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令和5年度予算の編成等に関する建議 (17 ページ)

公開元URL https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20221129/index.html
出典情報 財政制度等審議会 令和5年度予算の編成等に関する建議(11/29)《財務省》
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にインフレが進行する中で必要な対策を行いつつ、財政状況も考慮しな
がら、バランスの取れた経済財政運営に向けて試行錯誤を重ねている様
子が見てとれる。
アメリカでは、当初は 10 年間の総額で約 3.5 兆ドル、見直し後でも約
1.75 兆ドルの歳出措置を盛り込んだ「ビルド・バック・ベター法案(The
Build Back Better Act)
」が 2021 年 11 月に下院を通過したが、その後、
債務残高の累増とインフレの進行を背景に、見直しが図られた。最終的に、
歳出規模を 10 年間の総額で約 4,370 億ドル(対 GDP 比 1.9%(年平均
0.2%)13)へと縮小する一方、歳入面では税制改革等により約 7,370 億
ドルを確保して歳入超過とする内容へと修正し、インフレ対策という趣
旨を法律名に明記した「2022 年インフレ抑制法(The Inflation Reduction
Act of 2022)
」が、本年8月に成立するに至った。〔資料Ⅰ―2―3、4
参照〕
ドイツは、従前から健全な財政運営に努めてきており、コロナ禍を受け
て財政支出を拡大し、公債発行により対応した際も、憲法の規定に従い、
2058 年までの償還計画を公表した。最近では、他国同様に、累次のエネ
ルギー価格高騰対策等を講じてきているが、そうした中でも、本年5月に
は、連邦財務省が、インフレ環境下での財政戦略を公表している。同戦略
では、インフレを深刻化させず持続的成長を実現していくためには、政府
の財政出動による需要喚起策ではなく、サプライサイドの成長を高める
経済財政政策が必要であるとしている。その上で、①危機時には例外的な
財政対応が必要であるが、インフレ圧力を回避するため、一時的・限定的
に行うように設計する、②サプライサイド政策を通じて、生産性向上と生
産能力拡大による自立的な成長を目指す、③危機対応モードから平常モ
ードに復帰し、リスクバッファーを積み上げる、といった方針を示してい
る。このように、必要な財政出動を行いながらも、財政の持続可能性確保
に向けた姿勢を保っている。〔資料Ⅰ―2―5参照〕
イギリスは、2021 年 11 月に、
「次の危機が来たときに対応する財政余
力を持つため、財政を強化する必要がある」として、コロナ禍後の新たな
アメリカの 2021 年の GDP(約 23 兆ドル)との比較。なお、同法の歳入超過幅は 10 年の総額
で約 3,000 億ドル(対 GDP 比 1.3%(年平均 0.1%)


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