令和4年度救急業務のあり方に関する検討会報告書 (103 ページ)
出典
公開元URL | https://www.fdma.go.jp/singi_kento/kento/items/post-118/04/houkoku.pdf |
出典情報 | 令和4年度救急業務のあり方に関する検討会報告書(3/31)《総務省消防庁》 |
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最も寄せた状態(傷病者右側の活動スペースを最大限確保した状態:図表2-25
-①)から、車両左側に最も寄せた状態(傷病者左側の活動スペースを最大限確
保した状態:図表2-25-③)まで、無段階調整が可能である点を生かし、傷病
者の状態や必要な活動内容に応じて、活動スペースを柔軟に確保しながら対応が
可能である。具体的に左右移動機能を使用している様々な場面に鑑みると、限ら
れた救急車内のスペースにおいて、状況に応じて救急活動の効率化に資すること
が期待され、左右移動ができる構造があれば利便性が高い点は、標準的な仕様等
の検討当時から考え方に変わりはない。
他方、同様の場面で左右移動ができない状況を想定し、対応可否を比較検討し
た結果、
(A) 左右移動を活用する場面を考慮して、車両に備え付ける架台の設置位置、
資器材の収納位置等の仕様書上の工夫
(B) 傷病者の左右に隊員を配置して行っていた処置・対応に対する片側からの
実施、その他代替案による工夫
(C) 左右移動が可能な架台のある救急車の早期応援要請等の想定される状況
に応じた日常訓練の充実
等について、各消防本部の実情に応じて、十分な工夫が検討されることを前提
として、
(A)
(B)によって対応可能な場面も多い。即ち、高規格救急自動車の趣
旨とかけ離れているとは考えにくい。
また、
(C)のように、救急要請後の指令段階から現場到着後の活動段階までに
おいて組織的なフォロー体制も必要に応じて考え得ることから、必ずしも全ての
車両の架台が左右移動機能を保持しないとしても、救急活動自体に支障を来すと
は考えにくい。
以上の点を総合的に踏まえ、電動ストレッチャーの導入に係る左右移動機能の
考え方について、まず、現行ストレッチャー架台に求める左右移動機能について
は、その有用性に鑑みて、電動ストレッチャーにおいても原則として備えるべき
機能であると考える。
一方で、各消防本部の実情に応じて、十分な工夫が検討されるとともに、救急
隊員の活動等において支障がないと認められる場合にあっては、例外的に、架台
に左右移動機能を有していない場合においても、現行ストレッチャーと同様に、
高度な応急処置を行うために必要な構造及び設備を有する高規格の救急自動車
に積載するものとして取扱って差し支えないと考える。
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