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令和5年度予算の編成等に関する建議 (15 ページ)

公開元URL https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20221129/index.html
出典情報 財政制度等審議会 令和5年度予算の編成等に関する建議(11/29)《財務省》
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収支は更に悪化し得る 6。〔資料Ⅰ―1―4参照〕
このように、日本を取り巻く状況は変化し得ることに加え、財政状況を
見ると、日本の債務残高対 GDP(国内総生産)比は世界最悪の水準であ
り、イギリスよりも格段に悪いことも直視すべきである

7,8。仮に、イギ

リスのように財政運営に対する信認が低下すれば、国債市場や為替市場
にも影響が及びかねない。
なお、今後国債金利が上昇することとなれば、毎年度の政策経費を賄う
ための国債発行分と、既発国債の借換分については、高い金利が適用され
ることとなる。近年では、従前と比べて突出した規模の補正予算 9の策定
を繰り返し、その財源の大宗を国債発行によって賄う中で、短期債の発行
額が大きく増えてきている 10。短期債が増えているということは、金利上
昇に伴う影響を受けやすい資金調達構造になっているということでもあ
る。今後、金利上昇局面が到来すれば、利払費の増大により財政運営に負
荷がかかることは必至であり、こうした観点からも、毎年度の国債発行額
をできる限り縮減し、債務残高を抑制していけるよう、不断に取り組んで
いくべきである。〔資料Ⅰ―1―5~7参照〕
2.インフレ・物価高騰等と財政
(1)欧米諸国におけるインフレの進行と財政運営の基調変化
コロナ禍やロシアによるウクライナ侵略など、国際情勢は激しく変化
している。経済面において欧米諸国が直面している課題は、インフレであ
る。金融政策は引締めに転じており、金利も上昇している。
〔資料Ⅰ―2
6

マクロ的に見れば、経常収支は、国内貯蓄投資差額の和としてとらえることができる。民間部門
の貯蓄の黒字幅が縮小した場合、政府部門の赤字幅が同じように縮小しなければ、経常収支は悪
化する。
7 令和2年(2020 年)の債務残高対 GDP 比は、日本は 259.4%、イギリスは 102.6%。
8 大手格付け会社(脚注 3 参照)による国債の格付けは、イギリスは Aa2/AA~Aa3/AA-である
が、日本はより低位の A1/A+~A2/A となっていることにも留意が必要。
9 補正予算による追加額(当初予算額と最終補正後(令和4年度(2022 年度)は第2次補正予算
(案)後)予算額の差分)は、令和2年度(2020 年度)73.0 兆円、令和3年度(2021 年度)36.0
兆円、令和4年度(2022 年度)31.6 兆円。
10 コロナ禍前の令和元年度(2019 年度)の短期債発行額は 21.6 兆円であったのに対し、令和2
年度(2020 年度)は 82.5 兆円、令和4年度(2022 年度)
(第2次補正予算(案)後)でも 64.6
兆円。
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