よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


令和5年度予算の編成等に関する建議 (25 ページ)

公開元URL https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20221129/index.html
出典情報 財政制度等審議会 令和5年度予算の編成等に関する建議(11/29)《財務省》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。

きものである。
政策の立案に当たり、将来世代の視点に立って検討していくべき、とい
う考え方がある。具体的に、将来世代の視点をどのように組み込んでいく
かを研究する「フューチャーデザイン」という分野があり、その考え方を
取り入れて行政現場で実際に活用することで、現に住民の行動変容を実
現した地方公共団体もある 21。今後、持続可能な財政・社会保障の在り方
を考えていく上でも、次の時代を担う若年世代を含めて、フューチャーデ
ザインの考え方を活用した議論に社会各層を広く巻き込み、当事者とし
ての関心を高めていくことが望ましく、こうした取組を具体化していく
必要がある 22。〔資料Ⅰ―5―3、4参照〕
誠に残念なことであるが、我々の世代は、このままでは、巨額の債務を
将来世代に残さざるを得ない。将来世代からすると、その努力により納め
た税金の使途は自ら決定することが当然であるのに、我々の世代が残し
た債務の償還費や利払い費の負担によって、大きく制約されてしまうの
である。さらに、財政運営に対する市場からの信認が損なわれるリスクも、
我々の世代から押しつけられるのである。しかも、我々の世代における政
策決定に関与できないまま、一方的に、そのような影響を受けることにな
るのである。これは、理不尽なことではないか。
我々現役世代が当事者意識を持って、将来世代の利益に思いを致し、責
任ある経済財政運営を取り戻さなければならない。
長期低迷から脱却し、日本経済の成長力を高めるためにも、成果志向の
ぜいじゃく

支出を徹底する。日本が抱える 脆弱 性・リスクを放置せず、解消に向け
て取り組む。市場の信認をしっかりと確保し続ける。そして、持続可能な
財政・社会保障を将来に引き継いでいく。このように、今後の財政運営は、
21

岩手県矢巾町では、維持困難になりつつある水道事業のワークショップにフューチャーデザイ
ンを用いたところ、住民側が自ら水道料金の値上げを提案し、町は平成 30 年度(2018 年度)か
ら6%の料金値上げを実施した。
22 情報発信の充実や、財政教育との連携などが考えられる。議論の材料として、財政の長期推計
を行うことが必要との指摘もあった。
-14-