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資料9 評価シート様式2(案)(令和4月2月28日暫定版) (242 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_24115.html
出典情報 健康日本21(第二次)推進専門委員会(第17回 2/25)《厚生労働省》
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様式2 更新日:令和 4 年2月 25日
(領域名)(4)飲酒
背景
○ アルコールは、さまざまな健康障害との関連が指摘されており、アルコール性肝障害、膵炎等の臓
器障害、高血圧、心血管障害、がん等の他、自殺や事故とも深く関連する。平成 30(2018)
年に WHO が発表した「Global status report on alcohol and health 2018」によると、平
成 28(2016)年の試算で、年間 300 万人がアルコールの有害な使用のために死亡し、全死亡
に占める割合は 5.3%とされたが、この割合は、結核(2.3%)、エイズ(1.8%)、糖尿病
( 2.8% ) 、 高 血 圧 ( 1.6% ) 、 消 化 器 疾 患 ( 4.5% ) 、 交 通 事 故 ( 2.5% ) 、 暴 力
(0.8%)による死亡を上回っている 1)。
○ 障害調整生命年(DALY)では、アルコールによる早世や障害は、女性の DALY 全体の 1.6%、
男性では 6.0%を占め、全要因の中の 7 番目の高い割合となっている。特に、年齢を 15 歳から
49 歳に限ると、全要因の中で最も高い割合となり、男性の 8.9%、女性の 2.3%の原因となって
いる。また、同じ年代の男性の全死亡の 12.2%、女性の 3.8%がアルコールに起因するという報告
もある 2)。このように、世界的にもアルコールによる健康への影響は重要な問題として認識されている。
○ 患者調査(厚生労働省)によれば、アルコール性肝硬変の患者数は、平成8(1996)年の
4千人から、平成 29(2017)年には 1.4 万人へと増加している。人口動態統計(厚生労働
省)によれば、アルコール性肝疾患の死亡数は、平成8(1996)年には 2,403 人であったもの
が、令和元(2019)年には 5,480 人と増加しており、そのうち約8割がアルコール性肝硬変であ
る。
○ 令和 3(2021)年 3 月 26 日に閣議決定された第 2 期アルコール健康障害対策基本対策
推進基本計画には、「飲酒に伴うリスクに関する知識の普及と不適切な飲酒を防止する社会づくり
を通じて、将来にわたるアルコール健康障害の発生を予防する」、「アルコール健康障害の当事者や
その家族がより円滑に適切な支援に結びつくように、アルコール健康障害に関する相談から治療、
回復支援に至る切れ目のない支援体制を構築する」という2つの重点課題が示されており、1番
目の課題における重点目標は、健康日本 21(第二次)の飲酒領域に設定された3つの目標項
目と同一である。
○ 国内外の研究結果から、がん、高血圧、脳出血、脂質異常症等の飲酒に関連する多くの健康
問題のリスクは、1 日平均飲酒量とともにほぼ直線的に上昇することが示されており

9-12)

、これらの

知見からは生活習慣病のリスクを高める飲酒量の閾値は低ければ低いほど良いことが示唆される。
一方、脳梗塞及び虚血性心疾患については、飲酒量との関係がほぼ直線的に上昇するとは言え
ない。しかし、その場合でも男性では 44g/日程度以上の飲酒(純アルコール量)で非飲酒者や
機会飲酒者に比べてリスクが高くなることを示す研究が多い 13-16)。また、女性では 22g/日程度以
上の飲酒でリスクが高くなることを示す研究がある 14,17)。

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