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資料9 評価シート様式2(案)(令和4月2月28日暫定版) (96 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_24115.html
出典情報 健康日本21(第二次)推進専門委員会(第17回 2/25)《厚生労働省》
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○ 全国自治体によるCOPD普及・啓発活動(地域による温度差大)。
○ 全国自治体におけるCOPD検診(スパイロメトリー検査)の組み入れ推進。
○ COPD(慢性閉塞性肺疾患)診断と治療のためのガイドライン第5版を作成(平成 30
(2018)年4月発刊、日本呼吸器学会)。
○ 「禁煙治療のため御標準的手順書(第8版)」の公開(令和2(2020)年4月、日本
循環器学会、日本肺癌学会、日本癌学会、日本呼吸器学会)。

3 各目標項目の評価に係る分析及び領域全体としての評価
① 「COPDの認知度の向上」の評価は「C 変わらない」であった。
○ 認知率の上昇が目標に遠く及ばなかった原因として、COPDという横文字病名が国民に浸透
しづらいという背景があるかもしれない。特に年齢階層別の認知率をみると、高齢になるほど低いとい
う傾向があり、これも横文字病名の問題が背景にある可能性がある。
○ 一方、COPDの病型・病態とも言うべき「肺気腫」「慢性気管支炎」という病名については
令和元(2019)年の調査で認知率はそれぞれ 69.1%, 63.0%とかなり高いことが判明した
(ただしCOPDの日本語訳である慢性閉塞性肺疾患の認知率はわずか 24.7%と低い)。つま
り、COPDという病名としての認知率は低いが、本疾患によって起こる症候や病態については国
民の 半数以上に認知されていることを示している。
○ COPDという病名の認知率向上に関して目標達成は困難な状況にあるが、さまざまなCOP
D啓発活動の取組は一定の成果があったと考える。そのひとつの客観的事実は急速な高齢者人
口の増加とそれに伴うCOPD死亡数の増加という平成 22(2010)年当時の厚労省の予測
にも かかわらず、COPD死亡数は年齢調整死亡でみるとこの 10 年間毎年着実に減少してお
り、絶対数でみても平成 23(2011)年をピークに減少の傾向にある。なお、ICD-10(平成 25
(2013)年版)に準拠した死因統計分類の適応により、2017 年にいったん死亡数は上昇した
が、その後再び減少に転じている。また、その死亡年齢も経年的により高齢にシフトしていることが挙
げられる。

4 今後の課題
○ COPDの認知度は、ほぼ横ばいで推移しており、現状のままでは目標達成は困難な状況にあ
る。COPDの認知度向上は大きな課題であり、特にCOPDが「どんな病気か知っている」者の
増加が患者の受診行動を促す上でも意義がある。
○ 次期プラン策定に向けての課題として、COPD認知度の上昇だけではなく、年齢調整死亡率
の減少等の指標設定についても検討が必要である。
○ 目標達成に向け、喫煙が最大の発症要因であり、禁煙により発症予防が可能であることや早期
発見が重要であること等、普及啓発・認知度の向上に向けて取組を推進する。
○ 喫煙によるCOPDのリスクや正しい知識について、学校教育や、健診・保健指導、健康増進
事業における「慢性閉塞性肺疾患(COPD)健康教育」や「喫煙者個別健康教育」等を通
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