提案書19(3602頁~3801頁) (131 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html |
出典情報 | 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》 |
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整理番号
724202
※事務処理用
提案される医療技術名
標的移動対策加算
申請団体名
日本放射線腫瘍学会
28放射線科
主たる診療科(1つ)
提案される医療
技術が関係する
診療科
00なし
関連する診療科(2つまで)
00なし
提案される医療技術又は提案される医療技術に類似した
医療技術の提案実績の有無
「実績あり」の
場合、右欄も記
載する
有
過去に提案した年度
(複数回提案した場合は、直近の年
度)
提案当時の医療技術名
令和4年度
Intrafractional IGRT加算
有
追加のエビデンスの有無
診療報酬区分
診療報酬番号
再評価区分(複数選択可)
M
001注5および001-3注2
1-A
算定要件の見直し(適応)
1-B
算定要件の見直し(施設基準)
該当する場合、リストから○を選択
1-C
算定要件の見直し(回数制限)
該当する場合、リストから○を選択
2-A
点数の見直し(増点)
該当する場合、リストから○を選択
2-B
点数の見直し(減点)
該当する場合、リストから○を選択
3
項目設定の見直し
○
4
保険収載の廃止
該当する場合、リストから○を選択
5
新規特定保険医療材料等に係る点数
該当する場合、リストから○を選択
6
その他(1~5のいずれも該当しない)
該当する場合、リストから○を選択
「6
提案される医療技術の概要(200字以内)
○
その他」を選んだ場合、右欄に記載
―
放射線治療中に体表面位置情報や医用画像(X線透視、MRIなど)を連続的に取得することで標的位置をリアルタイムに監視し、位置変動が閾値を
超えた場合に治療ビームを遮断し、再び閾値内に入った場合に治療を再開する技術。
文字数: 105
再評価が必要な理由
放射線治療の治療標的(腫瘍、以下標的)は呼吸、嚥下、蠕動などの生理学的因子や患者体動によって、体内における位置が絶えず変動してい
る。呼吸による標的位置変動の監視は「呼吸性移動対策加算」として保険収載されているが、その他の生理学的因子や患者体動に対する監視につ
いては保険収載されていない。しかし、嚥下や蠕動による位置変動は呼吸性移動とは異なり突発的に発生するものであり、放射線治療中のリアル
タイム監視は極めて重要である。現在の放射線治療装置および関連機器では、患者体表面赤外線反射位置情報、患者体表面サーモグラフィ、X線
透視、MRI等を用いて、放射線治療中にリアルタイムで体表面位置情報、骨構造情報、腫瘍位置情報を取得し、あらゆる生理学的因子、患者体動
による標的位置変動の監視に対応可能であり、すでに臨床への稼働実績も多い。またこれらの機器は既に呼吸性移動対策や画像誘導放射線治療の
適応機器として認められており、その安全性と有効性は既に広く認められている。
今回、既収載の「呼吸性移動対策加算」の算定要件および項目設定を見直し、呼吸をはじめとしたあらゆる生理学的因子や患者体動による標的位
置変動のリアルタイム監視に対応できるよう、診療報酬による評価を受けることを希望するものである。
【評価項目】
①再評価すべき具体的な内容
(根拠や有効性等について記載)
放射線治療の治療標的(腫瘍、以下標的)は呼吸、嚥下、蠕動などの生理学的因子や患者体動によって、体内における位置が絶えず変動してい
る。呼吸による標的位置変動の監視は「呼吸性移動対策加算」として保険収載されているが、その他の生理学的因子や患者体動に対する監視につ
いては保険収載されていない。しかし、嚥下や蠕動による位置変動は呼吸性移動とは異なり突発的に発生するものであり、放射線治療中のリアル
タイム監視は極めて重要である。また嚥下や蠕動は、一度発生すると患者位置合わせから治療を再スタートする必要があり、患者当たりに要する
治療時間が延長される。照射位置の担保という医療安全面と治療時間の延長という医療資源面からも、呼吸性移動だけでなく標的移動のリアルタ
イム監視全般に対して、診療報酬による評価を受けることを希望する。
②現在の診療報酬上の取扱い
・対象とする患者
・医療技術の内容
・点数や算定の留意事項
【対象患者】●定位放射線治療以外の体外照射:呼吸による腫瘍の移動長が10mmを超える肺がん,食道がん,胃がん,肝がん,胆道がん,膵が
ん,腎がん,若しくは副腎がん又は深吸気時において心臓の線量低減が可能な左乳がん、●定位放射線治療:呼吸による移動長が10mmを超える肺
がん,肝がん又は腎がん
【医療技術の内容】呼吸性移動を補償するために必要な照射範囲の拡大注3が三次元的な各方向においてそれぞれ5mm以下に低減させる。
【点数】●定位放射線治療以外の体外照射:150点、●定位放射線治療:動体追尾法の場合は10,000点(一連)、その他の方法による場合は5,000
点(一連)
M
診療報酬区分(再掲)
診療報酬番号(再掲)
001注5および001-3注2
医療技術名
体外照射呼吸性移動対策加算、定位放射線治療呼吸性移動対策加算
③再評価の根
拠・有効性
前立腺癌定位放射線治療において、リアルタイムIGRTを用いた場合、前立腺に対する臨床目標線量(CTV D98%)が治療計画よりも5%減少した症例
は無く、平均1.0%であった。一方で,リアルタイムIGRTを使用しない場合の線量分布をシミュレーションしたところ、13/235回(5.5%)の治療で
前立腺CTV D98%が治療計画よりも5%以上減少し、最大で20.3%であった(参考文献1)。
前立腺癌のIMRTで、位置変動が許容値を超えた場合に治療ビームを自動遮断、自動位置補正を実施した場合では、照射直前のIGRTのみで治療した
場合に比べて、治療計画に対する標的線量の低下は1/5、重要臓器の線量増加は1/3程度に抑えられた(参考文献2)。
【追加エビデンス】子宮の動きは膀胱容量や直腸の充満の程度に影響され、治療中にも大きく変動する場合がある(最大4cm程度)。リスク臓器
の温存を高めながら標的を確実にカバーするための戦略として適応的IGRT(治療中の実時間継続的標的位置監視)が推奨されている。(参考文献
治癒率、死亡率やQOLの改善等の長期予 3)
【追加エビデンス】頭頸部癌患者84症例について、シネMRIを撮影し、腫瘍の位置変化をリアルタイム解析した。平均的な腫瘍の動きはPTVマージ
後等のアウトカム
ンを設定することで照射位置精度を確保可能であると考えられるが、患者によっては突発的に10mmを超える位置誤差を観察することもあるため注
意が必要である。(参考文献4)
位置照合・補正を照射直前にのみ実施した場合と比較して、照射範囲を大幅に縮小することが可能であり、腫瘍に近接する正常組織の有害事象を
抑制することが出来る。
照射範囲から腫瘍が逸脱することを防ぐことが可能になり、腫瘍へ確実に線量を投与することが出来るため治療後の再発率を減少させることがで
きる。また線量増加を図ることも出来るため、更なる腫瘍制御率の向上が可能である。1回線量の増加により治療期間の短縮も図ることが可能で
ある。それにより患者の職業生活・経済活動の維持が推進されることも期待される。
ガイドライン等での位置づけ
MR画像誘導即時適応放射線治療ガイドライン2021および呼吸性移動対策を伴う放射線治療
ガイドライン等での記載あり(右欄に詳細を記載す
に関するガイドライン2019において、当該治療を安全に臨床導入するための機器的要件、
る。)
人的・施設要件、運用指針、品質管理・品質保証に関する推奨が詳細に述べられている。
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