提案書19(3602頁~3801頁) (6 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html |
出典情報 | 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》 |
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整理番号
※事務処理用
提案される医療技術名
申請団体名
717106
DNAメチル化プロファイル病理組織標本作製
一般社団法人
主たる診療科(1つ)
提案される医療
技術が関係する
診療科
日本病理学会
34病理診断科
35臨床検査科
関連する診療科(2つまで)
29脳神経外科
提案される医療技術又は提案される医療技術に類似した医
療技術の提案実績の有無
過去に提案した年度
(複数回提案した場合は、直近の年
「実績あり」の 度)
該当なし
場合、右欄も記 提案当時の医療技術名
載する
無
リストから選択
追加のエビデンスの有無
無
提案される医療技術の概要
(200字以内)
DNAメチル化は、シトシンの後にグアニンが続く2連塩基 (CpG) のC(シトシン)がメチル化される現象であり,起源細胞と
体細胞性に獲得された変化によって後天的に変化する.がん細胞におけるDNAメチル化プロファイルは,中枢神経系腫瘍や
肉腫のほか,一部の癌腫において高い再現性をもって客観的分類が可能となる.本技術は,中枢神経系腫瘍のWHO分類にお
ける診断基準になっている(参考文献1).
文字数: 193
対象疾患名
保険収載が必要な理由
(300字以内)
文字数: 295
中枢神経系腫瘍
中枢神経系腫瘍は5年相対生存率(2009~2011年)は35.6 %(男性34.1 %、女性37.4 %)と極めて予後不良である(参考文
献2).一方,未知の遺伝子異常によって発生する腫瘍も多く,分子遺伝学的検索を尽くしても正確な病理診断に至れない
分類困難例が存在する.こうした分類困難例では,適切な悪性度の評価や治療方針の決定ができず,患者の不利益は甚大で
ある.DNAメチル化プロファイルに基づく腫瘍分類は,形態学的,分子遺伝学的診断が困難な悪性腫瘍においても腫瘍の特
徴づけに有用で,迅速かつ正確な診断に至ることができる.さらに,治療方針の決定や新規治療法の開発にも必要不可欠な
技術である.
【評価項目】
①提案される医療技術の対象
・疾患、病態、症状、年齢等
中枢神経系腫瘍を有する全年齢の患者が対象となる.DNAメチル化プロファイル検査が診断基準となるのは6つの腫瘍型であ
るが,その鑑別すべき腫瘍は形態学的診断基準だけでは診断に至ることのできない腫瘍のすべてである.中枢神経系腫瘍は
極めて予後不良であり,病理診断時の中枢神経系腫瘍のほぼ全例が対象となる.
②提案される医療技術の内容
・方法、実施頻度、期間等
(具体的に記載する)
DNAメチル化プロファイルを取得するためには,マイクロアレイ技術や全ゲノムシークエンス技術が必要となる.中枢神経
系腫瘍は極めて予後不良であり,進行も早いため,患者の治療機会を逸しないためには,生検ないし外科的切除後,即座に
検査が行われる必要がある.再発時には異なるDNAメチル化プロファイルを呈する可能性もあり,一人の患者で複数回,検
査が行われることもある.
区分
③対象疾患に対
して現在行われ
ている医療技術
(当該医療技術
が検査等であっ
て、複数ある場
合は全て列挙す
ること)
N
番号
006
医療技術名
病理診断料
既存の治療法・検査法等の内容
中枢神経系腫瘍は,従来,病理組織学的、形態学的に診断されてきた.これまでは腫瘍術後に化学療法か、放射線療法かの
選択は形態学的病理診断等を参考に選択されてきた。しかし、WHO分類の改訂(第5版)により,遺伝子―形態統合診断が病
理診断には必須となっており、現在すでに国際水準となっている.一方、日本では病理診断のために必要となる分子遺伝学
的検索が保険収載されていないため、ほとんど行われていず、世界にかなり遅れを取っている。中でも患者の早期治療、究
明に必要なメチル化の検索に関しては、全く行われていないのが現状である.新たな治療法として例えば、化学療法(テモ
ダール®内服による抗がん剤治療)などが患者の状態を良好に保ちつつ、生存期間を延長させることが示されているが、治
療のためには組織検体を用いたメチル化の検索が必須である.このように、メチル化をターゲットにした治療法が確立され
ているにもかかわらず、メチル化の検索が保険収載されていないために患者に治療が行えず、患者にとって著しい不利益と
なっている.検査法としては、病理組織検体を用いたメチル化特異的PCR法(methylation specific PCR)などがある.
④有効性・効率性
・新規性、効果等について③との比較
・長期予後等のアウトカム
DNAメチル化プロファイル検査では,遺伝子異常の推定が可能であり,従来の病理組織形態学的評価と同時に行うことで,
正確な中枢神経系腫瘍の診断に寄与できる.現在,本邦では研究室レベルでの分子遺伝学的解析やがんゲノムプロファイリ
ング検査で検索される範囲内でのみ可能となっている統合診断であるが,海外の研究では本検査により分類困難例も含む包
括的な診断が可能である.さらに,適切な治療方針の決定(特に術後に放射せ療法を行うのか化学療法を行うのか)は,遺
伝子変異、メチル化検索を合わせた分子病理診断に依存しており,患者の長期予後の改善に寄与できる.
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