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提案書03(0399頁~0598頁)医療技術評価・再評価提案書 (53 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》
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区分

③対象疾患に対
して現在行われ
ている医療技術
(当該医療技術
が検査等であっ
て、複数ある場
合は全て列挙す
ること)



番号

C009・C013

医療技術名

在宅患者訪問栄養食事指導料・在宅患者訪問褥瘡管理指導料

C009 在宅患者訪問栄養食事指導料(1・2)
在宅での療養を行っている患者であって、疾病、負傷のために通院による療養が困難な者について、医師が特別食を提供す
る必要性を認めた場合又は医師が栄養管理の必要性を認めた場合であって、医師の指示に基づき、管理栄養士が患家へ訪問
し、患者の生活条件、し好等を勘案した食品構成に基づく食事計画案又は具体的な献立等を示した栄養食事指導箋を患者又
はその家族等に交付するとともに、食事の用意や摂取等に関する具体的な指導を30分以上行った場合に算定する。
既存の治療法・検査法等の内容
C013 在宅患者訪問褥瘡管理指導料
在宅褥瘡管理に罹る専門的知識・技術を有する在宅褥瘡管理者を含む多職種からなる在宅褥瘡対策チームが、褥瘡予防や管
理が難しく重点的な褥瘡管理が必要な者に対し、褥瘡の改善等を目的として、共同して指導管理を行うことを評価したもの
であり、褥瘡の改善等を目的とした指導管理のための初回訪問から起算して、当該患者1人について6月以内に限り、カン
ファレンスを実施した場合に3回を限度に所定点数を算定することができる。

④有効性・効率性
・新規性、効果等について③との比較
・長期予後等のアウトカム

研究結果
⑤ ④の根拠と
なる研究結果等

在宅患者訪問栄養食事指導料Ⅰにおいては、厚生労働省令和2年度NDBオープンデータによると0~14歳の小児の件数が245件
と約8%である(全体3,157件)。在宅小児経管栄養法指導管理料は令和2年度は40,414件であり、今後、管理栄養士が小児の
経腸栄養管理を行うニーズが高まると推測される。小児は成長に合わせてその都度栄養素の設定が必要である。そのために
は多職種、特に訪問看護師との連携が必要である。チーム医療で取り組む必要性は高くなることが推測される。
チーム医療の管理料として在宅患者訪問褥瘡管理指導料があるが、厚生労働省令和2年度NDBオープンデータによると132件
であった。褥瘡発症率は在宅の場合はがん患者が多いと推測される。在宅がん医療総合診療科においては令和2年度は
753,328件であり、在宅におけるがん医療の必要性も高まる中、栄養サポートチームによるがん患者の食事支援のニーズも
高まると推測される。特定の疾患のみだけではなく複合疾患が多い中で、総合的な栄養サポートが在宅でも求められている
と考えられる。
在宅領域では脳血管障害の患者が多い中、誤嚥性肺炎を繰り返す者も多いと推測される。厚生労働省令和2年度NDBオープン
データによると、在宅療養支援診療所(病床を有しない場合)の「緊急往診加算」「夜間往診加算」「深夜往診加算」は
92,565件(1,417,520,000円)であったが、栄養サポートチームの普及により誤嚥性肺炎の再発予防に適した嚥下調整食の
支援が広まることで、緊急時の往診件数を軽減できる可能性も示唆される。

