令和5年度予算の編成等に関する建議 (86 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20221129/index.html |
出典情報 | 財政制度等審議会 令和5年度予算の編成等に関する建議(11/29)《財務省》 |
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ことを踏まえて検討する必要がある。また、対象の拡大については、財源
確保の必要性や再分配の観点も踏まえた検討が必要である。
〔資料Ⅱ-4
-21 参照〕
(3)科学技術
① 日本の研究開発費総額と生産性
我が国の財政状況が極めて厳しい中においても、政府として科学技術
に対して重点的な投資を行ってきており、この結果、政府の科学技術予算
(対 GDP 比)は主要先進国と比べて高い水準で推移している。また、官
民を合わせた研究開発費総額で見ても、主要先進国と比べて遜色ない水
準となっている。
このように科学技術に対する投資が重視されてきた一方で、被引用数
が上位で注目度が高い研究論文(いわゆる Top 10%論文)の数が低迷し
ており、研究開発費当たりの注目度が高い論文の数、すなわち論文の生産
性で見ると、他の主要国に大きく水をあけられているのが現状である。こ
うした点を踏まえると、我が国における科学技術政策の課題は、科学技術
に対する公的投資または官民を合わせた投資の規模ではなく、研究開発
の投資効果を引き上げることであり、他の主要国に比して投資効果を低
迷させている構造的な要因に対して適切かつ早急に対処することが求め
られている。
〔資料Ⅱ-4-22 参照〕
② 民間資金の活用による研究費の確保や研究環境整備
アメリカの大学などと比較すると、日本の大学における産学共同研究
等の民間資金導入規模は小さいのが現状である。日本の官民を合わせた
研究開発費総額(対 GDP 比)の水準が主要先進国と遜色ないことに鑑み
れば、民間部門が大学の研究力を十分に活用していない状況にあると言
える。
民間資金の活用状況について更に分析すると、産学共同研究や受託研
究等による民間からの研究費収入のみならず、ライセンス収入や寄付の
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