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令和5年度予算の編成等に関する建議 (114 ページ)

公開元URL https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20221129/index.html
出典情報 財政制度等審議会 令和5年度予算の編成等に関する建議(11/29)《財務省》
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8.中小企業
中小企業対策費は、これまでの新型コロナ対応で未曾有の水準まで増
加した。当初予算・補正予算・予備費を合わせると、平成 24 年度(2012
年度)から令和元年度(2019 年度)では 0.4 兆から 0.7 兆程度で推移し
ていたが、令和2年度(2020 年度)は 27.7 兆円、令和3年度(2021 年
度)は 4.2 兆円となり、いずれもリーマンショックや東日本大震災時の規
模 139を大きく上回った。その内容は、
「持続化給付金」

「事業復活支援金」
などの給付金、
「事業再構築補助金」などの補助金、
「無利子・無担保融資」
などの金融支援が主なものとなっている。これらのうち、給付金・補助金
といった、返済の必要のない支援策にアクセスし得た中小企業の割合は、
OECD 加盟国中、日本が一番高かったとの調査もあり、我が国の給付金・
補助金による中小企業支援は、他国に比して大きかったことが窺える。
〔資料Ⅱ-8-1参照〕
こうした手厚い支援策を講じてきた効果もあり、コロナ禍での倒産件
数は、それ以前に比べて極めて低い水準に抑えられてきた

140。また、中

小企業の足もとの経常利益は、新型コロナが流行する前の水準までにほ
ぼ回復してきており、中堅企業や大企業にいたっては、新型コロナが流行
する前の水準を超え、過去最高益にまで到達している。
〔資料Ⅱ-8-2
参照〕
新型コロナ対策として講じられた各支援策は、新型コロナ流行前から
元々生産性が低かった企業ほど利用していた傾向が指摘されている

141。

上述のように事業環境が改善に向かう中、手厚い支援を継続することは、
資源の効率的再配分や労働移動、市場での参入・撤退を抑制し、生産性の
低下を通じて産業全体の長期的な成長を押し下げるリスクがある。その
ため、支援策は量的な縮減及び質的な転換を図るとともに、これまでの支
リーマンショック後の平成 21 年度(2009 年度)は3兆円。東日本大震災後の平成 23 年度
(2011 年度)は 2.3 兆円。
140 年平均倒産件数で見ると、平成 23 年(2011 年)の 1,061 件/月に対し、令和3年(2021 年)
は 503 件/月と半分以下の水準であった。
141 植杉威一郎ほか(2022)

「コロナショックへの企業の対応と政策支援措置:サーベイ調査に基
づく分析」
,RIETI Discussion Paper
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