令和5年度予算の編成等に関する建議 (44 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20221129/index.html |
出典情報 | 財政制度等審議会 令和5年度予算の編成等に関する建議(11/29)《財務省》 |
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既存医薬品の保険給付範囲を見直す際の手法としては、①OTC 類似医
薬品等の保険給付範囲からの除外、②医薬品を保険収載したまま、患者負
担を含めた薬剤費等に応じた保険給付範囲の縮小が考えられる。①の場
合には、保険外併用療養費制度に新たな類型を設けて、技術料は保険適用
のままで医薬品だけ全額自己負担とするなどの対応が必要となる。②に
ついては、薬剤の種類に応じた患者負担の設定、薬剤費の一定額までの全
額患者負担などのやり方がある。諸外国の取組も参考にしつつ、これらの
手法の早期導入に向け幅広く検討すべきである。
〔資料Ⅱ-1-51 参照〕
オ)イノベーションの促進
イノベーションの促進の観点から、現行の薬価制度において、真にイノ
ベーションの推進に資すると認められる画期的な新薬については、薬価
収載時に最大 120%の加算が得られ、後発品が上市されるまでの間(又は
15 年間)は一定の要件の下で加算後の薬価が維持される枠組みが設けら
れている。また、本年 10 月に決定した総合経済対策において、創薬支援
などの対策も措置することとしている。薬価制度の検討に当たっては、引
き続き、
「国民皆保険の持続性」と「イノベーションの推進」を両立する
観点が重要である 45。〔資料Ⅱ-1-52 参照〕
④ 医療提供体制
ア)効果的・効率的な医療提供体制
患者の高齢者が進んで疾病を持つ者が増える一方で、人口減少により
医療資源となる人材が先細る中で、効果的・効率的な医療提供を行う体制
を実現することは、医療制度改革の最重要課題といえる。
これまで、地域医療構想、地域包括ケアが法律に位置付けられており、
今後、後期高齢者が急速に増加することを踏まえ、当初の構想を早急に実
現すべきである。
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イノベーションの促進については、薬価制度のみならず、グローバル市場における企業規模の
問題のほか、流通、医薬品メーカーのビジネスモデル、産業構造上の課題も含まれるため、社会
保障の範疇を超えた、総合的な検討が必要である。
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