提案書19(3602頁~3801頁) (198 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html |
出典情報 | 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》 |
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考えられる医療
技術(当該医療
技術を含む)
区分
―
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番号
技術名
―
―
具体的な内容
―
減(-)
プラスマイナス
予想影響額(円)
⑩予想影響額
その根拠
備考
1,084,750,000
保険収載要望疾患の2021年7月〜2022年6月の先進医療での全実施数は723例(①肺・縦隔腫瘍266例,②消化器腫瘍251例, ③脳脊髄腫瘍8例,④
少数転移性腫瘍198例)であった。2018年度改訂による保険収載分の患者数の増加は1.8倍であり、2022年の新規保険収載による対象患者数は約
1,300例となると予想される。
そのうち約70%がコモンキャンサー、30%が陽子線治療に特有の疾患・病態であると仮定すると、約910例(1,300×70%)がコモンキャンサー、約
390例(1,300×30%)が陽子線特有の疾患・病態に分類される。またAYA世代のがん患者は2万人と推定されており、放射線治療患者数は6,000人程
度と推測される。そのうち陽子線治療の対象患者総数は900例(6,000×15%)程度と推定される。これはいずれもコモンキャンサーであると推定
される。
コモンキャンサーの費用を1例160万円、希少疾患・病態の費用を1例237.5万円(現在の保険上の陽子線治療の費用)とすると、保険費用増加分は
1,810人 x 160万円 + 390人 x 237.5万円 =38.2225億円 となる。
一方で、対象となる2,200例(1,810+390)をIMRT(1例160万円)で治療した場合は、治療費の合計は2,200×160万円=35.2億円となる。
また,陽子線治療により、全対象症例で2次発がんが8%減少(Lancet oncology 2019)すると、2次発癌の治療費 500万円として、2,200×8%×
500=8.8億円。
390例の陽子線特有の疾患において、晩期障害が10%(39人)、再発が20%(78人)減少すると、晩期障害の治療費300万円、局所再発の治療費 500
万円として5.07億円。費用の減少分は 合計で35.2+8.8+5.07億円=49.07億円となる。
増減 38.2225-49.07=-10.8475億円。
―
⑪算定要件の見直し等によって、新たに使用される医薬
品、医療機器又は体外診断薬
―
⑫その他
―
⑬当該申請団体以外の関係学会、代表的研究者等
日本医学放射線学会,日本脳腫瘍学会,日本肺癌学会,日本食道学会,大腸癌研究会,日本肝臓学会,日本膵臓学会,日本泌尿器科学会,日本婦
人科学会,日本癌治療学会
筑波大学 櫻井英幸(日本放射線腫瘍学会粒子線治療委員会),北海道大学 白土博樹,国立がん研究センター東病院 秋元哲夫,静岡県立静岡
がんセンター 村上重行
⑭参考文献1
1)名称
Concurrent Chemo-Proton Therapy Using Adaptive Planning for Unresectable Stage 3 Non-Small Cell Lung Cancer: A Phase 2 Study.
2)著者
Iwata H, Akita K, Yamaba Y, et al.
3)雑誌名、年、月、号、ページ
International Journal of Radiation Oncology*Biology*Physics. 2021 April;109(5):1359-1367
4)概要
III期非小細胞肺癌の化学療法併用陽子線治療を前向きに評価した。CDDP+S-1を同時併用し、70 GyRBE(リンパ節転移は66 GyRBE)を照射した。
47人が登録され、1人あたりの治療計画は平均2.5回行われた。2年および5年のOS、PFSは、それぞれ77%(95%信頼区間64%-89%)と59%(43%
-76%)、43%(28%-57%)と37%(22%-51%)であった。グレード3以上の放射線肺臓炎は観察されなかった。本治療法は、良好な忍容性と高
い有効性を示した。
1)名称
Proton beam radiotherapy vs. radiofrequency ablation for recurrent hepatocellular carcinoma: A randomized phase III trial.
2)著者
Kim T H, Koh Y H, Kim B H, et al.
