提案書19(3602頁~3801頁) (121 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html |
出典情報 | 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》 |
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整理番号
※事務処理用
提案される医療技術名
申請団体名
724102
AIを利用した放射線治療の管理加算
日本放射線腫瘍学会
主たる診療科(1つ)
提案される医療
技術が関係する
診療科
28放射線科
00なし
関連する診療科(2つまで)
00なし
提案される医療技術又は提案される医療技術に類似した医
療技術の提案実績の有無
有
過去に提案した年度
(複数回提案した場合は、直近の年
度)
「実績あり」の
場合、右欄も記 提案当時の医療技術名
載する
令和4年度
AIを用いた放射線治療計画
追加のエビデンスの有無
有
提案される医療技術の概要
(200字以内)
放射線治療計画を立案する際に人工知能(AI)を利用することで、放射線治療計画立案にかかる質の向上を図ることが可能
となる。放射線治療計画にAI技術を使用した際に、適切にAIを管理している場合の加算として、「人工治療技術を用いた放
射線治療計画立案の管理に対する加算」を提案する。
文字数: 137
対象疾患名
保険収載が必要な理由
(300字以内)
AIを利用した治療計画を実施する患者(疾患)
強度変調放射線治療の治療計画において、逆方向治療計画が利用されるが、複雑な計算過程を手動で実施するため、適切な
治療計画立案には熟練を要するとともに、術者(計画者)により計画の質のばらつきが長年問題として指摘されてきた。近
年国内外の文献において、人工知能技術の使用により、治療計画の質の向上、術者間のばらつきの低減が可能であると報告
された。一方で、使用者の教育や啓発等を含めて当該技術については適切な管理が必要であり、医師の働き方改革にも寄与
することから診療報酬上でこれらの技術を評価し、支援することを提案する。
文字数: 255
【評価項目】
①提案される医療技術の対象
・疾患、病態、症状、年齢等
放射線治療管理料を算定する患者においてAI技術を使用する症例
②提案される医療技術の内容
・方法、実施頻度、期間等
(具体的に記載する)
放射線治療を実施する場合、患者毎に治療計画を立案するが、治療計画立案時に、AI技術を用いて治療計画を実施する。通
常、患者1人につき1度または2度の治療計画を立案するが、病態によっては、腫瘍の縮小等により頻回に再治療計画を実施
することもある。
区分
③対象疾患に対
して現在行われ
ている医療技術
(当該医療技術
が検査等であっ
て、複数ある場
合は全て列挙す
ること)
M
―
番号
000
医療技術名
放射線治療管理料(分布図の作成1回につき)
既存の治療法・検査法等の内容
放射線治療を実施する場合、患者毎に治療計画を立案するが、治療計画立案は、現在、手動により実施されている。通常、
患者1人につき1度または2度の治療計画を立案するが、病態によっては、腫瘍の縮小等により頻回に再治療計画を実施する
こともある。特に強度変調放射線治療の治療計画において、逆方向治療計画が利用されるが、複雑な計算過程を手動で実施
するため、適切な治療計画立案には熟練を要するとともに、術者(計画者)間の計画の質のばらつきが長年課題であった。
またIMRT治療計画変更には多くの負担を要するため、必要な患者へ適切な治療計画変更が実施されていない可能性も危惧さ
れる。
④有効性・効率性
・新規性、効果等について③との比較
・長期予後等のアウトカム
研究結果
⑤ ④の根拠と
なる研究結果等
頭頸部癌に対する強度変調放射線治療において、AIを用いた放射線治療は、手動治療計画と比較し、治療計画の質を低減さ
せることなく治療計画時間を従来の1/5に短縮できると報告されている。また、前立腺がんIMRTにおいて、治療計画者間の
比較を実施し、経験の浅い計画者であっても、治療計画の品質の均一性を向上することができると報告されている。
本邦において、計画CT撮影から治療開始までの期間は、乳房温存術後照射で1-2日であるが、前立腺IMRT14日、頭頸部
IMRT10日と治療計画に要する期間が長い(文献1)。しかし、Changらは頭頚部癌IMRTに関して知識ベースのAIを用いた治療
計画に関して検討を行った結果、AIを用いた放射線治療計画は、手動治療計画を実施した場合に比べて質を落とすことな
く、治療計画時間を従来の1/5に短縮できると報告している(文献2)。さらにScaggionらは、前立腺がんに知識ベースAI治療
計画を利用して、計画者間の比較を実施し、経験の浅い計画者であっても,治療計画の品質の均一性を高めることができる
と報告した(文献3)。しかし、AI治療計画の利用には、AIモデルの臨床導入前検証や定期的なモデルの確認作業が必要だ
と指摘している(文献4)。2022年からの過去4年分の文献レビュー(n=921)においても、放射線治療の各プロセスでAIの利
用がなされ始めていることが確認されているが、これらの利用については、経験のある医師とAI技術者による管理の重要性
について言及されている(文献5)
3
ガイドライン等での位置づけ
ガイドライン等での記載あり(右欄に詳細を記載す
る。)
3722
IMRT物理技術的ガイドライン2023に”治療計画にAI技術を利⽤す
る場合は,臨床使用前には手動で作成した輪郭描出や線量分布計
算と比較するなど,その妥当性を確認するとともに,各機能の
ピットフォールを把握したうえで安全に利用する。”とある。