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令和5年度予算の編成等に関する建議 (16 ページ)

公開元URL https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20221129/index.html
出典情報 財政制度等審議会 令和5年度予算の編成等に関する建議(11/29)《財務省》
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―1参照〕
欧米諸国のインフレの要因については、エネルギー価格の高騰、特にア
メリカにおける労働投入量の落ち込み、サービスから財への需要シフト
に伴う需給のミスマッチの深刻化に加えて、コロナ禍が収束して経済活
動の再開が進む下で、新型コロナウイルス感染症(以下、「新型コロナ」
という。)対策として行ってきた景気刺激的な財政金融政策の後押しもあ
って総需要が大幅に拡大したことを挙げる分析がある 11。同様に、特にア
メリカにおいて、新型コロナ対策として巨額の現金給付等がなされたに
も関わらず、外出制限により使用されていなかった分が、感染収束後に急
速に消費に向かったため、
「フィスカル・インフレ(財政インフレ)」が発
生した、との指摘もある 12。
コロナ禍のような危機時において、経済の下支えを行うことは、財政の
重要な役割の一つである。他方、状況が改善すれば、経済財政運営の修正
が必要となることも、当然である。IMF の累次のレポートにおいても、
コロナ禍の当初は、経済の深刻な落ち込みを緩和するため、財政支援を含
めたあらゆる措置をとることが推奨されていたが、特に本年に入ってか
らは、メッセージが一変している。すなわち、ほとんどの国で財政赤字を
ぜいじゃく

縮小させる必要があり、インフレの影響を受けやすい 脆弱 層に対する財
政支援を行うとしても、ターゲットを絞るとともに、マクロ経済全体を引
き締める観点から、少なくとも財政中立的なものとすべきとされている。
〔資料Ⅰ―2―2参照〕
世界は今、コロナ禍の時代とはフェーズが変わり、インフレ対策との整
合性や、財政の持続可能性確保を意識した財政運営に転じていると言え
る。
(2)各国の具体的な取組例
各国の実際の取組状況からも、コロナ禍での例外モードから脱却し、更
雨宮正佳 日本銀行副総裁 「コロナショックと物価変動」
(令和4年(2022 年)3月 29 日 「コ
ロナ禍における物価動向を巡る諸問題」に関するワークショップにおける開会挨拶)
12 東京大学 渡辺努教授 「インフレどう防ぐ 新たな物価理論を武器に解明」
(日本経済新聞 令
和4年(2022 年)7月3日)
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