3)雑誌名、年、月、号、ページ
Journal of Hepatology. 2021 March;74(3):603-612
4)概要
肝細胞癌に対する陽子線治療と経皮的ラジオ波焼灼術(RFA)のランダム化比較試験。3cm以下、2個以下の再発肝細胞癌を対象として、ChildPughスコアと病期を揃えて比較を行った。陽子線治療72例、RFA72例の2年局所無再発生存率はそれぞれ94.8%と83.9%(90%CI 1.8-20.0;
p<0.001)で3年、4年の局所無再発生存率に有意差を認めなかった。2年、3年、4年生存率でも両群に有意差は認められなかった。両群共にGrade4
以上の有害事象は認めずに、陽子線治療群では放射線肺臓炎(32.5%)、白血球減少(23.8%)を認め、RFA群では肝酵素上昇(96.4%)と腹痛
(30.4%)が主な有害事象であった。3cm以下の肝細胞癌に対する標準治療であるRFAと比較して、陽子線治療は安全かつ同等の治療成績が期待で
きる。
1)名称
Particle Beam Therapy for Intrahepatic and Extrahepatic Biliary Duct Carcinoma: A Multi-Institutional Retrospective Data Analysis.
2)著者
Yamazaki H, et al.
3)雑誌名、年、月、号、ページ
Cancers (Basel). 2022 November;14(23):5864
4)概要
胆道癌の粒子線治療成績について2009年5月から2019年12月までの150名の多施設データ(陽子線148例、重粒子線2例)を解析した報告。生存期間
中央値は21ヶ月(2年生存率44.8%)であり、肝外胆道癌82名と肝内胆管癌68名ではそれぞれ20ヶ月と23ヶ月であった。肝外胆道癌で、EQD2≧
67Gyの高線量でOSが改善(25ヶ月 vs. 15ヶ月ハザード比0.341)した。急性毒性および晩期毒性グレード3以上はそれぞれ2.2%および2.7%で
あった。粒子線治療は重篤な毒性の発生率は低く、保険適応となった肝内胆管癌のみならず肝外胆道癌でも良好な成績を示した。
1)名称
Randomized Phase IIB Trial of Proton Beam Therapy Versus Intensity-Modulated Radiation Therapy for Locally Advanced Esophageal
Cancer.
⑭参考文献2
⑭参考文献3
⑭参考文献4
⑭参考文献5
2)著者
Lin S H, Hobbs B P, Verma V, et al.
3)雑誌名、年、月、号、ページ
Journal of Clinical Oncology. 2020 May;38(14):1569-1579
4)概要
食道癌に対する化学放射線治療(CRT)において,X線での強度変調放射線治療(IMRT)と陽子線治療(PBT)にランダム化した試験の報告.線量はいずれ
も50.4Gyで,臨床病期,年齢,性別,人種,PS,病変位置等が均等となるように割付けされている(IMRT:72例,PBT:73例).中間解析で3年局所制御
割合(IMRT:PBT=50.8%:51.2%),3年全生存割合(IMRT:PBT=44.5%:44.5%)は同等であったが,重症度でスコア化された有害事象発生割合が,IMRTの方
がPBTに比して2.3倍と有意に高かったため,67%登録時点で早期終了となった.
1)名称
Comprehensive analysis of Japanese nationwide cohort data of particle beam therapy for pulmonary,liver and lymph node
oligometastases: particle beam therapy versus high-precision X-ray radiotherapy.
2)著者
Norihiro Aibe M D Ph.D, Hiroyuki O, Masaru W, et al.
3)雑誌名、年、月、号、ページ
Journal of Radiation Research. 2023 April;1-15
4)概要
粒子線治療施設の前向きレジストリデータを用いて、孤発性肝転移・肺転移・リンパ節転移に対する粒子線治療(陽子線治療+重粒子線治療)の
有効性・安全性を評価し、X線による体幹部定位放射線治療(EBRT)および強度変調放射線治療(IMRT)のシステマティックレビューを行い、局
所制御・全生存に関する統計的比較分析を行った。孤発性肝転移・肺転移・リンパ節転移においてSBRT/IMRTと比較して同等の有効性と安全性を
示した。特に孤発性肝転移に関しては、SBRT/IMRTと比較して良好な局所制御率を示した。
※⑬については、1.の「主たる申請団体」および「上記以外の申請団体」以外に、提案される医療技術に関する研究、会合、論文発表等を実施している学会等の関連団体や研
究者等の名称を記載すること。
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