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提案書19(3602頁~3801頁) (127 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》
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④普及性の変化
※下記のように推定した根拠

令和3年社会医療診療行為別統計の6月審査分で、高エネルギー放射線治療、IMRT関連する放射線治療管理料の算定回数の合計は、19,283回であっ
た。よって、年間症例数は、19,283×12=231,396症例と試算した。また、高エネルギー放射線治療の実施回数(1回目、2回目の合計)は、1門照
射又は対向2門照射37,252回、非対向2門照射又は3門照射57,739回、4門以上の照射、運動照射又は原体照射132,504回であった。同様にIMRTの実
施回数は82,188回であった。したがって,年間実施回数は(37,252+57,739+132,504+82,188)×12=3,716,196回と試算した。対象患者に変化がな
いため見直し前後の症例数、回数に変化はない。

年間対象者数の
変化

見直し前の症例数(人)

231,396

見直し後の症例数(人)

231,396

年間実施回数の
変化等

見直し前の回数(回)

3,716,196

見直し後の回数(回)

3,716,196

⑤医療技術の成熟度
・学会等における位置づけ
・難易度(専門性等)

高エネルギー放射線治療は、放射線治療提供するほぼ全ての医療機関(粒子線治療施設がある)で提供されている一般的な医療技術である。強度
変調放射線治療は、2008年に先進医療から保険収載され、現在では、令和元年度現況報告書によるとがん診療連携拠点病院等の57.8%の施設で実
施されている。また、令和4年9月14日開催の中央社会保険医療協議会総会の「主な施設基準の届出状況等」によると令和3年時点高エネルギー放
射線治療715施設、IMRT368施設が施設基準の届け出を行っている。

【高エネルギー放射線治療】照射方法を問わず、高エネルギー放射線治療を年間合計100例以上実施又は小児入院医療管理料1を届け出ているこ
施設の要件
(標榜科、手術件数、検査や手術の体 と。【強度変調放射線治療(IMRT)】放射線科を標榜している保険医療機関であること。強度変調放射線治療(IMRT)を年間10例以上実施している
こと。
制等)

・施設基準
(技術の専門性
等を踏まえ、必
要と考えられる
要件を、項目毎
に記載するこ
と)

【高エネルギー放射線治療】特になし。【強度変調放射線治療(IMRT)】放射線治療を専ら担当する常勤の医師が2名以上配置されており、このう
ち1名は放射線治療の経験を5年以上有する者であること。また、週3日以上常態として勤務しており、かつ、所定労働時間が週22時間以上の勤務
を行っている専任の非常勤医師を2名以上組み合わせることにより、常勤医師の勤務時間帯と同じ時間帯にこれらの非常勤医師が配置されている
人的配置の要件
場合には、当該医師の実労働時間を常勤換算し常勤医師数に算入することができる。ただし、常勤換算し常勤医師数に算入することができるの
(医師、看護師等の職種や人数、専門 は、常勤配置のうち1名(放射線治療の経験を5年以上有する者1名を除く。)に限る。また、この場合には強度変調放射線治療(IMRT)は年間50
性や経験年数等)
例を限度として実施できる。放射線治療を専ら担当する常勤の診療放射線技師(放射線治療の経験を5年以上有するものに限る。)が1名以上配置
されていること。放射線治療における機器の精度管理、照射計画の検証、照射計画補助作業等を専ら担当する者(診療放射線技師その他の技術者
等)が1名以上配置されていること。
【高エネルギー放射線治療】特になし。【強度変調放射線治療(IMRT)】当該治療を行うために必要な次に掲げる機器、施設を備えていること(直
線加速器、治療計画用CT装置、インバースプラン(逆方向治療計画)の可能な三次元放射線治療計画システム、照射中心に対する患者の動きや臓
その他
器の体内移動を制限する装置、平面上の照射強度を変化させることができる装置、微小容量電離箱線量計又は半導体線量計(ダイヤモンド線量計
(遵守すべきガイドライン等その他の を含む。)及び併用する水ファントム又は水等価個体ファントム、二次元以上で相対的な線量分布を測定・比較できる機器)。当該保険医療機関
要件)
において、強度変調放射線治療(IMRT)に関する機器の精度管理に関する指針が策定されており、実際の線量測定等の精度管理が当該指針に沿っ
て行われているとともに、公開可能な精度管理に係る記録が保存されていること。

⑥安全性
・副作用等のリスクの内容と頻度

これまでと変化なし

⑦倫理性・社会的妥当性
(問題点があれば必ず記載)

これまでと変化なし

見直し前

【高エネルギー放射線治療】(1回目,2回目)
・1門照射または対向2門照射を行った場合:1回目840点,2回目420点
・非対向2門照射又は3門照射を行った場合:1回目1,320点,2回目660点
・4門以上の照射、運動照射又は原体照射を行った場合:1回目1,800点,2回目900点
【強度変調放射線治療】3,000点

