令和5年度予算の編成等に関する建議 (24 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20221129/index.html |
出典情報 | 財政制度等審議会 令和5年度予算の編成等に関する建議(11/29)《財務省》 |
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本年5月の建議でも指摘したとおり、歴史の転換点ともなり得る世界
的な環境変化が急速に進行している。今後新たに生じ得る危機に備え、レ
ジリエンス(回復力)を高めていくため、財政余力を確保する必要性も高
まっている。日本の財政が世界的に見ても最悪の状況にある中で、財政健
全化の「旗」を下ろさず、これまでの財政健全化目標に着実に取り組むこ
とが不可欠である。
〔資料Ⅰ―5―1参照〕
先に述べたイギリスの例が示すとおり、ひとたび経済財政運営に対す
る信認が低下すれば市場が急変し、経済社会に影響を与えるリスクが生
ぜいじゃく
じる。日本も、経済・金融・財政の 脆弱 性を直視し、リスクの顕在化を
防ぐべく、取り組んでいく必要がある。現状を放置すれば、リスクを増幅
させて、それを将来世代、すなわち我々の子や孫たちの世代に引き継がせ
てしまうことともなりかねない。それは、責任のある財政運営とは言えな
い。
令和5年度(2023 年度)予算編成も課題が山積しているが、特に、予
算編成過程での検討事項とされた主要課題として、防衛力の強化、少子化
対策・こども政策、GX への投資がある。いずれも、日本の将来を左右す
る大事な課題であり、成果を挙げるために真に効果のある支出を積み上
げていくことが求められる。その上で、これらの施策の充実を図るため、
安易に国債発行に依存せず、安定的な財源を確保していくべきである。
〔資料Ⅰ―5―2参照〕
ぜいじゃく
経済・金融・財政の 脆弱 性を放置し続ければ、有事において、相手国
にそうした姿勢を狙われるおそれすらある。少子化の急速な進行を踏ま
えれば、真に効果ある対策を実施することは待ったなしの課題であるが、
そのための費用負担を将来世代に押しつけることは本末転倒である。ま
た、気候変動対策についても、社会の基盤である経済や財政を犠牲にする
ことなく、地球環境の保全と、経済成長・財政健全化との両立を目指すこ
とが重要である。いずれの課題も、将来世代に負担を先送りせず、財政余
力・財政の持続可能性を確保するための取組とセットで対応していくべ
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