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令和5年度予算の編成等に関する建議 (70 ページ)

公開元URL https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20221129/index.html
出典情報 財政制度等審議会 令和5年度予算の編成等に関する建議(11/29)《財務省》
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3.防衛
我が国を取り巻く安全保障環境は、中国、北朝鮮、ロシアによる軍事活
動の活発化等によって、急速に厳しさを増している。こうした中、我が国
の国民の生命と財産を守るため、周辺国に侵略を思いとどまらせること
に資する抑止力を高めていくことが重要である。加えて、我が国は経済安
全保障やサイバーセキュリティ、科学技術・イノベーションの進展やエネ
ルギーなど軍事面にとどまらない多様な課題に直面しており、真に安全
保障を確立していくためには、軍備面だけではなく、官民の総力を挙げて
総合的な防衛体制

80の強化に取り組んでいかなければならない。こうし

た状況の下、政府は、新たな国家安全保障戦略、防衛計画の大綱(防衛大
綱)
、中期防衛力整備計画のいわゆる「三文書」 81の策定を進めており、
予算編成過程で結論を出すとしている。〔資料Ⅱ-3―1参照〕
「三文書」の見直しは、我が国の安全保障や防衛力の在り方を定めるこ
とは当然であるが、財政(歳出)面においても、複数年度にわたる防衛予
算の編成の目途になり、かつ、その規模からしても、他の経費にも大きく
影響し得る極めて重要な位置付けとなる。
〔資料Ⅱ-3-2参照〕
防衛関係予算は平成 25 年度(2013 年度)以降、中期防衛力整備計画
に基づき一貫して増加してきたが、それは他の経費の削減・効率化によっ
て実現できたものである。現在の中期防衛力整備計画における「防衛力整
備の水準」の規模は5年間で約 27.5 兆円であり、平成を通じて 20 兆円
台だったが、これが次期中期防衛力整備計画において、30 兆円を超えて
相当程度増額することになれば、それ自体、歴史の転換点と言い得る。そ
れゆえに、これまでの延長線上ではない歳出・歳入両面にわたる財源措置
の検討が求められる。〔資料Ⅱ-3-3参照〕
このため、「三文書」の見直しに当たっては、対 GDP 比2%といった
数字ありきではなく、我が国の目指すべき防衛戦略に基づき、そのために
80

本建議においては、防衛力に関する組織や制度等の仕組みについては「防衛体制」、自衛隊の運
用を始めとする実務面の構えや状態については「防衛態勢」という表現を用いている。
81 ①外交政策及び防衛政策を中心とした国家安全保障の基本方針である「国家安全保障戦略」
、②
防衛力の在り方と保有すべき防衛力の水準を規定する「防衛計画の大綱」、③5ヵ年間の経費の
総額(の限度)と主要装備の整備数量を明示する「中期防衛力整備計画」の三つの文書。
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