よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


提案書13(2402頁~2600頁) (157 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。

研究結果

メタアナリシスにおいて尿道狭窄内視鏡手術では永続的な効果が得られる症例は40%前後、尿道狭窄根治的再建術では術
式にもよるが75-95%の症例である。
3

⑤ ④の根拠と
なる研究結果等
ガイドライン等での位置づけ

⑥普及性

年間対象患者数(人)
国内年間実施回数(回)

泌尿器外傷診療ガイドライン2022 p113-114「さらに、欧米では経
尿道治療は合併症が少なくコストが低く、尿道形成はコストが高い
が成功率が高いことを前提として費用対効果を考えると、尿道形成
ガイドライン等での記載あり(右欄に詳細を記載す は経尿道的治療を反復するよりも費用対効果が高く、1回の内尿道
る。)
切開後再発で尿道形成するのが経済的であると結論されている。た
だし、本邦では尿道形成術の保険点数が内尿道切開術と大きな差が
ないので尿道形成術の費用対効果はさらに高い可能性がある。」
(文献4)
400
400

※患者数及び実施回数の推定根拠等

NDBによる2020年度の本邦の尿道形成術は前部尿道490件と後部尿道115件の計605件であるが、前部尿道は小児の尿道皮
膚瘻閉鎖などその他の手術をかなり含んでおり、300例程度が尿道狭窄根治的再建術にあたると思われる。適正な適応に
より今後人口あたりの件数が欧米と同レベルとなるとすると、人口3.3億人の米国にて2004-09年において1836件/年が施
行されており、人口1.2億人の本邦では単純計算で600件、少なめに見積もって400件程度と予想される。

⑦医療技術の成熟度
・学会等における位置づけ
・難易度(専門性等)

手術難易度は外保連技術度Dに相当し施行可能な施設は少数だが、防衛医科大学校と兵庫医科大学などのhigh volume
centerを中心に普及とレベルアップが進んでいる。防衛医科大学校の堀口明男医師は世界の尿道再建外科医グループで
あるSociety of Genitourinary Reconstructive Surgeonsの主要メンバーであり、学術的・技術的に日本の尿道再建は
国際的発信力あるレベルに達している。堀口医師は日本泌尿器科学会外傷部会長であり、最近上梓された「泌尿器外傷
診療ガイドライン2022」には「尿道外傷」の項目が新設された(文献4)。現在、日本泌尿器科学会にて「尿道狭窄症診療
ガイドライン」が作成中である。

・施設基準
(技術の専門性
等を踏まえ、必
要と考えられる
要件を、項目毎
に記載するこ
と)

施設の要件
泌尿器科専門医が常勤し、尿道の各種造影が可能な施設であること。口腔粘膜採取のための経鼻挿管管理が可能な麻酔
(標榜科、手術件数、検査や手術の体制 科医の参加が必要である。
等)
人的配置の要件
(医師、看護師等の職種や人数、専門性 本手術の経験のある泌尿器科医師が参加していること。特別な施設基準は設けない。
や経験年数等)
その他
「泌尿器外傷診療ガイドライン2022」
(遵守すべきガイドライン等その他の要 ている(文献4)。
件)

内視鏡的治療よりも根治的再建手術を適応とすべき尿道狭窄の病態が記載され

⑧安全性
・副作用等のリスクの内容と頻度

再狭窄:術式によるが5-25%で認められる(文献2)。 勃起障害:球部尿道の狭窄部切除・尿道端々吻合術では術前に勃
起可能であった者の10-20%程度で勃起障害が認められるが回復することが多い。最近行われている尿道海綿体を温存し
た吻合法では4%程度と有意に低い(文献5)。 尿失禁:前立腺肥大症の経尿道手術後、骨盤骨折後や放射線治療後には必
ず説明しておく必要があるが、実際の頻度は低い 下肢障害:砕石位が6時間以上の長時間になるとコンパートメント症
候群や腓骨神経麻痺などの発生がありうる。High volume centerの手術時間(3時間前後)ではほぼ発生しない。

⑨倫理性・社会的妥当性
(問題点があれば必ず記載)

尿道からの排尿ができない患者では膀胱瘻が作成され日常生活や就業を著しく阻害する。尿道からの排尿ができるもの
でも多くの場合は経尿道的手術・処置を繰り返されてきた。尿道狭窄根治的再建術後はこれらが不要となり、患者の生
活・活動性を著しく改善するため、社会・経済的なインパクトの大きな手術である。


妥当と思われる診療報酬の区分
点数(1点10円)
⑩希望する診療
報酬上の取扱い
その根拠

54,947点
(ここから)外保連試案データ--------------------------外保連試案費用(人件費+償還できない材料等):549,474円
外保連試案2022掲載ページ:2024掲載予定
外保連試案ID(連番):S94-0293140
技術度:D 医師(術者含む):4 看護師:2 その他:0 所要時間(分):150
------------------------------------------------------------------(ここまで)

区分
関連して減点
や削除が可能と
考えられる医療
技術(③対象疾
患に対して現在
行われている医
療技術を含む)



番号
技術名

821
尿道狭窄内視鏡手術

具体的な内容

K821 尿道狭窄内視鏡手術 全身麻酔あるいは脊椎麻酔下に手術用内視鏡を用いて狭窄部を切開する。手術所要時間はお
おむね1時間以内で術者は1−2名である。術後は尿道カテーテルを数日間留置する。有効な場合もあるが、再発したケー
スでは2回目以降の治療は無効である(文献3)。治療を長期化する一方で、狭窄を悪化、複雑化することがある(文献1)。
手術に特化した内視鏡が必要であり、消耗品である切開刀費用は15,300-21,000円であることより現行の15,040点は妥当
である。しかしながら、根治性のない症例に対しても適用されている可能性が高く、今後はそのような症例に根治的再
建術を適用することで無効な内視鏡手術の反復による医療費を削減できる。

プラスマイナス
予想影響額(円)

その根拠

減(-)
31.409,200 円/年の減額
NDBデータによる2020年度手術件数にもとづき、改訂後に予想される医療慣行の変化を 内視鏡手術 3,200件→2,400件
に減少 根治的再建手術310件→400件に増加として計算。現在は尿道形成術は前部(17,030点)後部(37,700点)として
計算されているが、前部形成490件の40%と後部形成115件の95%が根治的再建に当たるとして計算した。

予想影響額

備考

(NDBデータによる2020年度手術件数にもとづき計算した)
現在かかっている医療費(手術点数X10円):612,157,200円/年
15,040(点)X 3,568(件)+ 37,700(点)X110 (件)+ 17,030 (点)X200 (件)
当該技術導入後の医療費(手術点数):580,748,000円/年
15,040(点)X 2,400(件)+ 54,947(点)X 400 (件)
影響額

580,748,000 - 612,157,200= - 31.409,200 円

2558