よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


提案書03(0399頁~0598頁)医療技術評価・再評価提案書 (187 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。

③再評価の根
拠・有効性

2015年のコクラン・レビューで,平衡訓練/前庭リハビリテーションは末梢前庭障害患者の自覚症状スコア,心身機能およびQOLを改善させるエビ
デンスがあり,安全で効果的であるとされている。また,2016年には米国Physical Therapy Association Neurology Section より前庭リハビリ
テーションに関する診療ガイドラインが発行された。国内では,日本めまい平衡医学会の「平衡訓練/前庭リハビリテーションの基準-2021年改訂治癒率、死亡率やQOLの改善等の長期予 」に基づいた平衡訓練/前庭リハビリテーションが実施されている。医師による定期的な指導・管理下で,医療施設ならびに自宅での適切な平衡訓
後等のアウトカム
練/前庭リハビリテーションを継続して行うことで,末梢前庭機能障害により生じた内耳性めまい・平衡障害によるADL低下は改善し,転倒リスクも
軽減して円滑な社会活動が可能となる。また,めまい症状の軽減,運動時の視線の安定化,姿勢の維持,歩行などの身体運動の円滑な遂行が可能とな
るため,加齢性末梢前庭障害によるフレイル・ロコモ対策としても平衡訓練/前庭リハビリテーションは極めて有用かつ重要である。

ガイドライン等での位置づけ

④普及性の変化
※下記のように推定した根拠

年間対象者数の
変化

年間実施回数の
変化等

平衡訓練/前庭リハビリテーションは,1940年代にCawthorneとCookseyらにより開発され,頭部と眼の運動,立位や歩行における頭部と身体の運動な
どを組み合わせた平衡訓練/前庭リハビリテーションの末梢前庭障害(片側性・両側性)に対する有効性が報告されてきた。海外では,2015年のコク
ラン・レビューで,平衡訓練/前庭リハビリテーションは末梢前庭障害患者の自覚症状スコア,心身機能およびQOLを改善させるエビデンスがあり,
安全で効果的であるとされている。また,2016年には米国Physical Therapy Association Neurology Section より前庭リハビリテーションに関す
る診療ガイドラインが発行された。国内では,日本めまい平衡医学会の「平衡訓練/前庭リハビリテーションの基準-2021年改訂-」に基づいた平衡
訓練/前庭リハビリテーションが実施されてきた。同学会より「前庭リハビリテーションガイドライン2023年版」が近々発刊予定で,同ガイドライ
ン内では末梢前庭障害に対する平衡訓練/前庭リハビリテーションが高いエビデンスレベルで強く推奨されるとしている。現在,平衡訓練/前庭リ
ハビリテーションを実施している施設数は全国で約200施設,1施設当たりの同リハビリテーション実施患者数は約49人/年,国内全体では約
9,800(240x49)人/年と推測され,超高齢化社会において同リハビリテーション実施数の今後さらなる増加が見込まれる。

見直し前の症例数(人)

約9,800人/年

見直し後の症例数(人)

約16,600人/年(現在,平衡訓練/前庭リハビリテーションを実施している施設数は全国で約200施設,1施設当たりのリハビリテーション実施患者数
は約49人/年,全国700施設のうち実施施設が20%増加するとの仮定で計算)

見直し前の回数(回)

月1回(脳血管疾患等リハビリテーション料Iを3単位)x3ヶ月間で3回(同9単位)(参考:「前庭リハビリテーションガイドライン2023年版]では1日1回
20〜40分、1〜2ヶ月間のリハビリテーション継続を推奨している。)

見直し後の回数(回)

月1回(脳血管疾患等リハビリテーション料Iを3単位)x3ヶ月間で3回(同9単位)(参考:「前庭リハビリテーションガイドライン2023年版]では1日1回
20〜40分、1〜2ヶ月間のリハビリテーション継続を推奨している。)

⑤医療技術の成熟度
・学会等における位置づけ
・難易度(専門性等)

・施設基準
(技術の専門性
等を踏まえ、必
要と考えられる
要件を、項目毎
に記載するこ
と)

日本めまい平衡医学会より近々発刊される「前庭リハビリテーションガイドライン2023年
ガイドライン等での記載あり(右欄に詳細を記載す
版」では,末梢前庭障害に対する平衡訓練/前庭リハビリテーションは高いエビデンスレベ
る。)
ルで強く推奨されるとしている。

国内では,日本めまい平衡医学会の「平衡訓練/前庭リハビリテーションの基準-2021年改訂-」に基づいた平衡訓練/前庭リハビリテーションが実
施されてきた。同学会より「前庭リハビリテーションガイドライン2023年版」が近々発刊予定で,同ガイドライン内では末梢前庭障害に対する平
衡訓練/前庭リハビリテーションが高いエビデンスレベルで強く推奨されるとしている。聴覚検査及び平衡機能検査を実施して「末梢前庭障害(内
耳性めまい・平衡障害)」の診断を下した患者に対して,医師が平衡訓練/前庭リハビリテーションの有用性・安全性について十分な説明を行い,医
師による定期的な指導・管理下で,医療施設ならびに自宅で適切な平衡訓練/前庭リハビリテーションを継続して実施した場合に脳血管疾患等リハ
ビリテーション料を算定する。

