令和4年度救急業務のあり方に関する検討会報告書 (58 ページ)
出典
公開元URL | https://www.fdma.go.jp/singi_kento/kento/items/post-118/04/houkoku.pdf |
出典情報 | 令和4年度救急業務のあり方に関する検討会報告書(3/31)《総務省消防庁》 |
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り、傷病者の負担軽減にどのような効果があったのかを分析した。その検証方法
としては、実際に傷病者の対応を行った救急隊員から、「活動中に本実証実験が
傷病者の負担であると感じたこと」をヒアリングした。また、救急活動終了後に
「傷病者(若しくはその家族等)からの意見」として、本実証実験についての率
直な意見を収集し、その結果を集計した。
【傷病者の負担であると感じたこと】
・めまいや嘔気などという症状がある中で、傷病者本人に同意を得ることや署
名を求めるのは酷だと感じた。
・現状のシステムでは、情報の閲覧までに操作の過程が多いため、時間を要し、
早期に搬送すべきだと感じた。
・何度も顔認証を行うことがあり、その都度対応を求めるのは、本来の主旨に
反すると思う。
【傷病者(若しくはその家族等)からの意見】
・家族も把握しておらず、説明できなかった受診歴を確認してもらえて助かっ
た。
・口頭による説明ではうまく伝わるか不安であったが、直接救急隊員に見ても
らえて安心した。
・専門的な用語などを覚えていないため、直接情報を確認してもらえることは
非常にありがたい。ぜひこのようなシステムを全国統一で整備して欲しいと
思うし、そうなることで、救急車を呼ぶ側にもメリットが大きいと感じた。
救急隊員側、傷病者側の双方の意見を踏まえると、現状の情報閲覧までの操作
プロセスでは、厳格な同意手続を要するなど、救急現場という特殊な環境を踏ま
えた運用方法には一定の課題がある一方で、傷病者(若しくはその家族等)から
の肯定的意見を踏まえると、今後、情報閲覧までの操作プロセスの改善や運用方
法等を検証し、傷病者の負担軽減につながるよう、引き続き検討を進める必要が
あると考えられる。
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