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提案書19(3602頁~3801頁) (100 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》
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医療技術評価提案書(保険既収載技術用)
整理番号

723201

※事務処理用

提案される医療技術名
申請団体名

ヘリコバクターピロリ菌感染診断で偽陽性が疑われた場合のもう一法での感染診断検査の追加
日本ヘリコバクター学会
04消化器内科

主たる診療科(1つ)
提案される医療
技術が関係する
診療科

01内科
関連する診療科(2つまで)
18消化器外科

提案される医療技術又は提案される医療技術に類似した
医療技術の提案実績の有無



過去に提案した年度
(複数回提案した場合は、直近の年
度)
「実績あり」の
場合、右欄も記
載する

提案当時の医療技術名

リストから選択

-

有無をリストから選択

追加のエビデンスの有無



診療報酬区分
診療報酬番号

再評価区分(複数選択可)

D012、D023
1-A

算定要件の見直し(適応)

1-B

算定要件の見直し(施設基準)

1-C

算定要件の見直し(回数制限)

2-A

点数の見直し(増点)

該当する場合、リストから○を選択

2-B

点数の見直し(減点)

該当する場合、リストから○を選択





項目設定の見直し

該当する場合、リストから○を選択



保険収載の廃止

該当する場合、リストから○を選択



新規特定保険医療材料等に係る点数

該当する場合、リストから○を選択



その他(1~5のいずれも該当しない)

該当する場合、リストから○を選択

「6

提案される医療技術の概要(200字以内)


該当する場合、リストから○を選択

その他」を選んだ場合、右欄に記載

ヘリコバクター・ピロリ菌の感染診断において一つの方法で陽性の場合に二つ目の検査の施行ができないこととなっているが、一つ目の検査が偽
陽性の場合に、もう一法で確認することが可能になることを提案します。また、陽性の場合に感受性試験はPCR法によって抗菌薬感受性の検査が
追加できるようにすることで、除菌時の抗菌薬の最適化につなげることが可能となる。

文字数: 170

再評価が必要な理由

ピロリ菌の確実な診断のために偽陽性が疑われた場合の二法めの検査が必要と考えます。
現在のヘリコバクター・ピロリ菌の感染診断は、① 迅速ウレアーゼ試験、② 鏡検法、③ 培養法、④ 抗体測定、⑤ 尿素呼気試験、⑥ 糞便中抗
原測定、⑦ 核酸増幅法抗体検査のいずれか一法がのみが算定できます。そして陰性の場合でも現感染が疑われる場合に一項目が算定できます。
一方で、一つ目の検査が陽性でも臨床的に偽陽性が疑われた場合に他方で確認することができず、現感染として扱われ除菌療法が行われることが
あります。すべての検査で偽陽性の可能性がありますが、特に、抗体測定検査では、一定の確率で偽陽性があることが報告されています。また、
13C-尿素呼気試験では自己免疫性胃炎のような高度萎縮例での偽陽性も報告されており、実際、無用な除菌療法が行われている実情が報告されて
います。こうした、無用な除菌療法を減じるため、現感染診断をより確実にするため、一つ目の検査で偽陽性が疑われた場合にもう一法の検査で
感染を確認することが必要なのです。

【評価項目】

①再評価すべき具体的な内容
(根拠や有効性等について記載)

現在のピロリ菌の感染診断は、① 迅速ウレアーゼ試験、② 鏡検法、③ 培養法、④ 抗体測定、⑤ 尿素呼気試験、⑥ 糞便中抗原測定、⑦ 核酸
増幅法抗体検査のいずれか一法がのみが算定できます。一法目が陰性の場合には二法目を実施できるが、一つ目の検査が陽性の場合に2法目の検
査ができない。しかし、臨床的には一法目の陽性所見が偽陽性である場合もあり、除菌療法に移行する前に、もう一法で陽性(現感染)を確認す
ることが必要です。現在では、①+②、④+⑤、④+⑥、⑤+⑥の組み合わせは同時算定可能ですが、現実は一つの検査の結果に応じてもう一法
の検査を行うのが実情であり、陽性所見がえられても偽陽性が疑われた場合に他の検査を実施することができません。また、陽性の場合に培養等
の抗菌薬の選択に有用な検査の追加もできません。そこで、個々の患者での診療の状況に合わせた複数の検査ができるようにすることを提案しま
す。そして、一法が偽陽性が疑われる場合にもう一法の検査が可能となるような変更を提案します。これにて除菌治療前の感染確認が確実なもの
となります。また、培養法とPCR法以外で陽性になった場合に、培養やPCR法が追加で検査できれば、抗菌薬感受性が判明し、除菌療法の最適化に
つなげることが可能となります。

②現在の診療報酬上の取扱い
・対象とする患者
・医療技術の内容
・点数や算定の留意事項

対象とする患者:① 内視鏡検査又は造影検査において胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の確定診断がなされた患者、② 胃MALTリンパ腫の患者、③
特発性血小板減少性紫斑病の患者、④ 早期胃癌に対する内視鏡的治療後の患者、⑤ 内視鏡検査において胃炎の確定診断がなされた患者
医療技術の内容:上記の対象患者に対して① 迅速ウレアーゼ試験、② 鏡検法、③ 培養法、④ 抗体測定、⑤ 尿素呼気試験、⑥ 糞便中抗原測
定、⑦ 核酸増幅法抗体検査の検査を行う。
点数や算定の留意事項:除菌前の感染診断については、次の7項目の検査法のうちいずれかの方法を実施した場合に 1項目のみ算定できる。ただ
し、①から⑥までの検査の結果、ヘリコバクター・ピロリ陰性となった患者に対して、異なる検査法により再度検査を実施した場合に限り、さら
に 1 項目に限り算定できる。また、⑦の検査の結果、ヘリコバクター・ピロリ陰性となった場合、胃粘膜に同感染症特有の所見が認められてい
るなど、同感染症を強く疑う特有の所見がある場合に、異なる検査法により再度検査を実施した場合に限り、さらに 1 項目に限り算定できる。
また、①+②、④+⑤、④+⑥、⑤+⑥の組み合わせに関しては同時に実施した場合に初回実施に限り算定することができる。


診療報酬区分(再掲)
診療報酬番号(再掲)

D012、D023

医療技術名

ヘリコバクター・ピロリ感染の診断

③再評価の根
拠・有効性

日本ヘリコバクター学会から2022年に出された「血清抗体法を用いたヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)感染診断に関する注意喚起(2022年
治癒率、死亡率やQOLの改善等の長期予 版)」において、抗体陽性者に一定頻度で未感染例が存在することが報告されている。
また、二次除菌後に13C-尿素呼気試験にて除菌判定された症例のうち約20%では尿素呼気試験の偽陽性例であることが報告されている。(AP&T
後等のアウトカム
2018;48(3):370-377.)

ガイドライン等での位置づけ

「H. pylori 感染診断においては抗体価にも留意して,とくに陰性高値者では他の検査で
ガイドライン等での記載あり(右欄に詳細を記載す
感染の有無を確認すべきである」と明確に記載がある。また、2023年度の改訂版では、上
る。)
述の2022年の注意喚起の内容を盛り込む予定となっている。

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