提案書19(3602頁~3801頁) (86 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html |
出典情報 | 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》 |
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年間対象患者数(人)
140万人
国内年間実施回数(回)
1回/1人
※患者数及び実施回数の推定根拠等
現在年間140万人の除菌療法が行われている。抗菌薬感受性試験は、内視鏡検査時に1回行うのみで十分である。
⑦医療技術の成熟度
・学会等における位置づけ
・難易度(専門性等)
ヘリコバクター・ピロリ菌の培養検査はすでに確立されており、引き続きの薬剤感受性試験方法も確立されている。検査会
社の検査項目にもなっており、一般医家への普及も問題なく可能である。
・施設基準
(技術の専門性
等を踏まえ、必
要と考えられる
要件を、項目毎
に記載するこ
と)
施設の要件
(標榜科、手術件数、検査や手術の体
制等)
上部消化管内視鏡検査が実施可能である施設
人的配置の要件
(医師、看護師等の職種や人数、専門
性や経験年数等)
上部消化管内視鏡検査が実施可能なスタッフが揃っている。(医師と生検介助者の2人いれば可能。)
その他
(遵守すべきガイドライン等その他の
要件)
生検を行うため、抗血栓薬内服中の消化器内視鏡検査に関するガイドラインに従って生検を行う必要がある。
⑧安全性
・副作用等のリスクの内容と頻度
内視鏡検査時の生検に伴う偶発症のリスクは存在する。
⑨倫理性・社会的妥当性
(問題点があれば必ず記載)
特になし
D
妥当と思われる診療報酬の区分
⑩希望する診療
報酬上の取扱い
点数(1点10円)
170点
その根拠
現在保険収載されている細菌検査の薬剤感受性試験を参考とした。
区分
関連して減点
や削除が可能と
考えられる医療
技術(③対象疾
患に対して現在
行われている医
療技術を含む)
区分をリストから選択
番号
該当事項無し
技術名
該当事項無し
具体的な内容
該当事項無し
該当事項無し
減(-)
プラスマイナス
予想影響額(円)
マイナス15.7億円
その根拠
現在除菌成功率の高いボノプラザンを使用した場合の除菌率はSuzuki等(Gut 2020)の報告では全体で89.2%であった。その
うちCAM感受性菌122例の除菌率は95.1%であった。CAM耐性菌42 例では76.2%であった。このCAM耐性菌の場合の2剤療法での
除菌率は92.3%であった。従ってCAM耐性菌例では、CAMを除いた2剤療法にすることで42例中39例で除菌に成功することと
なり、全体の除菌率は94.5%に改善できると考えられる。
1000人除菌した場合、感受性試験を行った場合の除菌率は94.5%とすると、除菌失敗例は55例。1000人を普通に除菌した場
合は、成功率 89.2% で失敗 108例、よって、差は53例である。
感受性試験を行わなかった場合の53人が余分に2次除菌した場合の追加費用を計算すると、
1)二次除菌薬の処方の日の経費として追加が、処方料:680円、薬代ボノピオン:7日分:3460.8円、調剤基本料、薬剤管理
料技術料、指導料:1470円で合計4931円。
2)再除菌の除菌成否の判定日にかかる経費として再検査 UBT(UBT検査料 70点+UBT錠:274点+微生物判断料150点+検体
管理料 40点)=5340円. その後の結果説明来院で再診料730円で合計 6070円
以上、合計で11,001円。従って、感受性試験を行わなかったための除菌不成功増加53人分の医療費は2次除菌と除菌判定ま
でで11,001円×53=583,053円である。
一方で1000人全員に感受性試験した場合の追加費用は1700円×1000=1,700,000円 である。
除菌費用として、耐性菌の割合は30%とすると、300例でCAMが不要となる。ボノサップ400の薬価は551.4円であるが耐性菌
では二剤療法になるため除菌薬の費用はタケキャブ20mg錠の薬価157.9円とアモキシシリン250mgの薬価10.1円とすると、
157.9×2+10.1 ×6 = 376.4円で1日あたりの薬価は551.4円-376.4円 = 175円安くなり7日では1,225円安くなる。300人で
は367,500円の節約となる。
また、また、H. pyloriがCAM感受性の場合には、Vonoprazanに代えて従来のPPIを用いても除菌率に差はいため(Murakami,
et al. Gut 2016)、感受性試験でCAM感受性菌と判明すれば PPIを用いることもできる。例えば、PPIとしてラベプラゾール
(RPZ)10mg(薬価33.8円)をもちいると、除菌薬の1日薬価は RPZ33.8円×2+AMPC10.1×6 + CAM20.7×2= 169.4円であり、
ボノサップ400の551.4円より382円安くなり1週間では2,674円節約となるとなる。1000例除菌すると70%はCAM感受性菌であ
り、3,334.1×700 = 1,871,800円の節約となる。
以上より、節約額は1,700,000 –583,053- 367,500 – 1,871,800 = -1,122,183円/1000人である。140万人あたりに換算する
と年間15億7106万円の節約になる。
備考
医療費の節約も重要であるが、クラリスロマイシンをはじめとして抗菌薬の添付文書には感受性を確認してから使用するこ
とが望ましいと明確な記載があり、感受性試験に基づいて抗菌薬の選択ができるようにすることは極めて重要と考えます。
また、クラリスロマイシンにはQT延長やCYP3A4阻害等の有害事象があり、抗菌薬のそれぞれにも有害事象報告があります。
少なくとも、感受性で無いことが判明した場合には有害事情の回避の点からも使用を控えるべきであり、適切な抗菌薬の使
用のために必要な検査であると考えます。
予想影響額
⑪提案される医療技術において使用される医薬品、医療機
器又は体外診断薬
H. pylori選択培地、輸送培地
(主なものを記載する)
⑫提案される医療技術の海外における公的医療保険(医療
保障)への収載状況
※ 該当する場合、国名、制度名、保険適用上の特徴
(例:年齢制限)等
2)調べたが収載を確認できない
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1)を選択した場合は、下の欄に詳細を記載。