ガイドラインより、在宅療養患者への栄養療法は体重増加、ADL改善に効果がある可能性がある(参考文献1)。
医師、看護師、管理栄養士、介護支援専門員の多職種で101名の患者に6か月介入、栄養改善目的で介入した75名中、食事摂
取量が改善したのは62名(82%)、エネルギー充足率も介入時に比べ6か月後に有意に高かった。さらに、アルブミン、ト
ランスサイレチンの数値の改善も介入時に比べ6か月後に有意に高かった(参考文献2)。
訪問栄養食事指導を継続的に行うことで、エネルギー、たんぱく質の栄養素摂取量の増加、体重増加、ADL、QOLの改善に寄
与する(参考文献3)。
施設入居する要介護高齢者431名(平均年齢87.4±7.9歳)に対して1年間常食から嚥下調整食へ変更した要因について検討
を行った。400名の栄養状態良好群で常食を提供していた251名の中で、1年後47名が嚥下調整食へ変更となった。変更に
なった要因は、口腔周囲筋機能、舌の動きの低下、残存歯が影響していると示唆された。多職種で口腔機能のアセスメント
をすることで、早期に問題点を把握し嚥下調整食への対応を行うことが、誤嚥性肺炎予防になると考えられる(参考文献
4)。
がん終末期の対応においては最期まで患者が食事を楽しむ支援が必要である。40代男性、十二指腸癌腹膜播種による十二指
腸狭窄のため十二指腸ステント留置施行したが、総合病院主治医より固形食の摂取は禁止、水分補給のみの指示が出され
た。退院後、患者が固形食を食べたいという要望に在宅医、訪問看護師と連携のもと管理栄養士による訪問栄養食事指導を
実施。9日間と短い期間の中、固形食を安全に食べる支援を行った。しかしながら、経静脈栄養管理の段階からの栄養介入
の医師からの指示はなかった。退院時に患家で関係者が集まり早期に患者の意向や栄養介入の確認を行うことが重要かと考
えられる(参考文献5)。
特にADLやQOLの改善につなげるためには、継続的な栄養支援と多職種との連携による話し合いが在宅においても必要である
と示唆される。

2b
ガイドライン等での位置づけ

ガイドライン等での記載あり(右欄に詳細を記載す
る。)
C009

栄養療法ならびに栄養士による介入を提案する(GRADE2B)とし
て推奨されている。

年間対象患者数(人)

令和2年度

在宅患者訪問栄養食事指導料Ⅰ+Ⅱの対象者

3,510人

国内年間実施回数(回)

3,510人×5か所の事業所が介入(医師・管理栄養士、介護支援専門員、歯科医師、薬剤師、訪問看護師)×12回~24回(月
1回~2回)=210,600~421,200回

⑥普及性

※患者数及び実施回数の推定根拠等

令和2年度 C009在宅患者訪問栄養食事指導料(1・2)の対象者3,510人は、多職種での栄養サポートが必要な対象者であ
り、月1回または2回栄養サポートカンファレンスを開催して多職種と連携することで、質の高い栄養サポートの提供ができ
る。現在、栄養に対してチームで管理できるのは褥瘡のみであるが、さらに重度の疾患であるがん末期、心不全、慢性腎臓
病、慢性呼吸疾患、小児重症心身障害等、幅広い疾患に対応が可能である。

⑦医療技術の成熟度
・学会等における位置づけ
・難易度(専門性等)

高度な知識や技術を有し、個々の生活状況を踏まえた在宅栄養管理を実践できることを目的とした、公益社団法人日本栄養
士会と日本在宅栄養管理学会が認定する資格者である「在宅訪問管理栄養士」「在宅栄養専門管理栄養士」が中心となり、
会議を行うことが望ましい。

・施設基準
(技術の専門性
等を踏まえ、必
要と考えられる
要件を、項目毎
に記載するこ
と)

施設の要件
(標榜科、手術件数、検査や手術の体
制等)

特になし

人的配置の要件
(医師、看護師等の職種や人数、専門
性や経験年数等)

在宅訪問を実施している保険医療機関の保険医、歯科訪問診療を実施している保険医療機関の保険医である歯科医師等、訪
問薬剤管理指導を実施している保険薬局の保険薬剤師、訪問看護ステーションの保健師、助産師、看護師、理学療法士、作
業療法士若しくは言語聴覚士、介護支援専門員又は相談支援専門員、保険医療機関の歯科衛生士、保険医療機関の管理栄養
士、公益社団法人日本栄養士会若しくは都道府県栄養士会が設置し、運営する「栄養ケア・ステーション」又は他の保険医
療機関の管理栄養士

その他
(遵守すべきガイドライン等その他の
要件)

特になし

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