令和5年度予算の編成等に関する建議 (40 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20221129/index.html |
出典情報 | 財政制度等審議会 令和5年度予算の編成等に関する建議(11/29)《財務省》 |
ページ画像
プレーンテキスト
資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。
OECD 諸国ではリーマンショック以降の保健医療支出の対 GDP 比は
安定的であることを踏まえれば、少なくとも我が国でも保健医療支出の
か い り
か い り
伸びが経済成長率と 乖離 しないことを一つのメルクマールとし、乖離 が
生じた際にはそれを調整する方向で議論を深めるべきである。
〔資料Ⅱ-
1-37 参照〕
② 「負担能力に応じた負担」に向けて
こうした中で医療保険における喫緊の課題の一つは、現役世代の負担
上昇の抑制を図りつつ、
「負担能力に応じた負担」を実現することである。
現行では、後期高齢者の医療費は若人の4倍を超える一方、保険料負担は
約3分の1という低い水準となっている。足もとの後期高齢者の増加に
伴い、現行の仕組みでは、現役世代の負担が急増する。高齢者に関する医
療保険の仕組みについて、
「全世代型」を目指す観点から、負担能力に応
じた負担に向けた見直しを徹底してスピーディーに実現する必要がある。
〔資料Ⅱ-1-38 参照〕
現行の後期高齢者医療制度において高齢者が保険料で賄う割合(高齢
者負担率)は、
「給付費の1割」にほぼ固定されている 41。そのため、制
度創設時と比べ、現役世代一人当たりの後期高齢者医療支援金は 1.7 倍
の水準へと大きく増加している一方、後期高齢者一人当たりの保険料は
1.2 倍の水準にとどまっており、現行の後期高齢者医療制度の負担設定は
「全世代型」とはいえない仕組みになっている。
「全世代型」への転換に向け、世代間の公平性を保つためにも、あらゆ
る制度において、制度当初から人口構成変化に耐え得る制度設計を行う
ことが重要である。介護保険においては、制度改正当初から、高齢者と現
役世代の保険料負担を一人当たり伸び率が同じになるように単純に人口
比で設定している
41
42。持続可能な仕組みとするために、介護保険を参考
後期高齢者の給付を支える財政構造は、公費が約5割、現役世代(74 歳以下)の後期高齢者支
援金が約4割を負担している。
42 介護保険では、3年に1回、現役世代である第1号被保険者と高齢者である第2号被保険者の
人口比に応じて負担が見直されている。後期高齢者医療制度では、2年に1回、現役世代の人口
減少による給付費の増加を後期高齢者と現役世代で折半する仕組みとなっている。
-29-