提案書19(3602頁~3801頁) (94 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html |
出典情報 | 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》 |
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プレーンテキスト
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提案番号(6桁)
申請技術名
申請学会名
723102
血清ペプシノゲンによる胃炎診断と治療経過観察(ピロリ菌感染胃炎、自己免疫
性胃炎を含む)
日本ヘリコバクター学会
【技術の概要】
慢性胃炎を疑う症例に対して、血清ペプシノゲン(以下,PG)Iと
PG IIを測定し、H. pylori感染に伴う慢性胃炎の有無を診断する。
また、自己免疫性胃炎であるか否かを推定する。
H. pylori除菌療法において、除菌の前後で血清ペプシノゲン
(以下PG)IとPG IIを測定し、PG I/PG IIの除菌前後の変化率より、
除菌の成否を判断する。
【対象疾患】
上腹部症状を有し、胃炎が疑われる患者。
H. pylori感染者のうち、胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、特発性血
小板減少性紫斑病、胃マルトリンパ腫、早期胃がん内視鏡的切除
後胃の患者でH. pyloriの除菌療法をうける患者。
【方法】
血清PG I, PG IIを測定し以下の基準で胃炎の有無を判定する。
CLIA法の場合:PG II < 10.0 & PG I/PG II > 5.0 で胃炎なし
RIA法の場合:PG II < 12.0 & PG I/PG II > 4.0 で胃炎なし。
・CLIA法での成績を下表に示す。胃がんや胃腺腫といった腫瘍性
病変は胃炎ありと判定された群でのみ発見されている。
血清PG I<10, PG I/II < 1.0では自己免疫性胃炎の可能性高い。
内視鏡診断
PG II < 10.0 且つ PG I/PG
II ≥ 5.0 (N = 879)
PG II ≥ 10.0 or PG I/PG
II ≤ 5.0 (N = 2765)
P
胃癌
0 (0%)
19 (0.69%)
< 0.05
胃腺腫
0 (0%)
3 (0.11%)
ns
過形成性ポリープ
3 (0.34%)
75 (2.71%)
< 0.01
十二指腸潰瘍
30 (3.41%)
268 (9.69%)
< 0.01
胃潰瘍
6 (0.68%)
124 (4.48%)
< 0.01
胃十二指腸潰瘍
2 (0.23%)
60 (2.17%)
< 0.01
胃底腺ポリープ
51 (5.80%)
17 (0.61%)
< 0.01
【既存の治療法との比較】
・既存の方法としては、上腹部症状の症例に対して、上部消化管内視
鏡検査が実施されてきた。しかし、全例に胃炎やその他の器質的疾患
が認められるわけではない。
・上部消化管症状を有する症例に対して、いきなり内視鏡検査をする
のではなく、血清PGを測定することで、無駄な内視鏡検査を減らすこ
とができるとともい、内視鏡検査に伴う偶発症も減らすことができ医
療費の大幅な節減につながる(下図)。
・一方で、PGにて胃炎を疑われた患者では、内視鏡検査の承諾が得ら
れやすくなり、また、胃がんのハイリスクでもあることから、早期胃
癌等の発見数増多に貢献する。H. pylori陽性であれば除菌を行い、胃
がんに伴う医療費が大幅に節減となる。自己免疫性胃炎の予測も可能。
事前に血清PGが測定されていれば、除菌した場合にその変化率でH.
pylori除菌成否判定が可能である。その感度、特異度、有用度は高く、
従来の検査方法と同等の精度である
【有効性及び診療報酬上の取扱い】
200点(ペプシノゲン測定キットの実勢価格)
上部消化管症状を主訴とする患者
血清PG測定
胃炎ありと推定
あり
胃炎なしと推定
NSAID、既往歴、そ
の他警告症状
なし
3695
除菌の判定も
血清PGで行う
内視鏡検査
Hp検査
しばらく内服薬で経過観察可能.
他の疾患の検討.