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令和4年度救急業務のあり方に関する検討会報告書 (86 ページ)

公開元URL https://www.fdma.go.jp/singi_kento/kento/items/post-118/04/houkoku.pdf
出典情報 令和4年度救急業務のあり方に関する検討会報告書(3/31)《総務省消防庁》
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① 病院等における NPPV の適否の判断項目から
病院等における NPPV の実施においては、まず、
「一般的な適応」、
「それぞれ
の疾患による適応」を考慮した適否の判断が行われる(図表2-14)

救急隊における体制と比較すると、NPPV の適否の判断や必要な観察項目等に
ついては、救急隊員により判断可能な項目も存在する一方、例えば、急性期の
適応の判断における血液ガスの基準値、あるいは、一般的禁忌・急性期の禁忌
の判断における嚥下障害、大量の気道分泌、多臓器不全など、現行の救急隊の
資器材や教育体制の中では実施困難である観察項目も多く含まれている。
この点に着目した場合、救急隊員が、自発呼吸のある傷病者に対する自動式
人工呼吸器を用いた補助換気の適否について十分な判断ができるか、現時点の
知見は必ずしも十分でなく、より慎重に検討を進めるべきだと考えられる。
図表2-14

病院等における NPPV 実施時の適応や禁忌の判断(例)

【参考文献:NPPV ガイドライン(日本呼吸器学会 NPPV ガイドライン作成委員会)

■ 急性期導入の適応 ( 参考)

■ 一般的な 適応 ( 参考)
〔疾患以外の一般的な適応として文献上にみられるもの〕
 意識がよく協力的である
 循環動態が安定している
 気管挿管が必要ではない:気道が確保できている。喀痰の排
出ができる
 顔面の外傷がない
 マスクを付けることが可能
 消化管が活動している状態である(閉塞などがない)

〔NPPVを
を 考 慮 し て よ い 基 準〕
 呼吸困難の増強と呼吸仕事量の増加(頻呼吸もしくは呼吸補
助筋の緊張)を認める場合で、
 呼吸数の基準としては、
・閉
閉塞性障害で>24
・拘束性障害で>30
 血液ガスの基準としては、
、pH<
・Ⅱ型呼吸不全でPaCO2>45Torr、
<7.35
・Ⅰ型呼吸不全でPaO2/FIO2<200 等

■ 一般的な禁忌・急性期導入の禁忌 (参考)
〔疾患以外の一般的な適応として文献上にみられるもの〕
 NPPVは基本的に自発呼吸下でマスクを用いる療法であり、
 絶 対 的 禁 忌は
・自
自発呼吸停止
・ マスク 装 着 不 能 状 態
 挿管拒否などの状況によっては実施する場合があるが、できれば避けたい相
相対的禁忌としては、
・呼
呼 吸 以 外 の バ イ タ ル サ イ ンが 不 安 定 な状 態
(ショック、コントロールできない心臓虚血や不整脈、大量の上部消化管出血など)
興奮・非協力的状態
・気
気道確保不能
・興
・嚥
嚥下障害
・大
大量の気道分泌
多臓器不全
・多
・直
直近の上気道や上部消化管手術がある

注)赤字表記:現行の救急隊の資器材や教育体制の中では実施困難である観察項目等

② 病院等における NPPV 導入期・導入後の体制から
病院等における NPPV の実施においては、
「一般的な適応」、
「それぞれの疾患
による適応」を考慮した適否の判断をした上で、施設による習熟度や体制(気
管挿管がすぐにできるかなど)を考慮した上で施行の可否を決定する(図表2
-15)

救急隊における体制と比較すると、前述①と同様、現行の救急隊の資器材や
教育体制の中では満たすことのできない習熟度や体制、あるいは実施困難なモ
ニタリングの項目が多く存在している。
この点に着目した場合、救急隊員が、導入時・導入後の十分な傷病者管理が
行える体制と直ちに結論することは難しいと考えられる。

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