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提案書03(0399頁~0598頁)医療技術評価・再評価提案書 (38 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》
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重症患者の急性期からの栄養療法時には、過不足無い栄養療法が望ましい。現状では、間接熱量法を用いない場合には、大多数の施設で簡易推算
式を用い、その係数は、20もしくは20-25kcal/kg{BW}/day(ガイドライン1.2.)、最新の3.ASPENガイドラインで12-25kcal/kg/dayとばらつきが
ある。その根拠となるデータは、欧米人を対象としたもので、対象症例の平均は年齢65歳、BMI28である。申請者が、自施設で調査した5日間以上
の挿管呼吸管理症例(連続した89例)では、年齢78歳、BMI21.3でありより高齢で痩身であり、明らかに欧米人に比較し栄養リスクが高い群が治
治癒率、死亡率やQOLの改善等の長期予 療対象であった。さらに測定結果を用い、体重から消費熱量を予測する回帰式を作成するとeEE=29.9-0.13×BWとなり、低体重症例ほど体重あた
後等のアウトカム
りの消費熱量が高くなることがわ分かった。BMIに関しても同様に、eEE=33.0-0.48×BMIとなり、痩身症例ほど単位体重あたりの消費エネルギー
が髙値であった(参考文献4 PDF添付)。
以上から、本邦の集中治療室重症挿管症例では、間接熱量測定により消費熱量を測定のうえ、早期からの過不足無い適切な栄養介入を行うこと
が、先に導入された、集中治療室早期栄養管理加算、早期離床・リハビリテーション加算を含めた新しい重症患者管理には必要と考えられる。

③再評価の根
拠・有効性

ガイドライン等での位置づけ

④普及性の変化
※下記のように推定した根拠

年間対象者数の
変化

年間実施回数の
変化等

再評価により、本検査法の評価認識が高まることで、即座に機器購入(約400万円)につながるとは考えにくいが、全国の特定集中治療室713病院
6301床(平成29年度統計)を基準に検討した。現状、現在までに販売された各種間接熱量計を保有する施設は50施設程度であり、測定も1間接熱
量計当たり2名/週程度で、挿管重症症例における年間測定数は5000回程度と予測される。全集中治療室の20%が数年の内に新たに購入すると仮定
した(143施設143台+既存の50台)。当該施設のICU入室の新規挿管呼吸管理症例が平均3名であり、3日以上の呼吸管理を必要とする症例はその
30%であると仮定した(1施設1名/日の対象患者=年間260,245名の対象患者)。新たに加算が実施された場合機器の普及、測定の意義の喚起によ
り1間接熱量計当たり3名/週程度とすると、数年後には、年間測定数は28,950回へと増加すると試算した。

見直し前の症例数(人)

260,245名

見直し後の症例数(人)

260,245名

見直し前の回数(回)

5,000回

見直し後の回数(回)

28,950回

⑤医療技術の成熟度
・学会等における位置づけ
・難易度(専門性等)

・施設基準
(技術の専門性
等を踏まえ、必
要と考えられる
要件を、項目毎
に記載するこ
と)

1.急性呼吸不全による人工呼吸患者の栄養管理ガイドライ ン 2011年版(人工呼吸 第 29
巻 第 1 号 75 〜 120 頁(2012 年))P88-89.B−6 経腸栄養実施時の投与エネルギー設定.
“ 栄養療法開始に際し、推算式による計算値もしくは間接熱量計による測定結果を用いて
目標投与エネルギーを設定することを推奨する(Grade E)。”
2.日本版重症患者の栄養療法ガイドライン(日集中医誌 2016;23:185-281.)P202
4.エネルギー消費量とエネルギー投与量 CQ4-1:エネルギー消費量の推定はと
゙のような方法
で
行うか ? A4-1:間接熱量計での測定結果,もしくは推算式に よる算出に基づいて設定す
ることを強く推奨する。(1D)
ガイドライン等での記載あり(右欄に詳細を記載す
3.Guidelines for the provision of nutrition support therapy in the adult
る。)
critically ill patient: The American Society for Parenteral and Enteral
Nutrition.(J Parenter Enteral Nutr. 2022;46:12–41)
4.ESPEN guideline on clinical nutrition in the intensive care unit( Clinical
Nutrition 38 (2019) 48e79)P58. Recommendation 15
In critically ill mechanically ventilated patients, EE should be determined by
using indirect calorimetry.(人工呼吸器装着の重症症例では、消費熱量は間接熱量計を
用いて決定すべきである)
Grade of recommendation: B e strong consensus (95% agreement)

・間接熱量測定は、吸入器酸素と、呼気ガス酸素、二酸化炭素、分時間器量から、酸素消費量、炭酸ガス産生量を算出し、Weirの公式から、消費
熱量、呼吸商を求めるもので、すでに確立した測定系である。
・投与エネルギー設定には、各種推算式があるが、いずれも決定的なものは無く、間接熱量測定が標準的方法であることは、医師、管理栄養士等
栄養療法に関わる医療関係者では常識である。
・測定は、挿管症例では、呼吸器と挿管チューブの間に間接熱量計アダプターを挿入すれば、15-30分程度で測定市、データが得られる

施設の要件
(標榜科、手術件数、検査や手術の体 重症患者を受け入れ、人工呼吸器を使用している施設。
制等)
人的配置の要件
(医師、看護師等の職種や人数、専門 特段に無し
性や経験年数等)
その他
(遵守すべきガイドライン等その他の 特段に無し
要件)

⑥安全性
・副作用等のリスクの内容と頻度

重症患者では、挿管症例の呼吸器と挿管チューブの間にフィルターを間挿入スたうえでアダプター装着し、サンプリングラインから呼気ガスを吸
引し測定する。バクテリオフィルター装着により装着による感染の機会はほぼない。

⑦倫理性・社会的妥当性
(問題点があれば必ず記載)

本法における重症患者栄養療法ガイドラインのエビデンスは、

⑧点数等見直し
の場合

見直し前
見直し後

85点
850点

その根拠

測定に当たり必要な患者毎の消耗品費(使い捨て流量計、アダプター、サンプリングライン等)5500円、その他校正用ガス(140000円)、保守点
検費用等が必要である。

区分
⑨関連して減点
や削除が可能と
考えられる医療
技術(当該医療
技術を含む)

なし

区分をリストから選択

番号
技術名

なし
なし

具体的な内容

特になし
増(+)

プラスマイナス
⑩予想影響額

予想影響額(円)

8,500,000円

その根拠

ICU加算施設では、D区分は包括対象のため増額なし。

備考

ICU加算施設以外での測定、ICU入室期間オーバー症例での測定を年間1000件として計算した

⑪算定要件の見直し等によって、新たに使用される医薬
品、医療機器又は体外診断薬

特になし

⑫その他

特になし

⑬当該申請団体以外の関係学会、代表的研究者等

特になし

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