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令和4年度救急業務のあり方に関する検討会報告書 (99 ページ)

公開元URL https://www.fdma.go.jp/singi_kento/kento/items/post-118/04/houkoku.pdf
出典情報 令和4年度救急業務のあり方に関する検討会報告書(3/31)《総務省消防庁》
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・ 医師同乗等により、救急車内で医師が胸腔ドレナージ等を行う場合に移
動させ、傷病者左側又は左右に隊員が入るスペースを確保し、支援を行
う。



イ 左右移動機能なしの場合の対応可否の考察
次に、想定される上記活動について、左右移動機能がない救急自動車で実
施する場合の対応可否について尋ねたところ、以下のように、救急救命士を
含む救急隊員の処置等の実施は、一定の工夫があれば対応可能であるとの意
見が大半を占めた。
他方、同乗した医師の処置等を考慮する場合、以下のように、場合によっ
ては、他の救急自動車の出動を考慮した運用が必要との意見があった。
・ 架台が固定されている場合も、観察・処置等を想定した設置(車両右側
に密着するような設置としない等)が考慮されていれば、対応可能であ
る。・・・(A)
・ 隊員が傷病者左側に入ることが不可となる場合、処置等の実施のしやす
さは劣るが、傷病者右側からの実施が不可能ではない。・・・(B)
・ 同乗医師を想定した場合、処置によっては、左右のスペースの確保がな
いと難しい場合も考えられるため、例えば、医師との連携が想定される
事案では、現場到着時間の差が無い範囲で、左右移動可能な架台をもつ
救急自動車の出動を考慮する等、柔軟な対応も必要。・・・(C)
図表2-26
区分

1. 主に処置の実施
に 係 るも の

※活用場面における
架台の「移動」とは、
車両右側に寄せた状態
から、車両左方向へ、
必要な分移動する
ことを表現。

主に処置の実施に係る左右移動機能の活用場面の比較

救急隊における活用場面(一例)

左右移動なしの場合の対応可否の考察

 傷病者の左上肢で静脈路確保を実施する場合に移動させ、
傷病者の左側に隊員が入るスペースを確保して処置を行う(下図②)。
または、ストレッチャーの“あおり”を広げられる程度移動させて、
左上肢を乗せるスペースを確保する。

 隊員が傷病者の左側に入ることが不可につき、実施しやすさは劣るが、
傷病者の右側スペースのみで実施不可能ではない。(B)

 傷病者の右上肢で静脈路確保を実施する場合に移動させ、
傷病者の左右に隊員が入るスペースを確保し、反対側から胸骨圧迫を行う。

 隊員が傷病者の左側に入ることが不可につき、実施しやすさは劣るが、
傷病者の右側スペースのみで実施不可能ではない。(B)

 傷病者の負担にならない体位として左側臥位にする場合に移動させ、
傷病者の左側に隊員が入るスペースを確保し、
傷病者の観察・処置・介助(嘔吐等の介助)等を効率的に行う。

 隊員が傷病者の左側に入ることが不可につき、実施しやすさは劣るが、
傷病者の右側スペースから実施不可能ではない。(B)

 医師同乗等により、
救急車内で医師が胸腔ドレナージや開胸心マを行う場合に移動させ、
傷病者の左側又は左右に隊員が入るスペースを確保し、支援を行う。

 ドクターの高度な処置を実施する場合、処置内容によっては、左右移動による
スペースの確保がないと難しい場合も考え得る。

図①: 通常の車両右側に寄った状態で、

 仕様書上において、あおりの展開(斜め固定可能なあおりも有る)を想定した架
台の設置(車両右側に密着するような設置としない)を考慮することにより、実施
可能では。 (A)

 仕様書上において、観察・処置を想定した架台の設置(車両右側に密着するよ
うな設置としない)を考慮することにより、対応可能では。(A)

 場合によっては、通報内容から、出動時間の差がない範囲で左右移動可能な
架台をもつ救急隊の出動を考慮する等の対応が必要では。(C)

図②: ストレッチャーを移動させて、傷病者左側

「右上肢」で静脈路確保をする様子

から「左上肢」で静脈路確保をする様子

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