令和5年度予算の編成等に関する建議 (39 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20221129/index.html |
出典情報 | 財政制度等審議会 令和5年度予算の編成等に関する建議(11/29)《財務省》 |
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いても、こどもに負担を先送りすることないよう、安定的な財源を確保す
べきである。包括的な少子化対策を実施する際の安定財源の確保に当た
っては、骨太 2022 にあるように、企業を含め社会・経済の参加者全体が
連帯し、公平な立場で、広く負担する新たな枠組みについても検討すべき
である。〔資料Ⅱ-1-34 参照〕
(4)医療
① 我が国の医療保険制度の特徴と課題
我が国の医療保険制度においては、国民皆保険、フリーアクセス、自由
開業医制、出来高払いの四つの大きな特徴がある。患者負担が相対的に低
く抑えられ、医療機関側には患者数や診療行為数を増やす方向に対して
経営的誘因が生じており、医療資源やそれを支える財源の有限性への認
識やコスト意識が醸成されにくく、病床数などの医療提供体制側の供給
要因により医療費の増大を招きやすい構造になっている。
〔資料Ⅱ-1-
35 参照〕
主要国の医療保険制度を比較すると、それぞれの国でこの四つの要素
に何らかの制約がかけられている例が多くみられる。例えば、フランスで
は国によって認定を受けた専門診療科ごとに、実施できる医療行為が限
定されている。また、イギリスでは緊急の場合以外は予め登録した診療所
の家庭医(GP)による診療が必要となっている。報酬の払い方について
も、国による違いが見られる。
〔資料Ⅱ-1-36 参照〕
日本の医療保険制度は、患者側が受診コストを意識しづらく、医療機関
側は患者数・診療行為数が増えるほど収入が増えるという構造の中で、マ
クロ面でも年金と異なり、高齢化・人口減少に伴って給付水準を自動的に
調整する仕組みがない。
こうした中で、我が国の保健医療支出 40(Health Expenditure)対 GDP
比は、高齢化の進展と高齢者医療における公費負担など年齢に着目した
制度的な増加要因もあり、OECD で5番目に高く、政府支出に占める公
40
入院、外来、介護(Long-term Care)、医薬品、予防、制度の事務費用を含む。
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