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令和4年度救急業務のあり方に関する検討会報告書 (91 ページ)

公開元URL https://www.fdma.go.jp/singi_kento/kento/items/post-118/04/houkoku.pdf
出典情報 令和4年度救急業務のあり方に関する検討会報告書(3/31)《総務省消防庁》
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前述(6)までの検討結果から、応急処置等の基準第6条に定める「自動式人
工呼吸器を用いて人工呼吸を行う」において、救急隊員が緊急やむを得ないもの
として行う応急処置の範囲については、「自発呼吸のない傷病者に対する強制換
気」を原則とすることが妥当と判断する。
このことから、自発呼吸のある傷病者に対する補助換気については、手動式人
工呼吸器を用いることを原則とし、自動式人工呼吸器の機械換気を用いた補助換
気については、限られた条件下を除き、原則不可とすることが妥当である。また、
自発呼吸のない傷病者に対する自動式人工呼吸器による強制換気の開始後に自
発呼吸(死戦期呼吸は除く)が出現し、酸素化が十分でなく呼吸補助が必要な場
合等においても、同様に、手動式人工呼吸器へ切替えて行うことが原則と考える。
他方、(6)の検討結果を踏まえ、特定在宅療法(人工呼吸器)継続中の傷病
者に対して、自動式人工呼吸器を用いた補助換気を必要とする場合で、かつ、主
治医等から、使用の適否、換気量、継続管理等に係る具体の指示が得られる場合
には、各消防本部が導入している機器の適応範囲において、その使用を妨げない
ものと判断する。
なお、現行の自動式人工呼吸器の一部の機種に設けられているデマンド機能
(傷病者の吸気陰圧に同調するが、機械的な圧がかからず、傷病者の吸気量に応
じて酸素が供給される機能)を用いた処置については、応急処置等の実施基準第
6条の「酸素吸入」の処置の範囲と考えられることから、各地域におけるプロト
コル及び各消防本部で導入している自動式人工呼吸器の適応範囲において、使用
を妨げないものと判断する。
以上を踏まえた応急処置等の範囲の整理(案)を下段に示す。今後、消防庁に
おいて、必要な調整を行った後に応急処置等の基準が改正されることが望まれる。
図表2-19

救急隊員の「応急処置」等の範囲の整理(案)
(自動式・手動式人工呼吸器を用いた人工呼吸の実施範囲)
※自発呼吸に死戦期呼吸は含まない

観察時の傷病者の状態
処置

自動式人工呼吸器
による人工呼吸
※設定換気量等による機械換気

手動式人工呼吸器
による人工呼吸

自発呼吸のある傷病者

(呼吸停止 等)

(低換気・換気量不十分 等)

【実施】救急隊員の応急処置として実施可(○)
【適応】呼吸停止(心肺蘇生時等)
【方法】「従量式強制換気」

【実施】救急隊の応急処置として原則実施不可(×)

【実施】救急隊員の応急処置として実施可(○)
【適応】呼吸停止(心肺蘇生時等)
【方法】バッグ・バルブ・マスクによる「強制換気」

【実施】救急隊員の応急処置として実施可(○)
【適応】低換気、換気量不十分、努力呼吸等を呈する病態 等
【方法】バッグ・バルブ・マスクによる「補助換気」

〔 基準第6条 (一)イ 人工呼吸


自発呼吸のない傷病者

→ ただし、以下の状況かつ条件下においては、
自動式人工呼吸器の使用を妨げない。

『自動式人工呼吸器を用いて人工呼吸を行う』 の整理(案) 〕

自動式人工呼吸器による人工呼吸とは、自発呼吸のない傷病者に対して、自動式人工呼吸器を用いて従量式強
制換気を行うことをいう。
ただし、特定在宅療法(人工呼吸器)継続中の傷病者に対して、自動式人工呼吸器を用いた補助換気を必要とする
場合で、主治医等から、使用の適否、換気量、継続管理等に係る具体の指示が得られる場合には、各消防本部が導入
している機器の適応範囲において、その使用を妨げないものとする。

※ 自動式人工呼吸器のデマンド機能(機械的な圧がかからず、傷病者の吸気分に応じた酸素が供給される機能)の
使用については、「オ 酸素吸入」の処置の範囲として、各地域におけるプロトコル等及び自動式人工呼吸器の適応
範囲において、その使用を妨げないものとする。

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