提案書13(2402頁~2600頁) (48 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html |
出典情報 | 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》 |
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拠・有効性
2022年のメタアナリシスでは、ロボット支援手術は腹腔鏡手術に比べて開腹移行率が低く(12% vs 26%)、出血量が少ない(171g vs 192g)一方
治癒率、死亡率やQOLの改善等の長期予 で、膵液瘻を含む合併症頻度は変わらず、短期成績は同等とする報告が多い。郭清リンパ節個数はロボット支援手術で多いと報告されている
(20.7個 vs 19.65個)。また、2023年に報告された米国大規模national dataからも開腹移行率(13.3% vs 31.3%)および合併症(33.4% vs
後等のアウトカム
40.2%)はロボット支援手術で低いとされている。
日本膵臓学会の膵癌診療ガイドライン2022年版では、膵頭十二指腸切除術の適応のある浸潤性膵管
ガイドライン等での位置づけ
ガイドライン等での記載あり(右欄に詳細を記載す 癌に対して、低侵襲膵頭十二指腸切除術は熟練した施設で行うことが提案されている。また、本年
発刊予定の内視鏡ガイドラインでも同様の推奨であり、さらに、ロボット支援手術が腹腔鏡に比べ
る。)
て周術期成績が良好であると記載されている(公聴会で報告済)。
④普及性の変化
※下記のように推定した根拠
ロボット支援下膵頭十二指腸切除術は保険収載されて以降、徐々に普及しつつある。2019年のNCD登録によると膵頭十二指腸切除術は年間11,831
例施行されている。また、2016~2018年の2年間で腹腔鏡下膵頭十二指腸切除術は232例であった。2022年のロボット支援下膵頭十二指腸切除術の
施行実績は405例/36施設であるが、今後導入する施設の増加が予想される。保険点数の見直しや手技の普及から、腹腔鏡手術の大半がロボット支
援手術の移行し、開腹手術からロボット手術へ移行する施設もあるとすれば、ロボット支援手術は年間600例ほどになると予想する。
見直し前の症例数(人)
400人
見直し後の症例数(人)
600人
見直し前の回数(回)
400回
見直し後の回数(回)
600回
年間対象者数の
変化
年間実施回数の
変化等
⑤医療技術の成熟度
・学会等における位置づけ
・難易度(専門性等)
・施設基準
(技術の専門性
等を踏まえ、必
要と考えられる
要件を、項目毎
に記載するこ
と)
膵癌診療ガイドラインにおいては熟練した施設で実施することが提案されている。また、実施するにあたり、内視鏡手術支援ロボットのトレーニ
ングコースを受講し、certificationを取得した医師で、膵臓手術に精通した医師が行うことが望ましい。なお、外保連試案において、膵頭十二
指腸切除術(ロボット支援)の難易度はEである。
施設の要件
膵臓に係る手術を年間50例以上施行し、そのうち膵頭十二指腸切除術を年間20例以上施行していること。また、腹腔鏡手術を年間100例以上(そ
(標榜科、手術件数、検査や手術の体 のうち胆嚢摘出術を除く腹腔鏡下上腹部手術を年間20例以上)施行していること。
制等)
腹腔鏡下膵頭十二指腸切除又は腹腔鏡下膵体尾部切除術を術者として20例以上実施した経験を有する常勤医師。外科又は消化器外科において常勤
人的配置の要件
(医師、看護師等の職種や人数、専門 の医師が5名以上配置されており、そのうち1名以上が消化器外科について15年以上の経験を有する。病理部門が設置され、病理医が配属されてい
る。
性や経験年数等)
その他
(遵守すべきガイドライン等その他の 特になし
要件)
⑥安全性
・副作用等のリスクの内容と頻度
膵頭十二指腸切除術後に最も懸念される合併症である膵液瘻を含め、合併症頻度は開腹手術や腹腔鏡手術に比べて増加しないことが報告されてい
る。
⑦倫理性・社会的妥当性
(問題点があれば必ず記載)
上記の施設基準を順守して行うことで問題はない。
⑧点数等見直し
の場合
見直し前
見直し後
その根拠
158,450
523,320
外保連試案より
区分
⑨関連して減点
や削除が可能と
考えられる医療
技術(当該医療
技術を含む)
特になし
区分をリストから選択
番号
技術名
特になし
特になし
具体的な内容
特になし
増(+)
プラスマイナス
⑩予想影響額
予想影響額(円)
729,740,000円
その根拠
年間症例数が200例/年増加したと仮定すると、364,870x200=72,974,000点
備考
特になし
⑪算定要件の見直し等によって、新たに使用される医薬
品、医療機器又は体外診断薬
特になし
⑫その他
特になし
⑬当該申請団体以外の関係学会、代表的研究者等
特になし
1)名称
Robotic Pancreaticoduodenectomy: Increased Adoption and Improved Outcomes-Is Laparoscopy Still Justified?
2)著者
Hussein H et al.
3)雑誌名、年、月、号、ページ
Annals of Surgery 2022 Online ahead of Print
4)概要
2014~2019年において、ロボット支援下(885例)と腹腔鏡下膵頭十二指腸切除術(655例)を比較した研究。ロボット支援手術で開腹移行率が有
意に低かった。また、術後死亡、重篤な合併症、経皮的ドレナージ、再手術、入院期間延長を認めなかった場合をoptimal outcomeと定義し2群を
比較。2014~2015年と比較して、2018~2019年ではロボット支援手術で有意にoptimal outcomeが増えた一方で、腹腔鏡手術では有意に減った。
⑭参考文献1
2449