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資料9 評価シート様式2(案)(令和4月2月28日暫定版) (275 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_24115.html
出典情報 健康日本21(第二次)推進専門委員会(第17回 2/25)《厚生労働省》
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④ 受動喫煙(家庭・職場・飲食店・行政機関・医療機関)の機会を有する者の割合の減少
○ 受動喫煙の曝露状況の改善は、短期間で急性心筋梗塞や成人及び小児の喘息等の呼吸
器疾患による入院の減少等、確実な健康改善効果が期待できる

15)

。望まない受動喫煙のな

い社会の実現の達成状況を評価する上での指標として重要であり、特に1日の中でも過ごす時
間の長い職場や家庭での曝露の低減は重要である。
○ 令和2(2020)年度に全面施行された改正健康増進法の実効性を高めるためには、関係
施設の周知をはじめ、法律の遵守状況のモニタリングと違反者の取り締まりが必要であり、そのた
めの体制づくりが重要。
○ たばこ規制枠組条約のガイドラインでは、喫煙室を設けない屋内全面禁煙が国際標準として
求められている。飲食店やバーも職場という側面を有しており、受動喫煙の他者危害性や健康
被害の大きさを考えると、多数の者が利用する施設等における屋内全面禁煙にむけた改正健
康増進法の法的規制の強化が必要。また、学校、病院、行政機関等の公共性の高い施設に
ついては、望まない受動喫煙のない社会の実現のシンボルとして、敷地内禁煙化の取組を促す
ための法的規制も含めた働きかけを検討、実施。
○ 家庭(自家用車を含む)や屋外での受動喫煙の防止は改正健康増進法において努力義務
となっている。妊婦や未成年を有する家庭においては受動喫煙の頻度が高いことが報告されてい
る文献)。今後、家庭や屋外も含め、社会全体で受動喫煙の曝露の低減につなげる取組が必
要。

5 新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた今後の課題
喫煙は、新型コロナウイルス肺炎の重症化に直接関わるだけでなく、COPD、CKD、2型糖尿病
等の基礎疾患の重症化を介しても、新型コロナウイルス感染の重症化を引き起こすことが報告されて
いる

16)

。第1波の感染拡大に伴う喫煙行動に与える影響については、心理特性やストレス、経済

状況によって、その影響が異なることが海外の研究で報告されている。たとえば、コロナ禍における外出
制限や隔離に伴うストレスが高いと喫煙量が増加したが,感染への恐れによるストレスが高いと喫煙
量が減少した 17)。2020 年4月からの初回の緊急事態宣言下での喫煙行動への影響を調べた国
内の調査研究でも、喫煙者の特性によって影響が異なっていた

18)

。全体の 32.1%で喫煙本数が

増加した一方、11.9%が禁煙していた。男性や高齢者では禁煙や本数を減らす行動をとりやすかっ
たのに対して、テレワーク実施や一人暮らしでは喫煙本数の増加がみられた。紙巻たばこから加熱式た
ばこに切り替えた場合は禁煙行動をとりにくかった。国立がん研究センターが 2021 年3月に実施した
調査においても、同居人の喫煙による受動喫煙が増加していると回答した非喫煙者が 10%いたのに
対して、減っていると回答した割合は 1.6%に過ぎなかった 19)。そのほか、厚生労働科学研究におい
てコロナ禍における社会・健康格差評価研究としてインターネット調査(JACSIS study)が実施さ
れており、その結果が待たれるところである。
新型コロナウイルス感染の再拡大及び今後の新しい感染症の流行に備えた対策を検討するために、
1年間以上続いたコロナ禍が集団全体の喫煙にどのような影響を与えたのかについて、喫煙率やたば
この消費量を指標として評価を行う必要がある。
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