提案書13(2402頁~2600頁) (52 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html |
出典情報 | 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》 |
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整理番号
※事務処理用
提案される医療技術名
申請団体名
360101
対側乳房縮小・固定術(乳房再建、乳房部分切除後)
日本乳癌学会
主たる診療科(1つ)
提案される医療
技術が関係する
診療科
16乳腺外科
33形成外科
関連する診療科(2つまで)
13外科
提案される医療技術又は提案される医療技術に類似した医
療技術の提案実績の有無
無
過去に提案した年度
(複数回提案した場合は、直近の年
度)
「実績あり」の
場合、右欄も記 提案当時の医療技術名
載する
令和4年度
対側乳房縮小・固定術(乳房再建・乳房部分切除後)
有
追加のエビデンスの有無
提案される医療技術の概要
(200字以内)
乳癌に対して、乳房再建(乳房切除後)あるいは乳房部分切除術を行った患者に対し、乳房の対称性を保持するために対側
乳房の縮小・挙上固定を行う。(※)乳房縮小・固定術を行った症例に対して3D画像撮影解析装置を用いて評価を行ったと
ころ、左右対称性は良好であったと報告あり。(Oncoplastic Breast Surgery, 2021;6(4):75-81)
文字数: 177
対象疾患名
保険収載が必要な理由
(300字以内)
乳癌
女性患者に対する乳房再建(乳癌切除後)が保険適用となり再建症例数は年々増加している。本手術は整容面で極めて有効
であるが、一部の症例には乳房の左右非対称を認め、患側乳房の手術のみでは解決困難である。特に、日本人女性の発育に
つれて増加しつつある。大きい・下垂した乳房においては、乳房再建あるいは乳房部分切除術(温存術)後には乳房の左右
非対称が生じやすい。それらに対し、オンコプラスティックサージャリーの1つとして対側乳房に対する縮小・固定術が国
内外で行われている。2022年度版乳癌診療ガイドラインでも総説3で紹介され、整容性に優れた術式と紹介されている。乳
房再建と同様に保険収載が必要と考えられる。
文字数: 298
【評価項目】
①提案される医療技術の対象
・疾患、病態、症状、年齢等
乳癌に対して根治術後の乳房再建や乳房部分切除術を行った場合に生じ得る対側の乳房の左右非対称の症例
②提案される医療技術の内容
・方法、実施頻度、期間等
(具体的に記載する)
女性の乳癌に対して乳房再建術もしくは乳房温存術を施行した術後に左右乳房の非対称を生じた場合に対側の乳房を縮小ま
たは挙上して左右のバランスをとる。実施頻度は乳房再建あるいは乳房部分切除術が行われた症例の7-10%程度の頻度、術
後約2週間で治癒
③対象疾患に対
して現在行われ
ている医療技術
(当該医療技術
が検査等であっ
て、複数ある場
合は全て列挙す
ること)
番号
医療技術名
なし
なし
既存の治療法・検査法等の内容
保険診療で行われている手術手技はない。
区分
K
④有効性・効率性
・新規性、効果等について③との比較
・長期予後等のアウトカム
研究結果
乳房再建後に33.5%の患者は左右の乳房のバランスの悪さを感じている。(NPO法人 エンパワリング ブレストキャンサー
2021年度『乳房再建に関するアンケート調査』結果報告書、2021年、p33)乳房部分切除後には左右非対称が高率に起こ
る。これを改善する対側乳房縮小・固定術の保険診療が可能となれば、合併症(術後血腫、脂肪壊死、創感染は5.3%、
2.7%、6%)の少ない安全な手術手技で両側乳房の整容性を改善できる。(医学誌BJPS 2005:58:286-289)患者の癌克服意識が
より高まることでもQOLの向上に著しく貢献する。
乳房再建後の患者アンケートでは33.5%に左右のアンバランスを感じている。(NPO法人 エンパワリング ブレストキャン
サー 2021年度『乳房再建に関するアンケート調査』結果報告書、2021年、p33)片側乳癌・乳房再建後に健側の乳房形成手
術で左右対称化した全19症例でより高い満足度が得られた(医学誌APS, 2015:42/3: 302-308)。合併症は術後血腫、脂肪壊
死、創感染がそれぞれ5.3%、2.7%、6%であった。(医学誌BJPS 2005:58:286-289)
4
⑤ ④の根拠と
なる研究結果等
ガイドライン等での位置づけ
⑥普及性
年間対象患者数(人)
国内年間実施回数(回)
※患者数及び実施回数の推定根拠等
ガイドライン等での記載あり(右欄に詳細を記載す
る。)
乳癌診療ガイドライン治療編 2022年度版乳房再建の総説で乳房
のサイズが大きく、特に乳房下垂の頻度が著しい症例では、乳房
縮小手術・乳房固定術の要素を取り入れた手技により、より整容
性に優れた結果を得ることができる。我が国においても、前述の
乳房部分切除術+欠損部補填と並んで、乳房部分切除術時の乳房
再建手技として有用な手法となり得る可能性があると記載
2,000
約2000
日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会の乳房再建用エキスパンダー/インプラント年次報告では乳房再建は3,506
例に施行されている。欧米の報告では乳房再建症例の29%(乳房縮小術17%、乳房固定術12%)が対側乳房に対して乳房縮
小・固定術が行われている(医学誌J Reconstr Microsurg 2019:35(2):124-128)。対側手術の必要な欧米相当のBMI値25以
上(肥満)の日本人の割合は約26.7%(日本乳癌学会 2018年次報告)に及ぶことから、年間約250症例以上が再建術後の乳
房縮小・固定術対象患者と考える。乳房温存手術に関しては、日本乳癌学会の2018年次乳癌登録集計によると39,763症例に
乳房部分切除術が施行されている。BMI値25以上である約10,000症例の一部が乳房縮小固定術を希望(データなし)する
と、両術後の約2,000症例が年間対象患者数と推定する。
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