister、
EMBASE、
虚血性心疾患、脳卒
Lilacs、
中、高血圧(それぞれの
Scopus、Web of
有病、発病、死亡)
Science、
CISDOCを、
2020年1月31日
にPubMedを検


調査対象

調査方法

調整因子

結果

有意性

著者名

タイトル

書誌情報

虚血性心疾患の発病について、2文
献の合計11,758人、死亡について、4
文献の合計198,926人
システマティック
脳卒中の発病について、2文献の合
レビュー、メタア 計170,000人、死亡について、3文献
ナリシス
の合計195,539人
高血圧の発病について、3文献の合
計147,820人

各疾病の有病率、高血圧の死亡率については適切な文献が
なかった。
虚血性心疾患の発病について、騒音ばく露群では有意にリ
スクが高かった(RR1.29、95%CI: 1.15-1.43)。ただし、「有害
性の限られた根拠」と評価。
虚血性心疾患による死亡(RR 1.03、95%CI: 0.93–1.14)、脳卒
中の発病(RR 1.11、95%CI: 0.82–1.65)、脳卒中による死亡
(RR 1.02、95%CI: 0.93–1.12)、及び高血圧の発病(RR 1.02、
95%CI: 0.93–1.12)については有意な関係がなかった。

ベッドフレーム製造工場に勤務する難
聴者52人及び対照群として金属工場
症例対照研究
の勤務者65人、オフィス勤務者64人
を対象

除外基準:年齢、勤務
年数、心疾患の家族
歴、BMI等

騒音にばく露している群の拡張期血圧の平均値(93.4、
SD12.4)及び収縮期血圧の平均値(143.7、SD21.5)は、2つ
の対照群と比較して有意に高かった(拡張期血圧p<0.001、
収縮期血圧p<0.05)。
また騒音にばく露している群では、2つの対照群と比較して、
高血圧(75%、p<0.001)、拡張期血圧高血圧(69.2%、
90dB以上あり(高
p<0.001)、起立時血圧低下(82.6%、p<0.005)の割合が有意
Tomei F, et al
血圧等)
に高かった。
2つの対照群間では、血圧指標に有意な差は見られなかっ
た。
ベッドフレーム製造工場勤務者の拡張期血圧は、90dBより低
い群(91.1、SD13.1)に比べて、90dB以上にばく露している群
(99.6、SD10.3)で有意に高かった(p<0.05)。

Hypertension and chronic
exposure to noise

1970~1999年に発表され、騒音への
ばく露(職場及び住居)と血圧/虚血
メタアナリシス
性心疾患との関係を分析した43件の
疫学研究

-

職場騒音及び航空機騒音と高血圧との間に有意な関連が認
められ、5dB(A)の騒音レベルの上昇ごとに相対危険度がそ
れぞれ1.14(95%CI: 1.01-1.29)、1.26(95%CI: 1.14-1.39)に
上昇した。
職場での騒音が85dB(A)を超えると、高血圧の相対危険度 騒音レベルの上
が1.7となった。
昇あり(高血圧)
航空機騒音へのばく露は、医療機関の受診、心臓血管系の
医薬品の使用、狭心症と関連が見られた。
横断研究では、道路騒音へのばく露と心筋梗塞、全虚血性
心疾患との間に関連が認められた。

The association between noise
Environ Health
exposure and blood pressure
Perspect. 2002;
and ischemic heart disease: a
110: 307–310
meta-analysis

高血圧又は心血管疾患治療薬による
治療歴がなく、現在の職場で3年未満
横断研究
である基準を満たした178人(男性、
35歳未満を含む)

目的変数:収縮期血
圧、拡張期血圧
説明変数:職場での騒
音へのばく露、年齢、
BMI、職場での、交替制
勤務、騒音の知覚レベ
ル、アルコール摂取、喫
煙、環境騒音、配偶者
の有無、学歴、高血圧
の家族歴、運動量

騒音レベルと収縮期血圧の間に有意な正の相関が見られた
が(p<0.01)、拡張期血圧の間に有意な相関は見られなかっ
た。
独立変数との相互作用の影響を推定するために行われた追 騒音レベルの上
加の分析では、騒音へのばく露と雇用年数(年齢)との間に 昇あり(収縮期血 Powazka EE
相互作用は見られなかった。
圧)
騒音へのばく露と職場での身体活動量との間の相互作用
は、収縮期血圧への影響を統計的有意に説明するように見
えた(R2=0.06、p=0.002)。

1991~1998年に製材所に勤務してい
コホート研究
た10,872人を対象

高度ばく露群(累積ばく露115dB×年)の高血圧の相対危険
度は、対照群(<95dB×年)に比べて32%高かった。
高血圧リスクは、累積ばく露に応じて単調増加を見せた。
累積ばく露115dB
年齢、民族性、ばく露年
高血圧罹患率は、ばく露年数に応じて増加する傾向を見せ ×年以上あり(高 Sbihi H, et al
月日
た。
血圧)
これら3つのばく露-反応傾向は、すべて有意であった
(p=0.002、0.006、0.036)。

The effect of occupational
虚血性心疾患の
exposure to noise on ischaemic
発病あり(85dBA
heart disease, stroke and
以上)
hypertension: A systematic
虚血性心疾患の Teixeira L, et al
review and meta-analysis from
死亡、脳卒中(発
the WHO/ILO Joint Estimates
病、死亡)、高血
of the Work-Related Burden of
圧(発病)なし
Disease and Injury

Environment
International.
2019; 125: 567–
578

(参考)その他の疾病

9

10

2年以上の
90dB以上の作 騒音ばく
業騒音
露作業従


職場での騒音
航空機/道路騒 音

-

11

職業性騒音
(85dB以上を高
度騒音群、それ
より低い場合を
低度騒音群)

12

累積ばく露85dB
×年以上の作
業騒音(平均累 対象者の
積ばく露(dB× ばく露年 1991~1998年
年)は114.3、平 数
均ばく露年数は
20.6年)

3年以上
の騒音ば
く露作業
従事

血圧

血圧/虚血性心疾患

血圧

高血圧

155

Van Kempen
EE, et al

A cross-sectional study of
occupational noise exposure
and blood pressure in
steelworkers

Arch Environ
Health. 2000;
55: 319–325

Noise Health.
2003; 5: 15–22

J Occup
Hypertension in noise-exposed Environ Med.
sawmill workers: a cohortstudy 2008; 65: 643–
646