令和5年度予算の編成等に関する建議 (19 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20221129/index.html |
出典情報 | 財政制度等審議会 令和5年度予算の編成等に関する建議(11/29)《財務省》 |
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を続ければ、財政に多大な負荷がかかるばかりでなく、民間活力も損ない
かねない。時機を逸することなく、必要な見直しを行っていかねばならな
い。
3.日本経済の成長力と財政
(1)日本経済の長期低迷
日本経済は、この 30 年間にわたり低迷を続けている。アメリカ・中国
に次ぐ世界第3位の経済大国の地位を確保してはいるが、例えばドイツ
との比較で見ると、2000 年代初頭までは日本の名目 GDP が2倍程度で
あったものが、近年ではその差が無くなってきている。一人当たり名目
GDP を見ても、平成 12 年(2000 年)には世界第2位に位置していたが、
令和4年(2022 年)には 30 位まで転落している。
〔資料Ⅰ―3―1参照〕
日本経済の長期低迷については様々な分析があるが、例えば、内閣府
「令和4年度年次経済財政報告」では、労働投入量の減少と設備投資の伸
び悩みが指摘されている。〔資料Ⅰ―3―2参照〕
労働投入量の減少については、生産年齢人口の減少が影響しており、こ
の状況は今後とも続いていく 16。女性・高齢者等の労働参加を一層促し、
ダイバーシティ(多様性)を確保するとともに、生産性を高めていく必要
がある。非正規雇用も含めた幅広い労働者を対象として、能力向上を図っ
ていくべきである。さらに、その能力が最大限発揮されるよう、労働移動
の円滑化を進めることも重要である。ひいては、持続的な賃金上昇が実現
できるよう、取り組んでいく必要がある。
〔資料Ⅰ―3―3参照〕
設備投資の伸び悩みに関しては、上記の年次経済財政報告においても、
「我が国においてアニマルスピリッツが十分に発揮されていないことを
示唆している」と指摘されている。企業が保有する現預金等は、コロナ禍
にあっても増加を続け、令和3年度(2021 年度)には 300 兆円を突破し
ている。日本企業が、現状を変革しようとする野心的な意思、すなわちア
20~64 歳人口は、平成2年(1990 年)7,610 万人、令和3年(2021 年)6,892 万人、2065 年
(推計)4,189 万人。
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