令和4年度救急業務のあり方に関する検討会報告書 (89 ページ)
出典
公開元URL | https://www.fdma.go.jp/singi_kento/kento/items/post-118/04/houkoku.pdf |
出典情報 | 令和4年度救急業務のあり方に関する検討会報告書(3/31)《総務省消防庁》 |
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含め、以下の「傷病者の症状×処置内容」における「リスク(A)」と「得られる
効果(B)
」について、
「救急隊の現行体制や現場環境における当該手段の必然性
(C)
」を加味して相対的に比較し、緊急やむを得ないものとして行う応急処置と
して妥当性があるかを整理した(図表2-18)
。
① 自発呼吸のない傷病者に対する自動式人工呼吸器を用いた強制換気
現行の応急処置として実施されている「自発呼吸のない傷病者に対する自動
式人工呼吸器を用いた強制換気」については、機械的な圧をかける人工呼吸で
ある点を踏まえれば、前述(5)の NPPV と同様のリスクを考慮すべき処置であ
る(A)。
他方、自発呼吸のない状況(呼吸停止・心肺停止)の緊急度は最も高く、人
工呼吸により得られる救命効果は最優先に考慮されるべきものである。加えて、
人工呼吸に自動式人工呼吸器を用いることで人手を確保し、他の必要性の高い
処置を併せて迅速に行うことにもつながる(B)。
このことから、リスクよりも得られる効果が大きい点に鑑みて、緊急やむを
得ないものとして行う応急処置として妥当性があると考える。
② 自発呼吸のある傷病者に対する手動式人工呼吸器を用いた補助換気
現行の応急処置として実施されている「自発呼吸のある傷病者に対する手動
式人工呼吸器を用いた補助換気」については、前述(5)の NPPV と同様に、呼
吸症状の改善、呼吸仕事量の軽減の効果が見込まれる処置である(B)
。
また、NPPV と同様のリスクを一定考慮すべき処置ではあるものの、機械的な
圧をかけない点や、救急隊員がバッグ・バルブ・マスクによる用手換気の抵抗
等を直接感じながら実施する点、加えて、手動式人工呼吸器を用いて実施する
体制(資器材・教育等)が確保されている点を考慮すれば、リスクの軽減が図
られると考える(A)。
このことから、リスクよりも得られる効果が大きい点に鑑みて、緊急やむを
得ないものとして行う応急処置として妥当性があると考える。
③ 自発呼吸のある傷病者に対する自動式人工呼吸器を用いた補助換気
自発呼吸のある傷病者に対する自動式人工呼吸器を用いた補助換気につい
ては、前述(5)の NPPV と同様に、呼吸症状の改善、呼吸仕事量の軽減の効果
が見込まれる(B)
。
他方、NPPV と同様のリスクを考慮すべきであるが、前述(5)の検討結果の
とおり、現行の救急隊の資器材や教育体制では、例えば、当該傷病者の主治医
等から具体の指示が得られる場合等を除いては、救急隊員が自動式人工呼吸器
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