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令和5年度予算の編成等に関する建議 (21 ページ)

公開元URL https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20221129/index.html
出典情報 財政制度等審議会 令和5年度予算の編成等に関する建議(11/29)《財務省》
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的である。この期間の日本財政の悪化は、少子高齢化に伴う社会保障関係
費の増加が主因であるが、経済対策や減税等を重ねてきたことも影響し
ている。
日本の財政支出対 GDP 比は OECD 諸国の平均を大きく上回るペース
で増加してきており、結果として財政赤字が継続し、1990 年代初頭は 200
兆円台であった債務残高は 1,000 兆円を超えるに至っている。それにも
関わらず、名目 GDP はほぼ横ばいのままである。経済低迷と財政悪化が
同時に進行していたということにほかならない。名目政府支出の乗数効
すうせい

果も、趨勢 的に低下してきている。少なくとも、この間の拡張的な財政
運営は、持続的な成長にはつながっていない。〔資料Ⅰ―3―6参照〕
こうした経緯から見ても、単に財政支出を拡大することで経済成長を
図ろうとしても、結果は望み難い。限られた財政資源を最適な形で配分す
るため、政策の優先順位付けとスクラップ・アンド・ビルドを通じて、真
に効果的な施策への絞込みを行うなど、メリハリのついた予算を作成し、
成果を挙げられる支出に重点化していく必要がある。
「ワイズ・スペンディング」とは、財政支出の中身を精査して、より付
加価値を生み出すような支出に重点化していくことであり、
「アンワイズ」
な支出を特定して見直すこととセットでなければならないことも、改め
て認識する必要がある。一方的に、特定分野の支出を「ワイズ」だとする
議論は、単なる歳出拡大論と変わらない。このように、
「ワイズ・スペン
ディング」という言葉が、単に財政支出の規模を膨らませるための方便と
して使われかねないことには、留意が必要である。
大事なことは、歳出の中身を見直し、成果を出せるものとしていくこと
である。
「規模ありき」ではなく、
「アウトカム・オリエンテッド・スペン
ディング(成果志向の支出)」を徹底し、成果を検証していくべきである。
(3)GDP ギャップと財政支出
近年、GDP ギャップに着目して、
「GDP ギャップを財政支出で穴埋め
すべき」といった議論がなされることがある。しかしながら、過去の建議
でも指摘しているように、「供給と需要の差を財政支出で埋め合わせる」
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