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提案書03(0399頁~0598頁)医療技術評価・再評価提案書 (191 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》
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医療技術評価提案書(保険既収載技術用)
整理番号

240202

※事務処理用

提案される医療技術名
申請団体名

「EBウイルス核酸定量」の上咽頭癌への算定要件の拡大
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会
27耳鼻咽喉科

主たる診療科(1つ)
提案される医療
技術が関係する
診療科

リストから選択
関連する診療科(2つまで)
リストから選択

提案される医療技術又は提案される医療技術に類似した
医療技術の提案実績の有無



過去に提案した年度
(複数回提案した場合は、直近の年
度)
「実績あり」の
場合、右欄も記
載する

提案当時の医療技術名

リストから選択

特になし

有無をリストから選択

追加のエビデンスの有無



診療報酬区分
診療報酬番号

再評価区分(複数選択可)

023

8

1-A

算定要件の見直し(適応)

1-B

算定要件の見直し(施設基準)

該当する場合、リストから○を選択

1-C

算定要件の見直し(回数制限)

該当する場合、リストから○を選択

2-A

点数の見直し(増点)

該当する場合、リストから○を選択

2-B

点数の見直し(減点)

該当する場合、リストから○を選択



項目設定の見直し

該当する場合、リストから○を選択



保険収載の廃止

該当する場合、リストから○を選択



新規特定保険医療材料等に係る点数

該当する場合、リストから○を選択



その他(1~5のいずれも該当しない)

該当する場合、リストから○を選択

「6

提案される医療技術の概要(200字以内)



その他」を選んだ場合、右欄に記載

EBウイルス(EBV)が病因に深く関与する上咽頭癌患者では、血中EBV-DNA量が病勢を反映する。リアルタイムPCR法で血漿中EBV核酸を初診時、治
療終了時および経過観察中に定期的に評価することで初診時における確定診断、経過観察時の寛解および再発の診断精度が向上する。また、病勢
だけでなく予後とも相関するため、初回放射線化学療法時のアジュバント化学療法の必要性についても決定できる。

文字数: 191

再評価が必要な理由

上咽頭癌は、鼻腔深部に発生し、初期には自覚症状に乏しく、しばしば診断に難渋する悪性腫瘍である。放射線化学療法に対する感受性は良いも
のの、高転移性であり、治療後早期に再発をモニターするための鋭敏な上咽頭癌の補助診断マーカーならびに予後予測マーカーの普及は、速やか
な再発の発見とそれに続く化学療法の導入は臨床的に重要である。現在、上咽頭癌の補助診断マーカーとして4種類の血清中EBV抗体価が保険収
載されている。本邦の上咽頭癌の血清抗体価について評価した報告では、初診時の診断、再発時の診断ともに、いずれの抗体価単独でも組み合わ
せでも血清中EBV抗体価の感度、特異度には遠く及ばない。以上から血清中EBV抗体価の上昇は、上咽頭癌の補助診断マーカーとしては有用である
が病勢を反映しにくく、治療後のマーカーとしては不適である。一方、血漿中EBV-DNA定量検査が1999年はじめて報告されてから今日まで有意に
感度・特異度が高いことが多数報告されている。以上より、血漿中EBV-DNA定量は、初診時および経過観察時に上咽頭癌の補助診断マーカーなら
びに治療終了時の予後規定因子としての診断意義が高く、その算定要件の拡大が必要である。

【評価項目】

①再評価すべき具体的な内容
(根拠や有効性等について記載)

上咽頭癌の補助診断マーカーとして血漿中EBV-DNA定量はこれまでの既収載マーカーである血清中EBV抗体価に比し感度・特異度とも有意に高く、
いくつかの施設では既にルーチンで行われている。診断に関するメタ解析では感度89%、特異度85%と血清中EBV抗体価に比し鋭敏である。治療前
に血中EBV-DNA高値例は予後が悪いことが再発率、無再発生存率、全生存率の評価で証明されている。さらに上咽頭癌の好発地域である中国で
は、治療後の血漿EBV-DNAに基づいた後治療層別化に関する臨床試験も進んでいる。香港で行われた第3相試験(NCT00370890)では初回化学放射線
療法後にEBV-DNAが陰性の時は経過観察、陽性のときはアジュバント化学療法を行うというデザインで行われたが、無再発生存、全生存とも差の
ない結果となった。正確な初発時の診断と再発時の診断をはじめとして上咽頭癌診療において必要不可欠な検査となっているのが実情である。以
上より、本検査を保険収載項目として明記することが必要と考えられる。

②現在の診療報酬上の取扱い
・対象とする患者
・医療技術の内容
・点数や算定の留意事項

D023-8のEBウイルス核酸定量は、臓器移植後、移植後リンパ増殖性疾患、EBウイルス陽性の確認された悪性リンパ腫あるいは白血病、再生不良性
貧血の患者で抗胸腺グロブリンが投与された症例および慢性活動性EBウイルス感染症を疑う症例がが現在の対象である。現在は上咽頭癌は本項目
の対象患者として掲載されていないため、遠隔転移性再発の頻度が高い上咽頭癌に対して年に1回以上のFDG-PETによるモニタリングが一般的であ
る。年に2回のEBV核酸定量が治療後の最初モニタリング方法として定着すれば、医療経済的にも再発病変の速やかな発見においてもメリットがあ
る。


診療報酬区分(再掲)
診療報酬番号(再掲)

23

医療技術名

微生物核酸同定・定量検査
治癒率、死亡率やQOLの改善等の長期予 初診時のEBV-DNA定量は、上咽頭癌の正診率の向上に貢献する。また、治療終了時のEBV-DNA定量による再発リスクの評価に基づき、低リスク群の
場合は経過観察、高リスク群の場合にはアジュバント化学療法の追加、を行うことで長期予後改善に貢献する。
後等のアウトカム

③再評価の根
拠・有効性
ガイドライン等での位置づけ

現時点では、頭頸部癌診療ガイドラインにおける記載はない。一方、CPG-ACR-npc(米
ガイドライン等での記載なし(右欄にガイドライン等 国)、AHS(カナダ)、ESMO(欧州)など諸外国のガイドラインにはその有用性が明記され
の改訂の見込み等を記載する。)
ており、本邦においても今後次回ガイドライン改定時にはガイドラインに記載するよう各
学会よりはたらきかけている。

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