提案書19(3602頁~3801頁) (81 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html |
出典情報 | 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》 |
ページ画像
プレーンテキスト
資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。
診療報酬区分(再掲)
診療報酬番号(再掲)
K599
医療技術名
植込み型除細動器一次予防
適応基準通知
左室駆出率の低下した虚血性心筋症(陳旧性心筋梗塞)あるいは非虚血性心筋症患者において、突然死の一次予防目的の植込み型除細動器治療が
生命予後を改善することはMADIT-II試験、SCD-HeFT試験で示されており、不整脈の有無および誘発性を問わずに植込み型除細動器治療を行うこと
治癒率、死亡率やQOLの改善等の長期予 が、日本ならびに欧米のガイドラインにて推奨されている。また、日本人のデータとして、日本不整脈心電学会の観察研究(JCDTR)にて左室駆
出率35%以下に低下した症例では心臓電気生理学的検査の施行は予後改善に寄与しないこと、さらに心臓電気生理学的検査での不整脈誘発は植込
後等のアウトカム
み型除細動器の適切作動の有意な予測因子にはならないことが示されている(J Arrhythmia 2021;37:148-156)。さらに、一次予防植込み型除細
動器治療に関して、欧米の臨床試験データを日本人にも外挿できることが示された(ESC Heart Failure 2022; 9: 1584–1596)。
③再評価の根
拠・有効性
ガイドライン等での位置づけ
④普及性の変化
※下記のように推定した根拠
年間対象者数の
変化
年間実施回数の
変化等
再評価によって対象患者数や実施回数が変化するものではない。年間対象患者については、日本不整脈デバイス工業会(JADIA)ならびに日本不
整脈心電学会の登録データ(JCDTR)をもとに作成された論文(J Arrhythmia 2020;36:737-745)より概算した。なお、植込み型除細動器移植術
(K599)には経静脈リードによる植込み型除細動器(ICD)に加え、皮下植込型リードを用いる植込み型除細動器(S-ICD)が含まれる。さらに、
両室ペーシング機能付き植込み型除細動器(CRT-D)移植術(K599-3)も該当するため、それらの総数を算出した。
見直し前の症例数(人)
6,500
見直し後の症例数(人)
6,500
見直し前の回数(回)
6,500
見直し後の回数(回)
6,500
⑤医療技術の成熟度
・学会等における位置づけ
・難易度(専門性等)
・施設基準
(技術の専門性
等を踏まえ、必
要と考えられる
要件を、項目毎
に記載するこ
と)
(1)2018年日本循環器学会/日本不整脈心電学会合同ガイドライン、(2)2022年米国心
臓協会(AHA)/米国心臓病学会(ACC)/米国心不全学会(HFSA)合同ガイドライン、
ガイドライン等での記載あり(右欄に詳細を記載す (3)2022年欧州心臓学会(ESC)ガイドライン、いずれにおいても左室駆出率(LVEF)の
低下(35%以下)した症候性心不全患者に対しては突然死の一次予防目的のICD治療が推奨
る。)
されており、その適応基準に心臓電気生理学的検査による心室頻拍/心室細動の誘発は求め
られていない。
本邦で年間6~8万人と推定される心臓突然死の80~90%が心室細動・心室頻拍によることが示されており植込み型除細動器は最も強力な突然死予
防として位置づけられている。
・循環器内科又は小児循環器内科及び心臓血管外科を標榜している病院であること。
・心臓電気生理学的検査又は体外式ペースメーカーを用いた循環器集中管理を年間 50 例以上実施していること。
なお、このうち5例以上は致死性不整脈(心室性頻拍性不整脈症例又 は開心術術後不整脈)に対するものであること。
施設の要件
(標榜科、手術件数、検査や手術の体 ・開心術、冠動脈又は大動脈バイパス移植術を合わせて年間 30 例以上実施しており、かつ、経静脈電極によるペースメーカー移植術を
年間 10 例以上又は心筋電極によるペースメ ーカー移植術を3年間に3例以上実施していること。
制等)
・当該手術を行うために必要な次に掲げる検査等が,当該保険医療機関内で常時実施できるよう,必要な機器を備えていること.
ア.血液学的検査 イ.生化学的検査 ウ.画像診断
人的配置の要件
・常勤の循環器内科又は小児循環器内科及び心臓血管外科の医師がそれぞれ2名以上配置さ れており、そのうち2名以上は、所定の研修を修了
(医師、看護師等の職種や人数、専門 していること。
性や経験年数等)
その他
(遵守すべきガイドライン等その他の 日本循環器学会および関連学会の「不整脈の非薬物治療ガイドライン(2018年改訂版)」
要件)
⑥安全性
・副作用等のリスクの内容と頻度
植込型除細動器移植術に伴う合併症リスクは報告により様々で、致死的合併症は極めてまれであるがリード位置移動、リード穿孔、血腫、気胸、
感染などの頻度は2~4%と報告されている。
⑦倫理性・社会的妥当性
(問題点があれば必ず記載)
特になし
⑧点数等見直し
の場合
⑨関連して減点
や削除が可能と
考えられる医療
技術(当該医療
技術を含む)
見直し前
見直し後
その根拠
特になし
特になし
特になし
区分
区分をリストから選択
番号
技術名
特になし
特になし
具体的な内容
特になし。
減(-)
プラスマイナス
⑩予想影響額
予想影響額(円)
76,246,000円
その根拠
突然死の一次予防目的に植込み型除細動器(ICD)移植術を適用する際に、心臓電気生理学的検査による心室頻拍又は心室細動の誘発は、約16%
で実施されていた(J Arrhythmia 2021;37:148-156)。その場合、カテーテル電極標準型(51,000円×3本)、血管造影用シースイントロデュー
サー(2,210円×3本)が使用され、検査手技料56,000円(内訳:D206 心臓カテーテル法による諸検査 右心カテーテル 3,600点ならびに伝導機能
検査 400点、ヒス束心電図 400点、診断ペーシング 400点、期外刺激法による測定・誘発試験 800点 の加算)が発生するため、総額215,630円と
なる。2018年1月から登録が開始された日本不整脈心電学会のデータベースNew JCDTRに登録された3,860例の植込み型除細動器症例(ICD, S-ICD,
CRT-D)のうち34%(1,324例)が左室駆出率35%以下かつ一次予防目的の移植術であった(日本不整脈心電学会第13回植込みデバイス関連冬季大
会2021年2月)。したがって、植込み型除細動器一次予防適応基準通知により、心臓電気生理学的検査が施行されなくなれば(植込み型除細動器
の年間症例数6,500をふまえて算出)、年間約76,246,000円(6,500×34%×16%×215,630 = 76,246,768)の医療費削減に繋がる可能性がある。
備考
特になし
⑪算定要件の見直し等によって、新たに使用される医薬
品、医療機器又は体外診断薬
特になし
⑫その他
代替療法のない不可欠な治療法である。
⑬当該申請団体以外の関係学会、代表的研究者等
特になし
3682