聴覚検査及び平衡機能検査を実施して「末梢前庭障害(内耳性めまい・平衡障害)」の診断を下した患者に対して,医師が平衡訓練/前庭リハビリ
施設の要件
(標榜科、手術件数、検査や手術の体 テーションの有用性・安全性について十分な説明を行い,医師による定期的な指導・管理下で適切な平衡訓練/前庭リハビリテーションを実施した
場合に脳血管疾患等リハビリテーション料を算定する。
制等)
人的配置の要件
(医師、看護師等の職種や人数、専門 脳血管疾患等リハビリテーション料の施設基準と同様。
性や経験年数等)
日本めまい平衡医学会の「平衡訓練/前庭リハビリテーションの基準-2021年改訂-」,同学会が近々発刊する「前庭リハビリテーションガイドライ
その他
(遵守すべきガイドライン等その他の ン2023年版」, および日本リハビリテーション医学教育推進機構が出版した「耳鼻咽喉科頭頸部外科領域のリハビリテーション医学・医療テキス
ト」の「前庭障害のリハビリテーション]の内容に基づいた平衡訓練/前庭リハビリテーションを遵守すべきである。
要件)

⑥安全性
・副作用等のリスクの内容と頻度

平衡訓練/前庭リハビリテーショの主たる対象患者は,内耳性めまい・平衡障害の発症から3 か月以上経過した慢性期の末梢前庭障害患者および急
性期・亜急性期の末梢前庭障害患者である。平衡訓練/前庭リハビリテーションでは,1)動的前庭代償の促進,2)適応(前庭動眼反射と前庭脊髄反射
の適応)の誘導,3)感覚代行と感覚情報の重み付けの変化の誘導,4)慣れの誘導を目的とした頭部・体幹運動,歩行訓練等が実施される。めまいの誘
発や歩行・運動失調による転倒や外傷の発生に十分な注意が必要であるが,平衡訓練/前庭リハビリテーションを担当する医師・理学療法士等の適
切な安全管理体制のもとで実施されており、副作用・有害事象等の発生の報告は極めて稀である。

⑦倫理性・社会的妥当性
(問題点があれば必ず記載)



⑧点数等見直し
の場合

⑨関連して減点
や削除が可能と
考えられる医療
技術(当該医療
技術を含む)

見直し前
見直し後
その根拠

算定無
735点/月x3ヶ月=2,205点
脳血管疾患等リハビリテーション料I(245点)x3単位/回,月1回,3ヶ月間

区分

区分をリストから選択

番号
技術名




具体的な内容


増(+)

プラスマイナス
⑩予想影響額

予想影響額(円)

216,090,000円/年

その根拠

平衡訓練/前庭リハビリテーションを実施している施設数は全国で約200施設,1施設当たりのリハビリテーション実施患者数は約49人/年,国内全体
では約9800(240x49)人/年と推測される。「前庭リハビリテーションガイドライン2023年版]に従って、月1回,3ヶ月間の平衡訓練/前庭リハビリ
テーションを実施した場合,735点x3ヶ月x9,800人=21,609,000点

備考

見直し後の年間患者数を16,600人とした場合は,366,030,000円

⑪算定要件の見直し等によって、新たに使用される医薬
品、医療機器又は体外診断薬



⑫その他

現在の脳血管疾患等リハビリテーション料の対象となる患者:ア 急性発症した脳血管疾患又はその手術後の患者とは、脳梗塞、脳出血、くも膜
下出血、脳外傷、脳炎、急性脳症(低酸素脳症等)、髄膜炎等のものをいう。 イ 急性発症した中枢神経疾患又はその手術後の患者とは、脳膿
瘍、脊髄損傷、脊髄腫瘍、脳腫瘍摘出術などの開頭術後、てんかん重積発作等のものをいう。 ウ 神経疾患とは、多発性神経炎(ギランバレー
症候群等)、多発性硬化症、末梢神経障害(顔面神経麻痺等)等をいう。 エ 慢性の神経筋疾患とは、パーキンソン病、脊髄小脳変性症、運動
ニューロン疾患(筋萎縮性側索硬化症)、遺伝性運動感覚ニューロパチー、末梢神経障害、皮膚筋炎、多発性筋炎等をいう。 オ 失語症、失認
及び失行症、高次脳機能障害の患者 カ 難聴や人工内耳植込手術等に伴う聴覚・言語機能の障害を有する患者とは、音声障害、構音障害、言語
発達障害、難聴に伴う聴覚・言語機能の障害又は人工内耳植込手術等に伴う聴覚・言語機能の障害を持つ患者をいう。 キ 顎・口腔の先天異常
に伴う構音障害を有する患者 ク 舌悪性腫瘍等の手術による構音障害を有する患者

⑬当該申請団体以外の関係学会、代表的研究者等

特になし

585