提案書19(3602頁~3801頁) (192 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html |
出典情報 | 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》 |
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治癒率、死亡率やQOLの改善等の長期予 でも過分割照射法の有効性が示されている。この過分割照射法をIMRTで実施することは、腫瘍近傍に位置するリスク臓器をさけて腫瘍に適切な目
後等のアウトカム
的線量を投与することが可能で、小細胞肺癌(文献1)や上咽頭がん(文献2)などで高い有効性が報告されている。
③再評価の根
拠・有効性
肺癌診療ガイドラインや放射線治療計画ガイドラインにおいて、限局期の小細胞肺癌に対
ガイドライン等での記載あり(右欄に詳細を記載す
して過分割照射法が標準的手法として提唱されている。また、正常肺、食道、心臓などの
る。)
リスク臓器を避けて腫瘍に照射するために、IMRTの使用の有用性が示されている。
ガイドライン等での位置づけ
④普及性の変化
※下記のように推定した根拠
年間対象者数の
変化
年間実施回数の
変化等
放射線治療実施患者の疾患割合に関する2018年の放射線腫瘍学会の全国集計データベース、過去文献や経験に基づき、本治療の年間適応患者数を
以下のように推計した。
・小細胞肺癌では、IMRTが必要と判断される症例 5,000人/年、標準治療では2回目の照射は15回なので、合計で75,000回
・頭頚部癌のうち、過分割照射でIMRTが必要と判断される症例 1,000人/年 2回目の照射は27回なので合計27,000回
以上の合計で、人数は6,000人、回数は102,000回
見直し前の症例数(人)
0
見直し後の症例数(人)
6,000
見直し前の回数(回)
0
見直し後の回数(回)
102,000
⑤医療技術の成熟度
・学会等における位置づけ
・難易度(専門性等)
2000年に本邦に導入以降約19年が経過し、IMRT技術の成熟と経験・ノウハウの蓄積が進み、治療計画、照射技術、QA/QC、安全管理に関する下記
の各種ガイドラインが整備され、IMRTに関する各種講習会も各地で開催されている。その結果、大学病院在籍者中心にIMRT経験者が増加してい
る。
日本放射線腫瘍学会 高精度放射線外部照射部会によるIMRT全国調査によると、2019年には、全国の249施設において33,298例(前立腺癌 :10,888
例 [32.7%]、頭頚部癌:7,758例 [23.3%]、その他の癌:14,652例 [44.0%])がIMRTで加療されており、普及が進んでいる。
1.放射線科を標榜している保険医療機関であること。
施設の要件
(標榜科、手術件数、検査や手術の体 2.IMRTを行うために必要な機器・施設を備えていること。
3.IMRTを年間10例以上実施していること。
制等)
・施設基準
(技術の専門性
等を踏まえ、必
要と考えられる
要件を、項目毎
に記載するこ
と)
1.放射線治療を専ら担当する常勤の医師が2名以上配置されており、このうち1名は放射線治療の経験を5年以上有する者であること。
2.週3日以上常態として勤務しており、かつ、所定労働時間が週 22時間以上の勤務を行っている専任の非常勤医師を2名以上組み合わせることに
より、常勤医師の勤務時間帯と同じ時間帯にこれらの非常勤医師が配置されている場合には、当該医師の実労働時間を常勤換算し常勤医師数に算
入することができる。ただし、常勤換算し常勤医師数に算入することができるのは、常勤配置のうち1名(放射線治療の経験を5年以上有する者1名
人的配置の要件
(医師、看護師等の職種や人数、専門 を除く。)に限る。また、この場合には強度変調放射線治療(IMRT)は年間 50例を限度として実施できる。
3.放射線治療を専ら担当する常勤の診療放射線技師(放射線治療の経験を5年以上有するものに限る。)が1名以上配置されていること。
性や経験年数等)
4.放射線治療における機器の精度管理、照射計画の検証、照射計画補助作業等を専ら担当する者(診療放射線技師その他の技術者等)が1名以上配
置されていること。
*但し、別途申請中のIMRTの施設基準の見直しが認められた場合は、見直し後の施設基準に準じる。
遵守すべきガイドライン
その他
・ 強度変調放射線治療における物理・技術的ガイドライン2023(略称:IMRT物理技術ガイドライン)(2023年)
(遵守すべきガイドライン等その他の ・ 強度変調放射線治療臨床ガイドライン(2023年)
要件)
・ 多分割コリメーターによる強度変調放射線治療の機器的精度確保に関するガイドライン(Ver.1)(2004年)
⑥安全性
・副作用等のリスクの内容と頻度
適切な治療計画によるIMRTにおいては、当該部位(がん病巣・正常組織)への線量は従来の放射線治療における線量が低減され、放射線による副
作用が減少する(文献1,2)。
⑦倫理性・社会的妥当性
(問題点があれば必ず記載)
―
⑧点数等見直し
の場合
見直し前
0点(6時間以上あけた2回目の設定なし)
見直し後
1回目:3,000点
同部位に1回目から2時間以上の間隔をあけて照射される同日2回目:3,000点
その根拠
小細胞肺癌では過分割照射を行わない場合と比較して治療期間を半分にすることが可能で、頭頚部がんでは副作用は少なく治療効果も向上するこ
とを考慮すると、他の体外照射と同様の、1回目と同等の点数は妥当である
区分
⑨関連して減点
や削除が可能と
考えられる医療
技術(当該医療
技術を含む)
―
区分をリストから選択
番号
技術名
―
―
具体的な内容
―
減(-)
プラスマイナス
⑩予想影響額
予想影響額(円)
390,000,000
その根拠
小細胞肺癌では、過分割照射を行わない場合には連日で30回程度の照射が行われるため、総回数は同等なので、1日2回目の照射を1回目と同等と
した場合と総医療費は変わらない。頭頚部がんでは、文献2によると照射回数が2倍になり27,000回が増加するため30,000円x27,000=8.1億円、た
だし、従来法と比較して1,000人の対象者のうち15%の症例で副作用と腫瘍再発を防ぐことが可能と考える(文献2の結果から)と、過去の医療費
計算から副作用と再発のそれぞれに費やされる医療費を300万円・500万円として計算すると、1,000×15%×300万円+1,000×15%×500万円=12
億円が費やされるため、これらを合わせると、8.1億円-12億円=▲3.9億円分の医療費が削減できることになる。
備考
―
⑪算定要件の見直し等によって、新たに使用される医薬
品、医療機器又は体外診断薬
―
⑫その他
―
⑬当該申請団体以外の関係学会、代表的研究者等
日本医学放射線学会、日本医学物理学会、日本放射線技術学会、日本診療放射線技師会
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