見直し後

【高エネルギー放射線治療】(1回目,2回目)
・1門照射または対向2門照射を行った場合:1回目2,020点,2回目1,010点
・非対向2門照射又は3門照射を行った場合:1回目2,020点,2回目1,010点
・4門以上の照射、運動照射又は原体照射を行った場合:1回目2,020点,2回目1,010点
【強度変調放射線治療】3,340点

その根拠

厚生労働省科学研究助成事業「放射線療法の提供体制構築に資する研究」令和4(2022)年度研究報告書資料「診療報酬における放射線治療照射料
点数の再考」(参考文献2)によると、放射線治療室の施設利用料は、高エネルギー放射線治療:1,146.7円/分、IMRT:=1,576.6円/分と算出され
る。また、患者1名あたりの照射室利用時間は、全国アンケート結果より高エネルギー放射線治療:18.5分、IMRT:20.4分と算出される。ここで
人件費を医師:高エネルギー放射線治療時24,240円/時(外保連試案2022図表6「医師の経験年数指数と人件費/時間」より経験年数5年医師),強度
変調放射線治療時55,840円/時(外保連試案2022図表6「医師の経験年数指数と人件費/時間」より経験年数10年医師)、診療放射線技師:2,740円/
時(外保連試案2022の図表15「臨床工学技士・理学療法士・作業療法士・放射線技師等の時間給」短大卒後5年)、治療計画品質管理を担当する診
療放射線技師・医学物理士等の物理技術専門職:4,110円/時(技術度が高いと判断し診療放射線技師人件費の1.5倍)、看護師:2,960年/時(外保連
試案2022の図表16「看護師の時間給」短大卒後5年)とし、算出された患者1名あたりの施設利用料、照射室利用時間、人件費および放射線治療を
実施するために必要な人員(高エネルギー放射線治療(医師0.05名、診療放射線技師2名、看護師0.1名)、IMRT(医師0.05名、診療放射線技師2
名、物理技術専門職1名、看護師0.1名)より、患者1名1回の照射あたりに要する費用は、高エネルギー放射線治療:(1,146.7円/分+((24,240円/
時×0.05人+2,740円/時×2人+2,960円/時×0.1人)/60分))×18.5分=23,369円、IMRT:(1,576.6円/分+((55,840円/時×0.05人+2,740円/時×2人
+4,110円/時+2,960年/時×0.1人)/60分))×20.4分=36,473円と算出される。診療報酬においては10円=1点であることから、高エネルギー放射線治
療2,336点、IMRT3,647点と算出される。全国アンケート結果の患者1名あたりの照射室利用時間には、画像誘導放射線治療加算(IGRT加算)に要
する時間も含まれていることから、骨構造情報によるIGRT加算費用を差し引き、IGRT加算分を除外した患者1名1回の照射あたり診療報酬点数は、
高エネルギー放射線治療:2,336点-IGRT加算300点=2,036点⇒2,020点、IMRT:3,647点-IGRT加算300点=3,347点⇒3,340点と算出される。なお、高
エネルギー放射線治療については、所要時間やスタッフの配置について従前の三段階の照射技法による差はなかったため、いずれも共通の2,020
点とした。

⑧点数等見直し
の場合

区分
⑨関連して減点
や削除が可能と
考えられる医療
技術(当該医療
技術を含む)



区分をリストから選択

番号

1(=001)

技術名

対外照射

具体的な内容

「2 高エネルギー放射線治療」について現行の3区分((1)1門照射又は対向2門照射, (2)非対向2門照射又は3門照射、(3)4門以上の照射、運動照
射又は原体照射)を削除し、高エネルギー放射線治療として一つの技術に統合する。
増(+)

プラスマイナス

⑩予想影響額

予想影響額(円)

15,916,434,000円

その根拠

見直し前後の点数の差(1門照射又は対向2門照射:1回目:1,180点、2回目:590点、非対向2門照射又は3門照射:1回目700点、2回目350点、4門以
上の照射、運動照射又は原体照射:1回目220点、2回目110点、強度変調放射線治療:340点)と令和3年社会医療診療行為別統計6月分算定回数(1門
照射又は対向2門照射:1回目:27,929回、2回目:9,323回、非対向2門照射又は3門照射:1回目49,663回、2回目8,076回、4門以上の照射、運動照
射又は原体照射:1回目127,910回、2回目4,594回、強度変調放射線治療:82,188回)をそれぞれ乗じ、年間影響額にするために12倍した結果を合
算すると予想影響額は15,916,434,000円の増加が見込まれる。医療費増額にはなるが、現行のままでは放射線治療施設の持続(更新)可能性の低
下が懸念され、健全な放射線治療の提供が危ぶまれる。

備考



⑪算定要件の見直し等によって、新たに使用される医薬
品、医療機器又は体外診断薬



⑫その他



⑬当該申請団体以外の関係学会、代表的研究者等

日本医学放射線学会、日本医学物理学会、日本放射線技術学会、日本診療放射線技師会、日本医学物理士会

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